2003年国民春闘共闘情報
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第39号  2003年4月21日

 

労基法・派遣法違反を告発する集会に206人

 4月18日の労基法・派遣法違反を告発する集会には、労働法制中央連絡会、日本共産党議員団、自由法曹団などから206名の参加があり、熱心な発言がありました。  解雇ルールのテーマでは静岡フジカラーの大木さんが、営業譲渡を利用した組合員排除の不当性を告発。関西航業争議では航空連村中さんが、組合つぶしの擬装閉鎖とそれを容認した裁判所判決を告発しました。
 裁量労働制では光文社で過労死した脇山さんの遺族が、裁量労働ではじめて過労死認定を勝ち取ったたたかいを報告。日本IBMの門池さんは、サービス残業を合法化する裁量労働を厳しく告発しました。有期雇用契約については、元JASの契約客室乗務員であった石田智子さんが、契約社員への差別と正規雇用化へのたたかいを発言しました。川西玲子さんは、自治体における非常勤職員の雇い止めとのたたかいを報告。3年有期は、今までのたたかいの蓄積を根底から覆すと告発しました。国公労連の石井さんは、国家公務員の研究職で広がる任期付雇用について証言しました。
 派遣労働では、パソナの一方的契約解除に対する裁判闘争を支援する会の増賀さんが、派遣労働者の劣悪な権利について告発しました。また、ニコンの多田さんは、製造現場に請け負いと称して導入されている派遣労働について発言しました。首都圏移住者ユニオンの多田ミヨ子さんは、労基法がまったく守られていない外国人労働者の実態を発言しました。


 これらの発言は証言集としてまとめられています。今後、さらに証言を集め、今後の国会論戦や、世論形成に役立てたいと考えています。みなさんからのリポートをお願いします。


 

<告発リポートの募集>

 みなさんの職場で起きている実態などリアルな労働基準法・派遣法違反の実態を告発・証言してください。

 ・字数  3000字〜4000字(A4用紙2枚程度)  

 ・締め切り 4月25日  

 ・E-mail momo@zenroren.gr.jp  

   




 

 労基法・派遣法・職安法の国会審議状況

◆先に派遣法・職安法審議入り!労基法は連休明けか

 21日の衆議院厚生労働委員会の理事懇談会で5月7日に審議入り決定。22日には本会議趣旨説明 午後1時より。5月7日には委員会審議入り。派遣法・職安法もみのがせない重大な改悪です。委員会への傍聴、署名を促進しよう。

◆労基法について

 派遣法・職安法成立以後、早ければ5月16日に委員会で審議入りの可能性もある。4月3日の野党4党の理事懇談会では民主党から野党共同修正案づくりが提起されています。衆議院のうごきがわかる配信サービスがあり、以下のページから申し込めます。
http://www.shugiinmps.go.jp/mailsend/

◆野党共闘のうごき

 共同修正で動き出しています。野党4党の理事懇談会では民主党の提案で共同修正案づくりが提起され共産・社民はただちに賛成。自由は検討。労働三団体の意見を聴く方向も検討されています。

◆全労連闘争本部の動き

 <行動提起・予定>
 ◎座りこみ・議員要請行動
  4月23日(水) 11時〜13時  国会前 
  以後の行動については追って、ニュースでお知らせします。
 ◎労働法制改悪反対 中央決起集会
  スローガン:「首切り自由化法案阻止、働くルールの確立を」
  日 時:5月21日(水)午後6時開場 6時30分〜
  場 所:日比谷野外音楽堂
  主 催:全労連・中央連絡会・東京地評
  内 容:国会審議山場での行動
      労働法制改悪反対の声をアピールする
      連帯あいさつ〜全労協などの他、社会民主党、日本共産党など野党に要請
      情勢報告、決意表明、デモ指示、アピール提案、閉会あいさつ

◆他団体の動向

 ◎日弁連=日弁連・労働法制委員会は、全労連の要請を受け、労基法に「解雇自由原則」を盛り
  込むことの是非を検討、経営法曹も含め反対でまとまった。今週には見解が発表される予定。
 ◎労働弁護団=「雇用ルールの破壊は許さない!労基法・派遣法改悪に反対する緊急集会」
  4月23日 午後6時30分〜 日本教育会館 大ホール(千代田区一ツ橋)




 

東京と協力して4・18「中央最賃デー」

宣伝、経済団体と懇談、厚労省交渉・要請行動など

 国民春闘共闘と全労連、同パート臨時労組連絡会は18日、東京春闘共闘とともに「中央最賃デー」を実施。全労連全国一般や生協労連、JMIU、建交労、自交総連と国公労連、全教など官民各単産や、岩手、宮城、静岡、大阪などの地方代表も参加し、約100人が早朝宣伝、東京労働局・厚生労働省交渉、経済団体との懇談、昼休みには厚生労働省前要請行動などを展開しました。

 早朝8時、JR飯田橋駅前での宣伝行動には20人が参加。宣伝カーから東京春闘共闘の伊藤事務局長をはじめ、山口、菊池、永瀬の各幹事、全労連全国一般東京地本の寺下委員長、全労連の伊藤常任幹事らがマイクを握り、「生活保護以下の最低賃金を改善しましょう」「全国一律の新しい最低賃金制を確立しましょう」などと呼びかけました。参加者は左右に分かれ、忙しく出勤するサラリーマンらに「パート・臨時・派遣だって差別なく、生き生きと働きたい」「時給1000円以下の労働者をなくそう!」と訴えるビラ約1500枚を配布しました。

経済団体との懇談は、全国中小企業団体中央会、中小企業家同友会、経済同友会と行いました。全労連側からは、内需立て直しのためには、賃金引下げに歯止めをかけるとともに、中小零細業者の下請単価や自家労賃の低下を食い止めることが不可欠であること、労働組合と業者の共同で荷主の横暴を跳ね返している事例もあること、全国一律最賃制の確立の必要性などを説明、各経済団体からは、中小企業の経営の苦しい実態や春闘情勢、不況打開のための対応、経済政策や賃金政策について意見がだされました。いずれも予定時間を超える積極的な懇談となりました。

 厚生労働省交渉は、全労連・大木副議長を責任者に、岩手、宮城、静岡、大阪の各地方最賃審議会で労働者側委員に立候補した当人も参加し、(1)全国一律最賃制の確立、(2)地域別最賃を生活保護水準以上に引き上げる、(3)審議会で意見陳述の機会を設けること、(4)審議会委員の任命基準を明らかにすること、(5)目安制度のあり方についての検討内容を明らかにすることなどを要請しました。とくに、審議会委員の任命基準と、地域別最賃を生活保護水準以上に引き上げる課題で当局を追求しました。
 対応した、篠山賃金労働時間係長、紀伊賃金労働時間指導係らは、(1)の全国一律と(5)の目安制度のあり方について、「昨年7月の公益委員見解にもとづき、目安制度を見直すことになっているが、具体的な検討項目はまだ決まっていない」と回答。(3)の審議会で意見陳述については「労働者委員がすべての労働団体を代表して意見を述べている。全労連の要請や最賃体験などの資料は全審議委員に配布している」として、意見陳述は拒否。(4)の審議会委員の任命基準は「統一的な基準はない。人事案件として総合的に判断している」などと、従来の回答にとどまりました。
 交渉のなかで、岩手、宮城、静岡、大阪の労働者側委員立候補がつぎつぎ発言して、「連合系委員が任命直後に辞任したのに、県労連の候補を任命しないの不当」「男女共同参画社会を推進すると言いながら、女性委員を排除した」などと、各地方における不公正任命の実態を告発。篠山係長らは、「要請の趣旨は上司に伝えます」と答弁しました。また、現行最低賃金額を引き上げる課題では、「朝日新聞(4/28付)によると、『青年が職につけず、安い時給で働き、その日暮らしだと、生涯賃金が減って、日本社会が成り立たなくなる』と警告している」(全労連青年部)、「10名で最賃体験を行ったら、平均3万4000円の赤字。食事は1日1回から2回まで。タバコとコーヒーはだめ。医療費が高いから医者にはかかれない。時給1000円は最低ラインだ」(建交労青年部)、「タクシーの規制緩和で増車になり、地域別最賃すら守られない時間給になっている。宮城では400人中100人が最賃違反、京都でも2割が違反だ。未組織ではクビになるからと申告もできない」(自交総連本部)などと告発、追及しました。
 最後に大木副議長が、今年の審議会では「最賃額引下げの方向」との情報があることについて質問すると、「年金も下がり、物価も下がり、生活保護基準も人勧も下がってきたなかで、最賃を下げろという使用者側の意見は強い。担当局としては下がらないようにしたいが、これからの議論でどうなるかはわからない」「5月中旬に審議会をひらく。必要な資料は翌日に提供します」と回答しました。




 

国立大学法人法案 満員の傍聴人の中で16日に衆議院質疑

憲法・教育基本法を力に、「学問の自由・大学自治」「不当な支配するな」と追及続く

 全教は、「見解」をもとに取り組みを強め、16日の衆議院文部科学委員会の傍聴体制をとりました。当日は与野党8名が質疑に立ちましたが、傍聴メモをもとに紙面の関係で3議員の質疑の様子をお知らせします。傍聴席は全大教をはじめ立ち見もでる満席でした。

 大石尚子委員(民主党)

 ・・・(中期計画・中期目標の)評価は誰が何をどのように、どんな基準でするのか。大学によってそれぞれ内容も質も異なる研究や教育をどう評価するのか。評価結果を大学運営交付金にリンクさせると大学によっては目標水準を引き下げ、達成率をあげようとするところも生れるのではないか。

 文科省

 研究実績等総合的に評価する。評価委員は広く高い見識をもった人を選ぶ。

 石井郁子委員(日本共産党)

 憲法23条 学問の自由から大学の自治が認められていると思うがどうか。これと法案は矛盾する。自主的に決めるべき目標を大臣が決めるとなっている。なぜか。目標に対して大臣は変更を命じることができるとなっている。財政上の理由というが教育に対する不当な支配にあたる。大学の自主目標に「配慮」ではダメ。法案は国大協の合意は得ているのか。予算でフランスは大学と国が契約しているといったが全額ではない。契約している部分は学校運営費のごく数%にすぎない。このようなことをやろうとしている国は世界にどこにもない。
 評価について、構成・方法・基準など政令で定めるとなっている。(評価の基準は)法律で定めるべき。提示できないから政令でとなっている。法案そのものの欠陥である。
 すでに先行している文科省の独立行政法人となった研究所の評価がある。このような評価でやられたら大学の自由な研究などはできなくなる。35条で(目標に示された)研究を(評価によって)継続するかどうか所要の措置をとなっている。97年に町村文部大臣は独法化に反対する意見を述べているではないか。

 文科省

 学問の自由(大学の自治)は尊重する。運営費等予算に責任を持つのだから、なんでもいいではなく、最低限の関与は必要。各大学の意見を聞いて目標を決定する。これまでも(予算や人事など、細かい)相談がされてきた。予算の単年度主義などの問題もあった。これからはもっと自由になる。町村大臣は独法化に意見を言った。いまは大学法人化法案だ。国大協とは大要において理解を得、各ブロックごとの説明会でも異論は出ていない。(概要と出された法案はちがう。国大協内で意見が割れている=石井)

 佐藤公治委員(自由党)

 大学法人化法案はなぜ出されたのか。これまでの国立大学のどこが問題でその解決のためにどうすべきかということを明確にせよ。民営化ではないというが法人化するならば統廃合によって私学との統合もありうるのか。・・・

 文科省

 護送船団方式・・意思決定に時間がかかり・・さまざまな規制・束縛があり・・役員会を作って民間人も入れて・・。独立行政法人化ではない。国立大学法人、ちがうもの。評価が低ければ統廃合の対象となる。


 大学は国民の共同財産です。国際競争にうち勝つことをめざす、財界のための大学改革によって、大学を直接、企業に役立つものに変えていくことは許されません。中教審答申では、教基法「改正」の視点として、「『知』の世紀をリードする大学改革の推進」をかかげ、その目的を「国境を越えた競争の時代に、我が国が世界に伍して競争力を発揮するため」としています。そして「教育振興基本計画」には、「大競争時代」の流れを加速するため、「国立大学の法人化など、大学の構造改革を推進する」と書かれています。国立大学の法人化は教育基本法改悪と一体です。
 国会では次回は、23日(水)に4人の参考人質疑が行われます。全教は、この日、大学法人法案反対・有事法制阻止・労働法制改悪反対の3課題で国会前での座り込み・国会議員要請・衆議院傍聴など地方代表を含めての中央行動に取り組みます。




 

 広島  パートの雇用・賃金守れと全国最賃デーで行動

 全国最賃デーに呼応して、広島県労連は17日、広島市中区の金座街入り口で、パート労働者の賃上げと最低賃金額の引上げを求める宣伝行動をしました。
 20数人で配布したビラは、広島が時給644円など地方別最低賃金額の一覧表を掲載し、「この金額を下回る違法賃金がないかチェックを! 違反は処罰され、下回った金額は支払われることになっています」と訴えました。
 永見議長や広島合同労組の門田委員長らが宣伝カーで「今の最低賃金額は、生活保護を下回る低さ。消費拡大で景気を復活させるために、時給1000円、月額15万円以上をめざそう」と呼びかけました。行動に参加した生協ひろしま労組パート支部の榎裕子書記長は、「若者や男性にパート労働が広がっており、すべての労働者の賃上げに直結する最低賃金引上げへ、取り組みを広げたい」と話ました。

 (広島労連FAXニュース 4/21号より転載)


 千葉  メーデーに銀座商店街が「大歓迎」

 千葉県メーデー実行委員会は18日に、メーデーのパレードコースである千葉市銀座通りの商店街振興組合(千葉銀座・中央銀座の2振興組合)を訪問し、両理事長さんと懇談しました。普段からデモ行進で通過させてもらっているが、お互いに理解し合えているのだろうかと率直に対話しました。このなかで千葉労連などの「景気回復」の取り組みを紹介し、メーデーで相互の協力が出来ないか話し合いました。理事長さんから「メーデーは大歓迎」と、メーデー参加者に各商店・飲食店が割引などの特別サービス、店先に「歓迎」のポスターを貼り出してもらうことなどを呼びかけてもらうになりました。メーデー会場で協力店リストを配布しますので、地域経済振興のために是非昼食や買い物にご利用ください。

 (千葉労連情報 NO327 4/18より転載)





 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復