2003年国民春闘共闘情報
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第51号・回答第7号  2003年6月02日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

過半数に回答、単純平均5484円

地方中小・金融・私学などが回答引出し中

 5月下旬の回答の特徴について 

2003年6月2日 2003年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは5月30日、2003年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より5月下旬段階の回答を中心とする第7回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の30単産と9地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 927組合      
(2) 回答組合数 482組合 引出し率 52.0%  
  うち2次回答以上 146組合 上積み率 30.3%  
  うち前年実績以上 179組合 回答数の 37.1%  
  妥結組合数 266組合 解 決 率 28.7%  
(3) 単純平均 482組合 5,484円 同率 1.78%
  前年同期 513組合 5,816円 同率 1.90%
  前年同期比   −  332円   −0.12P
  加重平均 12.0万人 6,478円 同率 1.92%
  前年同期 14.8万人 7,171円 同率 1.99%
  前年同期比   −  693円   −0.07P


 4) 5月中、下旬の動向について
 5月段階は、先行してきた単産で未解決が多く、後続の単産でもリストラ・賃下げ攻撃を受け、ひきつづききびしい闘いが続いている。こうしたなかで今回は、地銀連と福祉保育労より初報告が寄せられたのをはじめ、建交労・運輸、銀行労連、地方登録組合などから新規回答が報告された。これら新規回答の特徴は、これまで同様に、定昇制度のあるところで「ベアゼロ」(定昇のみ)が多く、定昇制度がないところでは超低額が目立っている。また、これまでに146組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、179組合が前年実績以上(同額を含む)をかちとった。妥結する組合も増えてきたが、266組合で全体の29%にすぎないのが実態である。
 こうしたことから、単純平均は5484円(1.78%)で、前年比332円(0.12P)の減となった。前回集計時(5/15)に比べ110円の減額となり、このところ集計ごとに増減を繰り返している。一人当たりの加重平均は6478円(1.92%)、前年比693円(同0.07P)減で、同様に下降傾向に逆戻りしている。こうしたなか、民放労連、地方登録組合で妥結する組合が急増したのをはじめ、産別として解決の方向にむかっているのはJMIU、化学一般労連、同・紙パ、自交総連(自教)、建交労・鉄道、検数労連、全倉運、出版労連、地方マスコミ(新聞)の9単産・部会で、民放労連、地方登録組合などでも妥結する組合が増えてきた。
 5)これまでの最高額は東京私教連の組合の49,000円。回答次数では小坂研究所支部と太陽ステンレス支部(いずれもJMIU)福島民友労組(地方マスコミ)が第5次の上積み回答を引出している。「1万円以上」の回答は計27組合となった。


 3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 5月08日現在、連合の第5回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 572 122.4 5,095 1.64 5,379 1.72 4,251 1.50 4,351 1.52
35歳P 36 8.2         4,859 1.76 4,777 1.74
30歳P 20 4.8         6,713 2.43 6,852 2.32

 2) 5月21日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 176 - 5,386 1.65 5,249 1.59 4,871 1.57 5,327 1.66
中小企業 179 - 3,360 1.31 3,559 1.37 3,156 1.26 3,258 1.29



夏季一時金の回答迫る。粘り強く賃上げを

労働法制・有事法制…悪法阻止は緊急事態に

 4.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘に結集する各単産はこの間、5月21日夜の「労基法・派遣法改悪反対中央決起集会」(日比谷野音。4000人)と毎週水曜・金曜の委員会審議日に国会前座り込み、23日夜の「STOP!有事法制大集会」(明治公園に3万人。陸海空港湾20労組などの呼びかけ)参加などを取りくみ、各々成功のために奮闘してきた。あわせて、夏季一時金の要求提出をすすめている。
 たたかいは6月段階を迎えた。18日の会期末にむけて労基法改悪、有事法制などの審議が急ピッチで、悪法阻止の大集会や国会前行動が連日のように計画されている。労基法改悪の「首切り自由」を巡っての修正協議も大詰めになっている。国民春闘共闘としては労働法制改悪阻止の課題で、3日(火)衆議院厚生労働委員会の傍聴(JMIU・生熊委員長が参考人意見陳述)、同日・参議院厚生労働委員会の傍聴(派遣法・職安法の参考人意見陳述)、4日(水)の国会前座り込み行動と6日(金)の「公務員制度」と結合した決起集会・デモと国会前座り込みの成功をめざしている。STOP有事法制の課題では、3日夜の緊急大集会(日比谷野音)・デモ行進が準備され、10日夜にも陸海空港湾20労組や宗教者など実行委員会方式での日比谷大集会が呼びかけられたところである。
 6月段階のたたかいは、現時点でなお7割の組合が6月にたたかいを持ち越しており、金融・保険や私学の春闘も本格化してきた。6月第1週から第2週にかけて、夏季一時金の回答指定日が集中する。賃上げ以上にきびしい状況もみられるが、先行組合では賃上げを抑えられた分、一時金は頑張ったという報告もある。また、最賃・人勧期のたたかいも近づき、6月12日には「6月最賃デー」(早朝宣伝、関係団体要請、厚生労働省前行動、国会議員要請など)の取りくみが準備されているところである。

(以 上)




 
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