2003年国民春闘共闘情報
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第52号  2003年6月06日

 

有事法制、派遣法の強行に抗議

 悪法阻止、働くルール・民主的公務員制度確立求め

中央集会・デモ&国会座り込みに2000人

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 参議院本会議で、有事法制と労働者派遣法・職安法が採決強行された6月6日、全労連、公務労組連絡会、労働法制中連、国立大学法人化反対連絡会が共同し、日比谷野外音楽堂で「悪法阻止、働くルール・民主的公務員制度確立 6・6中央決起集会」を開催、集会後、国会請願デモ、国会前座り込みなどを取り組みました。
 この行動は、同課題で取りくんできた全国キャラバンの集結集会も兼ねたもので、公務の国公労連、自治労連、全教、郵産労、特殊法人労連、民間のJMIU、建交労、自交総連、出版労連、日本医労連、福祉保育労など、地方は関東各県や北海道、大分などの代表らのべ2000人が参加し、暑さをこらえて奮闘しました。


熊谷議長「悪法阻止のたたかい強化を」

 中央決起集会で主催者あいさつした全労連・熊谷金道議長(国民春闘共闘代表幹事)は、米国の戦争に自衛隊が参戦する有事関連法案や正規雇用を減らして不安定・低賃金の派遣労働を拡大する派遣法が間もなく採決されようとしている緊迫した状況を紹介しながら、次のように悪法阻止のたたかい強化を呼びかけました。
 「労基法の『解雇自由』の改悪部分を衆議院段階のたたかいで修正させることができた。この成果を確信にして、有期雇用、裁量労働の抜本修正をかちとっていこう。公務員制度改悪も閣議決定すら許さないたたかいをすすめてきた。教育基本法もあまりにもひどい内容を批判し上程を断念させてきた。本日、韓国の大統領が来日するが、韓国では公務員制度の労働基本権確立をめざしてたたかっている。政府は会期を延長してでもイラク協力法案を押し通そうとしている。これらの悪法を阻止するため、最後までがんばりましょう。」

各課題で決意表明。「最後までたたかい抜く」

 課題別の決意表明がつづき、労働法制では、全労連・井筒百子幹事が「労基法の『解雇自由』を修正させたのは全労連、連合、労働法制中連、法曹界などのたたかいによるもの。有期雇用の延長、裁量労働の拡大を阻止し修正を勝ち取ろう。政府財界の21世紀戦略によってパート、派遣など非正規労働者を大量に増やそうとしている。最後までたたかいぬく」と表明しました。
 公務員制度は、国公労連の堀口士郎委員長が「政府は公務員制度改革法案を上程しようとしているが、事務局との約束では誠心誠意話し合うこと、大臣はILOの場で労組との合意なしに推進しないと言った。しかしながら、この間の進め方、内容には大いに異議がある。マスコミも天下りや特権官僚の横暴などを批判し、労同期法権は当たり前だと論じている。ILOも、40年間さぼってきた労働基本権問題について、関係者と十分話し合いなさいと言い、国際的リーダーとして日本は恥ずかしくありませんかとも言っている。国内・国際の常識からみても、私たちの要求は当然であり、いまこそ新しい歴史をつくっていこう」と呼びかけました。
 有事法制の課題では、憲法会議の川村俊夫事務局長が「この時間、参議院本会議で有事法案が議論されている。自衛隊の海外派兵が優先され、国民の基本的人権などはすべて先送りだ。自民党は『柱を建てるだけだ』といいながら本日、採決を強行しようとしている。壁や屋根、窓などの法律は200本を超えるという。たたかいはこれからだ。私たちは半世紀に渡って憲法第9条を守ってきた。戦争する道を阻止するために共に頑張りましょう」と延べました。
 大学法人化問題は、全大教の三宅則義副委員長が「国立大学関連6法案は、4月3日より審議入りし今日まで11日間審議されてきたが、大学の自主性、自立性のためと言いながら、内容はまったく逆で、文部科学省当局の管理強化、学問の自由抑制が明らかになってきた。私たちの運動により、少なくとも6月17日まで委員会が継続される可能性が出てきた。四野党すべてが反対する状況までつくってきた。たたかいはこれからだ。法案の内容がひどいということもあるが、関係12団体による連絡会の運動が情勢をつくってきた。今後も全力をあげてたたかう」と決意を表明しました。

 参加者は集会後、国会請願デモに向かいましたが、出発前に参議院本会議で労働者派遣法・職安法改悪法案が採決され、デモ隊が財務省上の請願切り替え地点に差し掛かった時、有事関連法案が採決強行されました。参加者は怒りをこめて「派遣労働者の雇用と権利を守れ」「働くルールを確立しよう」「公務員の労働基本権を快復しよう」「有事法制の採決反対」「教育基本法を守れ」などとシュプレヒコールを繰り返しました。


有事法案の具体化許さず、労基法改悪も阻止を

 日本共産党・小池晃参院議員が国会報告

 国会前では、連合、全労連、全労協などの各労働組合、宗教者、市民団体、民主団体、学生団体など1000人を超える人々が有事法制の採決に抗議する座り込み、議員要請などを展開中で、デモ参加者も終了後直ちに衆議院第二議員会館前へ移動して座り込みに突入しました。
 初夏の強い陽射しを受けながらの座り込み集会で、国会報告に駆けつけた日本共産党の小池晃参議院議員は、「有事法制がさきほど強行されたが、今後の具体的な関連法案阻止のたたかいを強め、使いものにならない法律にしていこう」と呼びかけました。労働者派遣法・職安法も強行されたことを紹介して「違法派遣、偽装請負がはびこっているのに、貸し金業と労働者派遣がいっしょにできる危険な法律だ。参議院では月曜日(9日)から労基法が審議されるが、衆議院段階のたたかいで『解雇自由』は抜本的に書き換えた。しかし、有期雇用の延長、裁量労働の拡大は大問題だ。いま、非正規労働者は3割を超え、女性では5割を超えた。ILOは常用雇用を中心にと勧告している。政府の国民生活白書ですら非正規労働者が増えれば社会保障が揺らぐと警告している。院内外のたたかいを強め、最後までともにたたかいましょう。


職場・地域から決意表明/深刻な実態も紹介

 決意表明は、全労連全国一般・ヒルトンホテル争議団、全労働北海道・野上さん、JMIU・NCR支部・若林さん、日高教・北野さん、千葉労連・本原さんらが次々マイクを握りました。NCR支部の若林さんは、「職場の6割が裁量、成績主義で働かされている。午後10時、11時まで働いている。関連企業の中には派遣労働者が業務をまわしているところがある。ところが時給1300円で募集しながら昨年1000円に引き下げてしまった。イヤなら辞めなさいである。月額にして5万円の賃下げだ。闘おうにも法律が壁になっている」と紹介しました。各々職場・地域ですすんでいるリストラ・首切り、労働強化や、正規職員の派遣化などの深刻な実態を紹介しながら、ひきつづく闘争強化の決意を語りました。


まともな審議も無く  有事法案参院本会議採決強行!

有事法を実施させない たたかいはこれら

 本日6日、参議院本会議で、有事3法案を与党と民主・自由党の賛成で可決成立させた。全労連は、この採決に抗議し下記の全労連有事闘争本部の熊谷本部長名の声明を発表しました。
 今後政府は、小泉首相がアメリカを訪問し約束してきた「イラク支援法(米軍支援法)」の成立のために、会期をひと月程度延長しイラクの占領米軍を直接支援するために自衛隊をイラクに派遣することをねらっています。今後、あくまでもプログラム法である「有事関連法」を具体化する個別法の成立を阻止し、有事法の実施を許さない運動をこれから推進することが重要となっています。


 

<今後の当面の国会闘争>

  ●参議院厚生労働委員会

   6月9日(月) 参議院本会議で趣旨説明、厚生労働委員会でも趣旨説明

    10日(火) 13:00〜17:00 厚生労働委員会

    11日(水) 13:00〜      厚生労働委員会参考人質疑

            11:00〜13:00 国会前座り込み行動

  ●国民大運動などの国会行動について

  6月11日(水)は、国会前座り込み行動に合流。

            終了後中央社保協が国会内決起集会 

 





 
〈声明〉「有事関連3法案」の参議院採決の暴挙に強く抗議する

2003年6月6日

全国労働組合総連合

「有事法制阻止、憲法9条を守る」闘争本部 本部長 熊谷金道  

1. 本日、参議院本会議は、ひろく国民にその危険な本質を明らかにさせないまま与党と民主党・自由党の賛成で「有事法制関連3法案」の採決を強行した。多くの地方自治体がその慎重審議を求め、野党からは中央公聴会の開催要求があったにもかかわらず、これらの声を完全に葬り去った。全労連は、日本国憲法9条を真っ向から蹂躙し、歴史に汚点を残す悪法の採決に満身の怒りを込めて抗議する。ましてや、自衛隊を海外派兵させる「イラク新法」を通すためだけに今国会の会期を延長することは許されない。

2. この「有事関連3法案」は、米軍がひきおこす海外の先制攻撃の戦争に、自衛隊が武力行使をもって参戦し、罰則つきで国民を強制動員する危険な本質を持っている。先制攻撃を国の軍事戦略としているアメリカは、世界の圧倒的多数の人々の声を無視し、さらには国連憲章をも踏みにじりイラク攻撃を行なった。与党と民主党および自由党が「共同修正案」なるものを提出したが、アメリカが行なうこのような無法な戦争に加担するための法整備であることは隠すことはできない。さらにこの法案は、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領が来日する日に採決された。近隣諸国からの深い憂慮と批判の声が上がっているにもかかわらず、「北朝鮮有事」を喧伝し海外派兵国家づくりの道を突きすすむ日本政府の態度は、東北アジアにいっそう深刻な軍事的緊張をもたらし、世界の平和の流れに逆行する危険なものである。

3. いま日本政府がなすべきことは、武力攻撃を受けない、そして武力攻撃に加担しない状態を政治・外交的につくりだし、国内外で憲法9条の平和主義・民主原則の全面実施を図ることである。全労連は、有事法制の具体化や発動を決して許さない。この法案を骨子とした国民保護法や米軍支援法などの法制化の動きを阻止するために、ひきつづき広範な国民にその危険な本質を知らせ、「戦争する国づくり」を許さないたたかいを職場・地域から全力をあげて推進する決意である。


以上




 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復