2003年国民春闘共闘情報
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第54号  2003年6月13日

 

最低賃金の引き下げ許すな!

 早朝宣伝、各使用者委員・厚労省・パート議連に要請  

梅雨空のなか6・12最賃デー総行動

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 全労連と国民春闘共闘・東京春闘共闘は12日、6・12最賃デー総行動をとりくみました。
 うっとうしい梅雨降りしきるなか、主要駅頭での早朝宣伝、各使用者委員選出団体への要請、厚生労働省前要請行動、パート議員連盟の国会議員要請などに、中央・東京の各単産、東京地評・神奈川労連の役職員、周辺の組合員らのべ200人が参加しました。
 早朝宣伝は東京駅八重洲北口、新宿駅西口、池袋駅東口と東京労基局のある飯田橋駅東口で実施。傘をさして出勤するサラリーマンらに、宣伝カーから地域別最低賃金の制度を説明し、「いまでさえ生活できない金額なのに今年は引き下げられようとしています」「反対の声を中央最低賃金審議会へ届けましょう」などと訴え、最賃ビラを配布しました(写真は東京駅)。

中小企業家も全国一律望む。日商と人事院で紛糾

 宣伝後、全労連会館に結集した参加者は、中賃審議会の使用者側委員を選出している企業・団体ごとにチームを編成して、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所、東京商工会議所、東京都中小企業団体中央会、石川島播磨重工業、NECソフトに要請に向かいました。
 最賃デーとして2度目の訪問となった全国中小企業団体中央会では、1時間ほどの懇談となりました。現行の最賃額では、フルタイムで働いても生活することができず、労基法や最低賃金法の趣旨にそぐわない状態にあるため、これをどう引き上げていくか、が課題であること、都道府県別バラバラの最賃では、積算単価が設定しにくいと、中小企業家からも全国一律の制度を望む声がでていることなど、中小企業のおかれている厳しい状態について意見をかわしつつ、最賃引き上げ、制度改善の必要性について議論をしました。
 一方、日本商工会議所と人事院では、対応した役員と要請団の意見が鋭く対立し紛糾する場面もありました。日本商工会議所の役員は、市場原理を主張して全国一律と時給1000円の要求を拒否、改定目安は引下げか去年と同じ(ゼロ回答)と考えている、地域によって生活費が異なるのだから地域ごとに最賃があって当たり前などと回答し、ことごとく要請団と対立しました。また、公共職場の仲間とともに要請に行った人事院では、公務・公共職場のパート、臨時・非常勤職員の人勧準拠の賃下げ問題で論議は紛糾しました。「我々は常勤公務員を対象に勧告をだしたまでで、自治体の臨時・非常勤がマイナス勧告準拠で賃下げをされているなど、関知する所でない。そういったところを守るのが労働組合の仕事だろう」などと発言、人勧の影響力について無自覚な姿勢をあからさまにしました。

中賃の密室審議は許せない!最賃の引上げを

 昼休みの厚生労働省前行動には、周辺の国公労連組合員を含め100人が参加。全労連の熊谷議長(国民春闘共闘代表幹事)があいさつし、賃金引下げ策動の背景にある、雇用流動化・不安定雇用の増大という問題の重さにふれ、未組織への働きかけの重要性も含めて、最賃凍結・引き下げを許さないたたかいをくりひろげようと訴えました。
 東京パート・ネットを代表し、東京都最低賃金審議会委員候補の伊藤さんがマイクを握りました。「娘の低賃金、おかあさんが助けてやる!」と声をあげると、大きな拍手が沸き起こりました。神奈川労連の岡部副議長、国公労連・後藤青年部長らがマイクを握り、「時給は1千円以上に」、「全国一律最賃を」などと主張し、たたかう決意を語りました。
 締めくくりの挨拶にたった大木全労連副議長は「中賃審議会は、多数の労働者に影響することを、密室で議論して決めようとしている。こんなことは断じて許せない。みんなの要求を結集して審議会を公開させ、低すぎる最低賃金を大幅に引き上げさせよう」と呼びかけました。

最賃引上げにパート議連の各党議員も尽力約す

 午後は、衆議院議員面会所に再結集して、パート議連に参加する56名の各党国会議員に対する要請行動。要請団が、中賃審議会で最賃引き下げの審議がすすめられていることを紹介しながら、「働けば生活できる賃金と均等待遇を」「中賃目安小委員会の傍聴を認めること」などのために尽力を要請しました。民主党のある参議院議員秘書は、「よくわかりました。いっしょにがんばりましょう」と激励してくれました。




 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復