2004年国民春闘共闘情報
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第 14 号  2004年3月01日

 

生活改善へ、賃上げと雇用と…

  攻めの04春闘、各単産の要求提出すすむ


 国民春闘共闘の各単産は2月27日までに、04春闘の賃上げ、パート時給、最低賃金要求をはじめ定年延長、不払残業の是正などの要求を各企業に提出しました。すでに要求提出が先行している建交労(2/18〜)、生協労連(2/20)、検数労連(2/24)、JMIU、全信労(2/26)に加え、2月中に通信労組、全労連全国一般、地銀連、日本医労連、福祉保育労などで要求提出がすすんでいます。公務の国公労連、自治労連、全教、特殊法人労連などでも2月中に要求提出しました。
 今週(3/1〜)は、化学一般労連、自交総連、全印総連、出版労連、民放労連、映演共闘などが要求提出します。各単産の集中回答日は17日、翌18日にはストライキを含む統一行動を構えています。


 JMIU  231支部分会が要求提出

賃上げ要求 全国平均2万7961円

 JMIUでは、2月26日の統一要求日に全国231支部分会で賃上げを中心とした春闘要求をいっせいに提出しました。賃上げ要求の平均は、支部平均で前年並みの2万7961円になります。JMIU中央本部では、「これは長年にわたる労働者への犠牲押し付けのもとで、『もうこれ以上のガマンはできない』という切実な生活改善への思いの反映です。経営者は要求金額に込められた労働者の生活悪化の実態と思いを直視すべきです」としています。JMIUの回答指定日は10日で、翌11日には地方ごとにリレーストなどを構えています。

「年金制度改悪にかかわる要求書」は186支部分会が要求しました。
1)政府の「年金改悪」に会社および経営者として反対すること、
2)署名など「年金改悪」反対に労働組合と可能な限り共同をすすめること、
3)「年金改悪」を理由にリストラや賃金引下げ、派遣・請負などへの置き換えなどを行わないこと、

の3点を内容とするこの要求書は、「年金春闘」をすすめる土台です。すでにいくつかのところでは事前申し入れのなかで「年金改悪反対」を会社に申し入れ、管理職などから署名を集めるなど取組みが強められています。

 建交労  423組合平均で3万8346円の要求

 建交労の春闘要求提出状況は、2月18日のいっせい提出から順次報告が集中し、2月末日までに423組合(支部・分会)になりました。交渉単位が790もあるため、提出率は53.5%となっています。
 全国平均の要求額は3万8346円と高額で、うちJRが4万円です。
 提出率の高い県本部は、宮城・福井・熊本・大分が100%、兵庫91%、大阪84.6%、群馬・広島・徳島が83.3%、静岡82.8%、京都68.8%、秋田66.7%などとなっています。建交労本部では「職場の状況を把握することが組織強化にもつながる」ことから、各県本部にたいし要求提出と団交配置を重視するよう要請しています。10日には先行組合が回答指定日を迎えます。



 
成果主義賃金導入に伴う賃下げは不当

  JMIUノイズ分会が全面勝利判決

 JMIU神奈川地本川崎支部ノイズ研究所分会の組合員3名が成果主義賃金導入にともなう一方的な賃金引下げおよび降格は無効として争っていた事件で2月26日、横浜地裁川崎支部は組合員の主張をほぼ全面的に認め、賃金および従来の格付けにもとづく地位に戻し、賃金、賞与の差額支払いを命じる判決を言い渡しました。財界方針にもとづく「成果主義」に名を借りた「賃金破壊」攻撃が大企業を中心に横行するなか、それに歯止めをかけた画期的な全面勝利判決です。
 ノイズ研究所は2001年、団体交渉を拒否したまま一方的に「成果主義」賃金に変更。その結果、JMIU組合員を含む従業員の一部は、係長などの地位を降格されたうえ、賃金についても最高月額8万円以上も減額されました。
 判決は、「労働者にとって重要な権利、労働条件に不利益を及ぼす就業規則の作成や変更は、不利益を容認できるだけの必要性にもとづく合理的なものでなければならない」と指摘したうえで、成果主義賃金の原資は一部従業員の犠牲によるものであり、賃金が下がるものには一定の軽減・緩和措置が必要であること、2年間の調整手当では減少額を回復することは困難で、代償措置としては不十分で「就業規則の変更は無効」と断じました。


ふさわしい時間額との差「8円」

8年めどにランク内格差の解消へ

  宮城最賃審議小委が全会一致で報告書

 最低賃金改定のあり方を審議していた宮城県最低賃金審議会の検討小委員会はこのほど、県民所得や消費など県経済の実態にふさわしい最低賃金と現行時間額(617円)との差が「8円」あることを確認。これを「8年程度をメドに解消する」とした報告書を全会一致でまとめました。3月下旬に開く同審議会の本審で最終確認されます。この方向は、宮城県春闘共闘による2・25地域総行動当日の労働局交渉のなかでも同趣の回答がありました。
 今後、中央最低賃金審議会の目安をもとに改定する時間額の審議とは別に、県内の経済情勢や賃金動向などを総合的に勘案し決め、毎年の解消額は「機械的に決めない」としています。連合宮城は「年1円ずつの解消ではなく、その年の状況を見て決めるということ」と語っています。
 最低賃金は高い時間額の順に47都道府県をA〜Dの4ランクにわけています。宮城は1995年にDランクからCランクに移行。時間額で15円アップしましたが、諸指標で比べるとなおCランクの他の道県との格差があり、整合性を確保するためには、中賃目安による毎年の時間額改定だけでは解消しないことが明らかになっていました。
 報告書は、整合性が欠けていた理由について「長年、(アップ額の低い)Dランクに置かれていたのが要因」と指摘。その上で、中賃目安制度が始まった78年からCランクに移行した95年までの17年間、Cランクに位置したとすれば「(アップ額は)時間額にして16円になる」ものの、県内の賃金水準、未満率・影響率、他県との整合性などを考慮し「格差は8円」と確認しました。
 報告書は、時間額の改定上積みでは実現できなかった格差解消をめざすもの。額を具体的に示したのは全国でも宮城が初めてです。




 
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