2004年国民春闘共闘情報
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第20号・回答第3号  2004年4月02日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

中小がんばり単純平均5665円に

検数、倉庫、証券、広告も前年上回る

 3月下旬の回答の特徴について 

2004年4月02日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは4月1日、2004年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より3月下旬の回答を中心とする第3回目の報告を受けた。この間は3月決着をめざす産業別統一行動もあり、回答報告が寄せられたのは20単産・部会に増えた。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 904組合      
(2) 回答組合数 269組合 引出し率 29.8%  
  うち上積み 48組合 上積み率 17.8%  
  うち前年実績額以上 124組合 回答数の 46.1%  
  妥結組合数 42組合 解 決 率 4.6%  
(3) 単純平均額 269組合 5,665円 同率 1.79%
  前年同期 246組合 5,626円 同率 1.85%
  前年同期比   +   39円   −0.06P
  加重平均額 6.5万人 5,865円 同率 1.83%
  前年同期 5.9万人 6,153円 同率 1.92%
  前年同期比   −  288円   −0.09P


 4) 回答状況の傾向について
 3月下旬段階で、「3月決着をめざす」各単産の集中団交や統一行動が取りくまれ、建交労建設と検数労連、全倉運、全証労協、広告労協の5単産・部会が各々前年同期を上回る初回答を引出した。また、化学一般労連、全国一般製造、建交労運輸、生協労連、民放労連、出版労連、日本医労連などが回答引出し・上積みをかちとっている。しかしながら、回答引出し率は29.8%でやっと3割の水準になった。「ベアゼロ(定昇のみ)」と「回答延期」が多いものの、一部に「純ベア」獲得がみられるなど、きびしかった昨年とは一変した状況で推移している。この点では連合の中小単産も同様で、むしろ際立っている。
 こうしたことから、単純平均は5,665円、1.79%となり、前回集計(3月25日)時点より4円アップしたが、一人当たりの加重平均は逆に174円ダウンした。前年同期との比較でも単純平均で39円増、加重平均では288円減となり、中小零細が善戦し大手が苦戦していることを表わしている。この傾向は規模別集計にも表われ、久しぶりに格差縮小が期待される。

 5) 前年同期との比較では、比較可能な18単産中、賃上げ額がプラスになっているのはJMIU、化学一般労連紙パ、全国一般製造、建交労鉄道、検数労連、全倉運、全労連全国一般、マスコミの印刷、出版、民放と地方登録組合など計12単産・部会である。いまのところ、生協労連、地方マスコミ、日本医労連など、昨年善戦したところが今年はマイナスに転じている。

 6) これまでの最高額は出版労連の組合の1万4771円。前年実績額との比較で、1万4000円をかちとった出版労連の組合は前年ゼロだったため+1万4000円である。回答次数ではJMIUの小坂研究所支部と化学一般労連紙パのクレシア労組が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計19組合となった。


連合中小も前年比+334円。善戦健闘中

 3.他団体の賃上げ集計結果について(前号再録)
1) 3月25日現在、連合中小共闘(30組織)の第1回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 前年対比
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
中小(〜299) 497 6.5 4,627 1.68 4,293 1.59 +334 +0.09

 2) 3月25日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 66 - 5,318 1.60 5,264 1.62 4,807 1.53 4,817 1.58



「4・15年金スト」に呼応して解決はかろう

 4.後半戦の特徴と闘争強化について
 小泉首相は1日の衆議院本会議で、年金改悪法案を上程・趣旨説明し「今国会で先送りすることなく成立させていただきたい」と、成立への強い意志を表明した。与党各党も衆院厚生労働委員会の審議(毎水曜・金曜)を強行し、4月中の可決を狙っている。
 国民春闘共闘・全労連では来る15日(木)に、04春闘の最大の対決点として準備してきた「4・15年金スト」を迎える。各民間単産はストライキを中心に、公務単産は時間内外の職場集会を中心に、各地方・地域共闘はスト激励や宣伝行動、共同の決起集会・デモ行進など、いずれも最大規模の結集と国民的な共同のひろがりをめざして準備中である。
 1日に発表された日銀短観によれば、企業の景況感を示す業況判断指数は、大企業製造業が4期連続して改善しプラス12となり、大企業非製造業も7年ぶりにプラス5となるなど、大企業では生産、売上げ、設備投資、借入れなどの企業活動が順調であることを示した。賃上げ余力、雇用増の原資も十分あり、個人消費を回復させ景気回復を本格化させるためにも労働者の要求に応え、関連下請企業への配慮をはかるべきである。
 国民春闘共闘の賃金闘争は本集計結果にみられるように、なお9割方の組合が未回答や超低額のために長期化しているのが現状である。これを打ち破るために、職場・地域で粘り強くたたかっているが、経営側のガードは固く、中小経営のきびしさもあって要求の前進を阻んでいる。このため、「4・15年金スト」を前にしたいっせい団交、集団交渉などで「賃上げも、年金改悪阻止も」と、総力を結集した回答引き出し・上積みのたたかいを展開しようとしているところである。

(以 上)





 
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