2004年国民春闘共闘情報
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第 25 号  2004年4月28日

 

 第2回 04春闘進ちょく状況調査

回答引出し41%に、ストは26%

大きく改善。4月末〜連休明けに決着めざす

 国民春闘回答集計センターは27日、全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第2回調査を実施しました。春闘要求実現を含む「4・15年金スト・全国統一行動」をたたかい、月末の「闘争集中ゾーン」を前にした段階で20単産から3277組合の報告がありました。要求提出の割合が75%(昨年は66%)、回答引出しが41%(同33%)、妥結・妥結方向が14%(同9%)、スト実施が26%(同12%)になるなど、きびしいながらも昨年に比べて大きく改善されている実態が明らかになりました。


要求提出組合数は75%に改善

[調査組合数、要求提出数]

 調査組合数は報告計で3277組合(20単産)で、ほとんどが中小労組です。組合数が多いところは建交労の768組合、日本医労連442組合、全労連全国一般360組合、自交総連330組合、JMIU321組合など。なお、昨年の最終集計(6月末)で全体計は3776組合(26単産)でしたが、現時点では、回答の出ていない7単産(繊維、地銀、映演、証券、郵産、福保、私学)は調査対象からはずしています。
 要求提出は、計2466組合で全体の75%(前年66%)に達しました。前年同期比で9ポイントも改善されています。検数労連と通信労組、銀行労連、全損保が100%で、出版労連89%、自交総連86%、化学一般労連83%、全労連全国一般82%などが高率です。


回答引出し41%に。妥結はいまだ14%

[回答引出し、妥結数]

 回答引出しは計1347組合で、4月15日の「第4次全国統一行動」のたたかいを経て、ようやく41%(前年同期比で8ポイント増)の水準に達しました。遅れている要因は、業績不振の中小企業を中心に「賃上げできる経営実態にない」という現実や、それを悪用した回答引き延ばし、電機や自動車大手の回答を睨んで「原資があっても出さない」という傾向が指摘されています。こうしたなかで、回答内容を問わなければ通信労組と検数労連の100%があり、出版労連86%、民放労連74%、化学一般労連の69%、JMIU61%、全倉運60%などが高率です。建設関連労連、映演共闘や金融、私学関係の回答引出しは、4月下旬から連休明けに本格化します。
 回答内容では「ベアゼロ(定昇のみ)」が多く、通信労組のNTTグループは全70社、すべての回答が「ベアゼロ(定昇のみ)」か一部「定昇カット」などになっているのは全農協労連、建設関連労連、全倉運、生協労連、全損保で、全労連全国一般、民放労連、広告労協、日本医労連などは5割以上です。「ベアゼロ(定昇のみ)」は計499組合、「ベアゼロ(定昇もなし)」が56組合も見られます。ただし、「定昇カットなど」は63組合ながら昨年の127組合に比べ半減させていますし、「定昇なし・賃下げ」は昨年15組合ありましたが今年は今のところ報告なしです。各単産はここにきて、「産業別歯止め基準」などを打ち出し、日本医労連や民放労連などは純ベアに執着する姿勢でたたかっています。
 うち妥結または妥結方向に達しているのは452組合で、いまだ14%にすぎません。妥結しているのは「前年実績以上の回答」や「定期昇給分など一定額を確保」した組合が中心です。「妥結方向」は検数労連の100%、「全体としてほぼ集約方向」に向かっているのは出版労連の60%だけで、比較的高率なのは化学一般労連30%とJMIU28%です。このほかの単産では、前述のようなきびしい回答内容のために未解決が多くなっています。全体では前年同期比で5ポイント改善されました。


スト権確立59%ながら、実施は26%に倍増

[スト権確立・実施数]

 スト権を確立したのは1836組合で、調査計の59%になりました。前年同期比で組合数はほぼ同数ですが比率は3ポイント減少しました。この原因は、単組数で最大の建交労が昨年の大会決定で100%と報告したのにたいして、今年は単組批准数の74%としたことによります。高率で確立したのは、検数労連、通信労組、全労連全国一般、全損保でともに100%でした。
 うち、ストライキ実施組合数(指名スト含む。2回実施は2ポイント)は計814組合、26%で昨年比2.2倍に増えました。集中回答翌日の3・18第3次全国統一行動が推定280組合でしたから、その後、第4次の「4・15年金スト・全国統一行動」を中心に534組合増えたことになります。これまでのところ通信労組は全組合が2回のストで200%のほか、検数労連も150%です。このほか、JMIU62%、出版労連37%、全印総連30%などが比較的高率で奮闘しました。


決着をめざす闘争へ。年金改悪反対闘争と結合して

 以上の数値と各単産からの報告を総合すると、春闘の進ちょく状況は史上最低であった昨年に比べ、各指標が大きく改善されて推移しています。回答水準も単純平均で5566円、前年比42円増(4/19)と回復傾向を示しています。当面、4月下旬や連休明けに「決着をめざす」産業別統一闘争や特別対策を軸に、地方・地域も支援・連帯の輪を広げることが必要です。年金大改悪許すな!自衛隊はイラクから撤退せよ!有事関連法案反対などのたたかいと結合しながら精一杯奮闘しあいましょう。





第2回 04春 闘 進 ち ょ く 状 況

2004年4月27日 国民春闘共闘委員会

  調査 スト権 春闘要求 回答引出し スト実施組合 妥結・妥結方向
単産名 組合数 確立数 提出数
全農協労連 28 13 46% 20 71% 11 39% 2 7% 5 18%
建交労 768 569 74% 569 74% 146 19% 52 7% 81 11%
建設関連労連 55 4 7% 19 35% 16 29%     6 11%
JMIU 321 165 51% 255 79% 195 61% 200 62% 90 28%
化学一般労連 143     119 83% 99 69% 5 3% 43 30%
自交総連 330 218 66% 284 86% 55 17% 74 22% 34 10%
検数労連 2 2 100% 2 100% 2 100% 3 150% 2 100%
通信労組 70 70 100% 70 100% 70 100% 140 200% 0 0%
全倉運 47 10 21% 36 77% 28 60%     7 15%
生協労連 177 12 7% 66 37% 59 33% 6 3% 3 2%
全国一般 360 360 100% 295 82% 123 34% 75 21% 30 8%
全信労 50 11 22% 36 72% 11 22%     1 2%
銀行労連 15 9 60% 15 100%            
全損保 16 16 100% 16 100% 4 25%     2 13%
全印総連 155 42 27% 95 61% 65 42% 46 30% 11 7%
民放労連 130 62 48% 96 74% 96 74% 20 15% 26 20%
出版労連 142 95 67% 127 89% 122 86% 29 20% 85 60%
広告労協 485     31 65% 19 40%     10 21%
日本医労連 442 202 46% 338 76% 227 51% 162 37% 18 4%
特殊法人労連 9 1 11% 8 72% 3 33%        
報告計 3277 1836 59% 2466 75% 1347 41% 814 26% 452 14%
前年同期 3575 1842 62% 2342 66% 1173 33% 370 12% 338 9%


 (注)、「スト権」「スト実施組合」の分母は調査組合数からスト権確立数の未調査を引いたものです。




 
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