2004年国民春闘共闘情報
インデックスへ



 

第 27 号  2004年5月18日

 

パート賃上げ、企業内最賃、時短・雇用保障…

前年同期に倍する1289組合が成果

04春闘「パート賃上げ、最賃・時短・諸要求獲得状況」の中間集約について

2004年5月18日現在 2004年国民春闘共闘委員会


 

 [集計結果の概要] 国民春闘共闘はこのほど、「パート賃上げ、最賃・時短・諸要求獲得状況調査」を中間集約しました。各単産からの報告は一覧表のとおりで、19単産部会・1地方からのべ1289組合の獲得状況が報告されました。「ベアゼロ」「賃下げ」攻撃や総額人件費抑制のもとで、前年同期(661組合)を628組合も上回る成果をかちとりました。但し、例年この時期に1000組合以上の成果が報告され、一昨年、昨年と半減した経緯があり、例年と比較すると「平年並み」に回復した水準です。また、今年から新たに自治労連の非常勤職員(東京・大阪)の成果が報告されるという運動の前進も評価する必要があります。

 [要求課題別] 04春闘でとくに重要視して取りくんできた「パート賃上げ」は、日給者を含め136組合がかちとり(生協パート、全国一般、建交労、全印総連、日本医労連、福祉保育労、自治労連など)、その引上げ額は時給1円から30円までで、42組合の単純平均は10.2円(前年同期は50組合8.2円)になります。自治労連では「マイナス人勧」のもとで大半の組合が非常勤職員の賃下げを阻止しました。企業内最賃・最低保障賃金は160組合(建交労、化学一般労連、生協パート、全印総連、出版労連)が協定しました。

 雇用保障・定年延長・退職金増額が182組合(JMIU、全農協労連、建交労、自治労連)で成果をあげ、自治労連の成果は非常勤職員の「雇い止めをしない」ことです。労災上積み補償・安全衛生は160組合(JMIU、建交労、生協労連など)に増え、介護・看護休業の新設・改善も15組合(建交労、民放労連、出版労連など)に増えましたが、育児休業制度の新設・改善は13組合(自治労連、民放労連など)に減りました。

 労働時間関係では141組合が成果をあげました。これも前年同期(99組合)を大幅に上回っています。うち残業関係が64組合(建交労、生協労連、JMIU、全農協労連など)あり、厚生労働省の「4・6通達」「5・23指針」を活用した取りくみと、サービス残業根絶の労使合意づくりの成果です。休日・休暇増も33組合(JMIU、出版労連、民放労連、建交労、自治労連など)で前進させました。


建交労、JMなど前年上回る。自治、農協単協は新報告

 [単産・地方別] 全体として2倍に近い628組合も増えたのは、第一にJMIUが+296組合、建交労が+166組合に見られるように、「雇用の安定」に関わる統一要求合意(JMIU)や「年金改悪反対」の労使合意(JMIU、建交労)が多数を占めたのが特徴です。第二に、自治労連が99組合、全農協労連単協の49組合など新たな報告が寄せられたことです。第三は、生協労連、全印総連、出版労連、民放労連、日本医労連などでは、月例賃金で「ベアゼロ」などガマンを押し付けられた分、他の要求を何がなんでもという強い姿勢で臨み前年同期を上回っていることです。なお、今回は地方からの報告が間に合いませんでした。


(以上)



 
04春闘 パート賃上げ・最賃・時短・諸要求の獲得状況(のべ組合数)

(中間集約)

2004年5月18日集計

国民春闘共闘委員会


  調 査 労働時間の短縮関係 パート 企業内 社保割 育児休 介 護 労 災 雇 用 その他
単産名 組合数 所定時間 週休2日 休日休暇 残業関係 他の時短 賃上げ 最 賃 改 善 関 係 看 護 安 全 退職金 諸要求  
全農協労連 連合会 28     1 2         1 1 1     6
  単協 302       9 1 1         3 11 24 49
建交労 768 2 3 4 15 17 6 112     4 20 12 122 317
JMIU 321     12 12         2 2 120 1107 214 472
化学一般労連 関東関西 80             10         1   11
自交総連 330     1 1 1     1       4 24 32
検数労連 全国 2       1                   1
全倉運 47   1 1               1     3
生協労連 177       13     2   1   6 6 20 48
生協パート 99           44 15     1   3 1 64
全国一般 360           8               8
全信労 50 1       1               1 3
全印総連 155 1         6 15             22
民放労連 130     4 4 8 1     3 3 4 1 37 65
出版労連 142   1 5 2   5 6 1 1 3 2 5 14 45
日本医労連 442       4 1 6         1 2 3 17
福祉保育労 330     1 1   6           9 7 24
自治労連 東京公共一般     1   1 16   3 5   1 5   32
  大阪関連評     3   5 35       1 1 13 9 67
特殊法人労連 9                         1 1
地方報告 滋賀           2               2
合 計 19単産1地方 4 5 33 64 35 136 160 5 13 15 160 182 477 1289
03/5/07中間 17単産0地方 3 9 32 37 18 66 105 3 16 9 50 68 245 661


〈注〉1、単産名・地方名は本年度に報告があったところを記載しています。
〈注〉2、「労働時間の短縮関係」の分類は以下のとおりです。
「所定時間」=1日、1週、1ヵ月、1年の所定労働時間短縮、特定日を含む。
「週休2日」=完全週休2日制、4週6休などの週休2日制。土休増など。(それによる「所定時間」の短縮はダブりでカウントしない)。
「休日休暇」=有給休暇増、同半日利用。年間休日増。7月20日「海の日」有給化。GW・夏期・年末年始の連続休暇。誕生日休暇など、全員が年1日以上の休暇増。
「残業関係」=残業の上限規制、夜勤制限。割増率・手当の引き上げ。残業分母の改定など。
「他の時短」=慶弔休暇。リフレッシュ休暇。ボランティア休暇。結婚休暇。妊産婦の時短など、該当者が恩恵を受ける休暇・時短。
〈注〉3、自治労連(東京・大阪)の「パート賃上げ」の成果は、マイナス人勧との関係で「現状維持」もカウントしています。




 
 春闘で 明日を変える 未来を拓く