2004年国民春闘共闘情報
インデックスへ


第29号・夏季第1号  2004年6月08日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

既決中心に平均で2.2カ月+α

80.8万円。3年ぶりに前年を上回る

 夏季一時金第1回集計。中小が善戦、回答引出し中 

2004年6月8日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.国民春闘回答集計センターは6月7日、夏季一時金の第1回集計を実施した。登録組合の34%にあたる271組合(23単産・部会)が回答を引き出し、うち年末や春闘時の協定など「既に決まっている夏季分」を中心に102組合が妥結している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 808組合    
(2) 回答組合数 271組合 回答引出し率 33.5%
  妥結組合数 102組合 妥 結 率 12.6%
(3) [回答+妥結]      
  単純平均 271組合 2.20カ月+α 807,944円
  前年同期比 (03.06.06) 756,130円 +6.85%
  前年実績比 (同一組合) 804,724円 +0.40%
  加重平均 4.0万人   946,916円

3.回答+妥結の特徴はつぎのような諸点である。
 1) 年末や春闘期に夏季一時金を含めて回答、協定した組合は、建交労、建設関連、JMIU、生協労連、全印総連、出版労連、民放労連、日本医労連などの191組合である。また、5月末から6月上旬にかけて、各単産が回答指定日をむかえ統一行動を背景に第1次回答を引き出しつつある。
 全体の傾向は、回答引出し数が前年と同数で、単純平均が807,944円で前年最終実績額(同一組合)との対比で3,220円の増額となり、前年同期比では51,814円上回るなど、3年ぶりに増勢に転じたことである。前年を上回っているのは19単産・部会中、JMIU、化学一般労連、建交労運輸、同鉄道、地銀連、全証労協、銀行労連、全印総連、映演共闘、日本医労連などの12組織と地方登録組合である。しかしながら、春闘の「ベアゼロ」や賃下げに加え、夏・冬一時金の度重なる減額によって家計は悪化しつづけており、生活改善、消費回復には不十分な水準である。

 2) 回答・闘争状況の特徴は、第一に、大企業で同額または若干の減額なのに対して、中小企業では5,000円、1万円、2万円、3万円などの増額をかちとって善戦していることである。ただし、中小の一部には「業績不振」などを理由に前年実績割れの超低額回答が見られ、大手では「業績リンク」が強まっている。第二に、賃上げでガマンを押し付けた分、一時金で若干考慮している企業が見られること。一時金回答を「企業損益の調整弁」としているが、今年はプラスに作用している。第三に、統一団交・統一行動など産業別統一闘争を軸に、組合員と職場世論を結集して元気にたたかってきたところでは、水準はともかく有額回答を引出していることなどである。

 3) 高額回答については、出版労連の組合で272万円などマスコミ関係を中心に150万円以上が12組合報告されている。月数では5.0ヶ月が出版労連の3組合、前年実績額以上を獲得したのは98組合(回答数の36%)、第2次回答以上の上積みは64組合(同24%)で、これまでの最高は出版労連の2組合とJMIU、民放労連の組合など4組合が第4次回答まで積み上げている。



(以 上)





 
 春闘で 明日を変える 未来を拓く