2004年国民春闘共闘情報
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第33号・回答第8号(確定版)  2004年6月30日

産業別・単産別総括表    妥結組合 産業別・単産別総括表    個別回答一覧へ

 

最終平均は5,866円、1.86%

 奮闘するも中小苦戦  定昇相当分を確保

最終集計結果の特徴について

2004年6月30日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは6月29日、2004年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)の各単産と地方より最終・第8回目の報告を受けた。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 902組合 (回答組織数は29単産・部会と9地方)    
(2) 回答組合数 491組合 回答引出し率 54.4%  
  うち上積み回答 150組合 回答上積み率 30.5%  
  うち前年実績以上 237組合 回答組合数の 48.3%  
  妥結組合数 299組合 解 決 率 33.1%  
(3) 単純平均 491組合 5,304円 同率 1.76%
  前年同期 516組合 5,519円 同率 1.80%
  前年同期比   −  215円   −0.04P
  加重平均 10.5万人 5,866円 同率 1.86%
  前年同期 12.7万人 6,470円 同率 1.94%
  前年同期比   −  604円   −0.08P


 4) 回答状況と産業別の特徴について
 04春闘の賃上げ回答状況は、夏季一時金の回答引き出しとともに奮闘しているが、回答組合数が491組合、引出し率にして54%にとどまっている。このほかに、「定昇のみ」「ベアゼロ」などの日本語回答が99組合あり、計590組合の実質的な回答引出し率は65%になる。それでもなお3割以上の組合がいまだ有額回答を引出せないという状況である。また、単純平均の5,304円、1.76%の水準は前年同期比で215円減、引上げ率では0.04ポイントのマイナスとなり、史上最低となった昨年の水準をさらに下回るきびしい結果になった。

 ストライキ参加数など統一行動への結集が増え、奮闘が続いたなかでの対前年マイナスの背景には、業績回復が製造業とマスコミ関係の一部に限られ、非製造業の多くがなお売上げ・業績低迷に苦しんでいることの反映である。
 こうしたなかで、1) ひとり当りの加重平均では5,866円、1.86%となり定期昇給分(2%弱)はギリギリ確保できたこと、2) 計150組合(31%)が第2次、第3次と回答を上積みさせてきたこと、3) 237組合(48%)が前年実績以上をかちとったことなど、本格的な「春闘終えん」・解体攻撃が展開されたなかで部分的な歯止めをかけることができた。

 産業別にみると、前年実績を金額・率ともに超えているのは建設関連労連、JMIU、建交労・製造、検数労連、全倉運、全証労協、民放労連、出版労連の8組織(03年は7組織)で、金額又は引上げ率の一方がプラスになっているのは化学一般労連、化学一般労連・紙パ、全印総連の3組織である。このほか、平均額が7,000円を超えているのは全国私教連の11,300円(2.10%)、全証労協の8,778円(2.81%)、民放労連8,038円(2.26%)、出版労連7,866円(1.91%)、地方マスコミ7,746円(2.16%)、外銀連7,500円の6組織である。引き上げ率が2%を超えている(定昇以上)のは、これらに加えて建設関連労連2.43%、広告労協2.92%、映演共闘2.26%、日本医労連2.11%など計8単産である。

 5)最高金額・率を獲得したのは建設関連労連の組合で16,767円、5.72%、同労組は昨年賃金カットされており2年分に相当する。最高回答次数は松竹労組(映演共闘)の第6次回答、小坂研究所支部(JMIU)をはじめ化学一般労連2組合、全労連全国一般1組合、民放労連1組合の計5組合が第5次回答を引き出した。1万円以上の回答は計33組合になった。


 3.妥結組合の状況について
 1)妥結数は299組合に減り、全体では33%(前年は36%)の低水準である。解決がすすんでいるのはJMIU、化学一般労連などの製造業と、印刷、出版、民放などのマスコミ関係業で、逆に未解決が多いのは全農協労連、建交労・建設、全国一般・製造、生協労連、全国一般(卸・小売・サービス)と金融関係各単産、医療、福祉、私学関係、地方登録組合など。中小企業を中心とした経営危機・低迷のもと、リストラ「合理化」提案、「定昇カット」「成果・業績給」の押しつけなどの事情で闘争を継続している組合が多くみられる。


(2) [妥結・妥結方向]数 賃上げ額 同率 前年同期比(額) (率)
単純平均 299組合 5,608円 1.78% − 90円 −0.01P
加重平均 6.5万人 6,441円 1.95% −517円 −0.01P

 4.各団体の賃上げ最終集計の結果は、以下のとおりである。
1) 連合の妥結状況(8月05日、第8回最終集計)は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 672 115.7 5,298 1.70 5,135 1.65 4,345 1.53 4,154 1.46
35歳P 50 10.1         5,272 1.83 4,812 1.74
30歳P 24 6.5         5,907 2.07 6,104 2.15

 2) 日本経団連調べの妥結状況(大手6月03日最終、中小7月21日最終)は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 154 - 5,378 1.64 5,391 1.65 4,871 1.57 4,893 1.57
中小企業 567 - 3,576 1.41 3,296 1.29 3,271 1.32 2,924 1.18

3) 厚生労働省調べの妥結状況(8月26日発表)は以下のとおりです。

 加重平均   主要259社  5,348円 1.67% +115円 +0.04P



 5.04春闘・賃上げ闘争をふりかえって
 04春闘をふりかえってみると、第一の特徴は、大企業がリストラ効果、中国特需を背景に史上最高益やV字回復を達成しているにもかかわらず、大企業労組の多くが要求を見送ったり、成果主義賃金の拡大受け入れなど賃上げ交渉を放棄してしまったことである。第二に、製造業を中心とした業況回復は一部の中小企業にも波及し、春闘共闘組合の賃上げ交渉にも当初は増額効果として反映したが、回答が非製造業・サービス産業に広がるにつれ減額傾向が強まったことである。
 第三の特徴はこうしたなか、パート・非常勤の賃上げ、企業内最賃や雇用保障・定年延長、安全衛生、サービス残業の根絶など組合員の切実な要求の実現をめざして前年に倍する成果を収めてきた。
 また国民的課題では、年金改悪を許さないために「4・15年金スト・全国統一行動」に100万人以上が結集して、反対世論を盛り上げ、国会審議の最終版までたたかい続けてきたことである。
 国民春闘共闘は6月18日、第2回単産・地方代表者会議をひらき「04国民春闘の到達点と課題(中間総括案)」について討議、確認した。ひきつづき夏季一時金、最低賃金、公務員賃金の引上げ、改善や「年金改悪を実施させない」大運動など夏季闘争強化のために奮闘するものである。

(以 上)




* 04春闘の賃上げ集計はこれをもって終了とします。本作業にたずさわったすべての調査担当者の方々に厚く御礼申し上げます。





 
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