2004年国民春闘共闘情報
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第 36 号  2004年7月12日

 

生活できる最賃に引き上げろ!

7・9最賃デーに官民300人

 厚労省前、猛暑のなか青年の訴えつづく


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 9日の最高気温は35度。照り返しが強い厚生労働省前に、組合旗が立ち並び、「7・9第3次最賃デー」昼休みの要求実現行動を取りくみました(写真)
 中央最賃審議会の第2回目安小委員会の開催にあわせて、全労連と公務労組連絡会、国民・東京両春闘共闘などが共催したもので、建交労、全労連全国一般、生協労連、全信労、年金者組合などの全労連単産、全農協労連、化学一般労連、銀行労連、全損保などの純中立単産、国公労連と傘下各単産、自治労連、全教、特殊法人労連などの公務単産、大田、三多摩などの東京の地域共闘が参加し、300人規模に膨れあがり、全国から100人以上を結集した国公労連青年協の若さあふれる行動が注目されました。
 開会前、合同庁舎警備員より「そろいの黄色い最賃Tシャツを着ての入館お断り」が一方的に通告され、全労連が抗議するなかでスタートしました。(後刻、当該の全労働と全厚生の代表が厳重抗議)

 現行最賃  生活保護との矛盾さらに大きく

 主催者を代表して挨拶した国民春闘共闘の熊谷金道代表委員(全労連議長)は、この間の運動前進にふれ、「今年の最賃体験には430人以上が参加し、最賃改善を求める地方自治体の決議も広がり、審議会で全労連の意見が反映されるようになってきた」と紹介。最低賃金を決める三つの基準について、「今の最賃額は『労働者の生活費』にとうてい満たない。『類似の労働者の賃金』でもパートの賃金が上がってきていることも立証されている。景気回復がすすむなか、『支払能力』論だけで最賃を引き下げろというのは通用しない」と使用者側委員の身勝手な主張を糾弾しました。

 情勢報告と行動提起に立った全労連の寺間誠治総合労働局長は、「本日(9日)午前、第2回目安小委員会がひらかれ、労使双方がそれぞれの主張を出し合った。労働者の要求については連合の委員が代表して主張した」ことを紹介し、全労連が大幅な改善を求める三つの理由について説明しました。

 第一は、大幅な引上げがなければ労働者の生活はもう持たない。東京の708円でさえ税金・保険料を差し引いた実収は10万強。Dランクの東北・九州などではとうてい生活できない。京都の最賃生活体験では40人中8人しか達成できなかったし、北海道でも40人中2人だった。パンの耳をかじり、9sやせた人もいる。

 第二は、パート・臨時労働者の生活を守ること。パートの平均労働時間は96.3時間で月額は6〜7万円にしかならない。パートの管理職など当たり前の時代に依然として差別的に低く抑えられ、所定の時給は893円で、正規の44.5%にしかならない。

 第三は、他の現行制度との矛盾がさらに大きくなってきたことである。生活保護の単身者の場合、月額は16万円になるが、最低賃金では11万円にしかならず、一向に改善されない。大企業の業績が改善されてきた今こそ大幅に引き上げるべきである、

と主張しました。寺間局長は今後の行動展開として、目安額を徹底審議する16日の「7・16最賃要求実現行動」と、目安額を答申する26日の「7・26中央最賃審議会包囲行動」へ、官民一体の結集を呼びかけました。



 
 決意表明  フリーター急増は社会的マイナス

 官民・地方地域の代表による決意表明がつづき、「最賃引上げ、公務員賃金の改善のために全力でたたかう」という若さあふれる発言に、おおきな拍手が送られました。

 全労連青年部の日下部長(国民春闘常任幹事)は、労働分配率が低下し続けていることを紹介し、その原因がリストラ効果、正社員のパート化であることを示しました。また、低賃金のフリーターが増加することは、社会的なマイナス効果を生むとして、年金、税金、消費の各分野が崩壊したり、マイナスになる危険性を指摘しました。各県で取り組まれた最賃体験がTVの密着取材を受けていることについて、親世代の心配事だから取り上げられたもので、中賃は働くものの声を重く受け止めて思い切った最賃の引上げをと訴えました。

 全労連全国一般の福本書記長は、最近とくに最賃闘争が注目されてきたのは、年収200万〜300万円の不安定雇用の労働者が急増しているからだと指摘しました。全国一般はここ数年、のべ4000人を超える組合員が最賃体験に参加し、世論を広げてきた。中小業者や農民とも相談して下請単価、米価などに連動する全国一律最賃制の必要性を訴えました。また、現行最賃への不満として、
(1)この2年間、目安ゼロ円が2年もつづき、生活保護基準より下がっているのは大問題だ、
(2)中賃・地賃の委員に、大木寿委員長をはじめ各地方の役員が立候補しているが、労働者委員に任命されず不公正任命が続いている。最低賃金のプロを任命すべきだと厚労省の姿勢を批判しました。

 国公労連の田山青年協議長は、本日、「7・9夏季中央行動」として、全国各地より100名以上の代表が参加していることを紹介。国家公務員の初任給が、2年連続の本俸切り下げで13万3800円にとどまっているとし、誰でも時給1000円、日額7500円、月額15万円の要求が国公青年にとってもたいへん重要な要求になっているとしました。全国の窓口で国民サービスに奮闘しているが、政府はこの部門を削り、賃金を下げようとしていることに反対して総務省に訴えてきたと報告。要請に参加した最賃体験者が「総務省・厚労省は国公青年の実態をぜんぜん理解していない」と告発した様子を紹介しました。

 東京春闘共闘の永瀬常任幹事は、来る16日に審議委員の不公正任命について行政不服審査請求を行うと決意を語り、89年以来一貫して「連合独占」という不公正任命が続いている実態を告発しました。今年の生活体験の特徴として、4人の青年が「この最賃生活は、日常と同じ生活だった」と述べていることを紹介し、最賃が普通の生活になってきているのが特徴だと指摘しました。パートやアルバイトが雇用労働者の31%に達し、多くの青年が12万〜13万円で、カップラーメンを食べ、付き合いができないのが最大の悩みになっていることなどを示しながら、8月6日には東京労基局前で座り込み行動を取りくんで引上げをめざすと表明しました。

 首都圏青年ユニオンの阿久津書記次長は、最賃体験者を募集すると、「それなら任せなさい」という青年がいる。もっと低い賃金で生活しているからクリアできるという話を紹介しました。図書館の委託業者の秘書は時給790円で働かされていたが、当局は、高いからコストダウンできると言ってのけた。最低賃金と連動しているフリーターの賃金の底上げが必要だ。「正社員」と言っても名ばかりで、年収300万円に満たない時給1000円ちょっとの長時間労働者も増えている。フリーター問題は本人だけでなく、親世代にとっては子供の問題でもある。最賃と人勧を改善するため、ともにがんばりましょう。


 

7・26中賃審議会包囲行動に全力を

       厚生労働省前 12:05〜

 




 
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