第2回 05春闘進ちょく状況調査
回答引出し37%、妥結は12%
4月末〜連休明けに決着めざす
国民春闘回答集計センターは27日、全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第2回調査を実施した。春闘要求の実現をめざした「4・20第2次全国統一行動」をたたかい、月末の「闘争集中ゾーン」真只中の段階で24単産から4015組合の報告(昨年は20単産3277組合)があった。調査対象となる組合数が前年同期比で738組合も増え、その多くが困難な中小労組であることから、要求提出の割合が73%(昨年は75%)、回答引出しが37%(同41%)、妥結・妥結方向が12%(同14%)で、スト実施が14%(同26%)など、いずれも昨年に比べて低い数値になった。回答の特徴では「定昇カット」や「賃下げ」数が大幅に改善されているのが特徴である。
要求提出組合数は73%に改善
[調査組合数、要求提出数]
調査組合数の報告計は4015組合(24単産)で、ほとんどが中小労組である。昨年と比べると、全農協労連(単協労)、映演共闘(労連)、福祉保育労などが増えた。組合数が多いところは建交労の749組合、福祉保育労557組合、日本医労連437組合、全労連全国一般350組合、自交総連330組合、JMIU317組合など。なお、昨年の最終集計(6月末)で全体計は4174組合(28単産)だったが、現時点で回答の出ていない4単産(地銀、銀行、外銀、私学)は調査対象からはずしている。分母が増えたため、単純比較はできないが特徴点は以下のとおり。
要求提出は、計2946組合で全体の73%(前年75%)に達した。繊維産労と検数労連、通信労組、全損保が100%で、全倉運が93%、出版労連と民放労連が92%、自交総連と全信労の88%、全労連全国一般と映演共闘(労連)の86%、化学一般労連84%などが高率である。
回答引出し37%に。妥結はいまだ12%
[回答引出し、妥結数]
回答引出しは計1469組合で、4月20日の「第2次全国統一行動」のたたかいを経て、ようやく37%の水準に達した。遅れている要因は、業績不振の中小企業を中心に「賃上げできる経営実態にない」という現実や、それを悪用した回答引き延ばし、地域や業界の相場待ち、大手企業のベアゼロ回答を睨んで「成果は一時金で」という傾向が指摘されている。こうしたなかで、回答内容を問わなければ通信労組と検数労連、繊維産労の100%があり、民放労連92%、出版労連90%、化学一般労連の68%、JMIU67%、全倉運64%などが高率である。建設関連労連、自交総連、映演共闘や金融、私学関係の回答引出しは、4月下旬から連休明けに本格化する。
回答内容では「ベアゼロ(定昇のみ)」が多く、通信労組のNTTグループは全64社、建設関連労連と全損保、全証労協の回答も今のところ100%。「ベアゼロ(定昇のみ)」が多く見られる単産は、全倉運、生協労連、全労連全国一般、民放労連、日本医労連などで各々50%以上となっている。「ベアゼロ(定昇のみ)」は計586組合、「ベアゼロ(定昇もなし)」が90組合も見られる。ただし、「定昇カット」と「賃下げ」は計20組合で、昨年の870組合に比べ大幅に押し返した。各単産はここにきて、「未解決組合対策」などを打ち出し、純ベアに執着しつつ納得できる解決をめざしてたたかっている。
うち妥結または妥結方向に達しているのは491組合で、いまだ12%にすぎない。妥結しているのは「純ベア確保」「前年実績以上の回答」や「定期昇給分を確保」した組合が中心。「妥結方向」は検数労連の100%、「全体としてほぼ集約方向」に向かっているのは出版労連の68%だけで、比較的高率なのは民放労連45%と化学一般労連38%、広告労協31%、JMIU25%など。このほかの単産では、前述のようなきびしい回答内容のために未解決が多くなっている。
スト権の確立は59%、実施が14%とともに低調
[スト権確立・実施数]
スト権を確立したのは1974組合で、調査計の59%にとどまっている。この要因は、確立数が20%に満たない単産がいくつかあるように、産業別にバラツキが見られることである。高率で確立したのは、繊維産労、検数労連、通信労組、全労連全国一般、全損保でともに100%。JMIU82%、建交労79%などが高率であった。
うち、ストライキ実施組合数(指名スト含む。2回実施は2ポイント)は計464組合・14%で、「4・15年金スト」をたたかった昨年に比べ半減した。集中回答翌日の「3・17第1次全国統一行動」が384組合で、その後、「4・20第2次全国統一行動」を中心に80組合増えた。これまでのところ通信労組は全支部が「3・17統一スト」に結集したほか、検数労連が50%、JMIU47%、全証労協40%、出版労連33%、民放労連30%などが比較的高率でストライキを決行し奮闘している。
決着をめざす闘争と特別対策を。悪法阻止と結合して
以上の数値と各単産からの報告を総合すると、春闘の進ちょく状況は「年金スト」で盛り上がった昨年に比べ、各指標が若干後退して推移している。反面、登録組合の回答水準では単純平均、加重平均とも金額・率が各々前年を上回り、パート賃上げでも善戦している。したがって、4月末決着をめざす産業別闘争や連休明けの特別対策を軸に、地方・地域も支援・連帯の輪を広げることが改めて必要である。介護保険法の改悪許すな!悪法阻止のたたかいと結合しながら精一杯奮闘しあいましょう。
第2回 05春 闘 進 ち ょ く 状 況
2005年4月27日 国民春闘共闘委員会
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