2005国民春闘共闘情報
全労連HP

第 25 号  2005年5月16日

 

建設、損保、映演、一般などに回答

一人当たり加重平均2.0%をキープ

 4月下旬の回答の特徴について 

2005年5月16日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 1.春闘回答集計センターは5月13日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より4月下旬段階の回答を中心とする第5回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の28単産と7地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 882組合      
(2) 回答組合数 396組合 引出し率 44.9%  
  うち2次回答以上 112組合 上積み率 28.3%  
  うち前年実績額以上 218組合 回答数の 55.1%  
  妥結組合数 207組合 解 決 率 23.5%  
(3) 単純平均額 396組合 5,542円 同率 1.91%
  前年同期 394組合 5,528円 同率 1.82%
  前年同期比   +   14円   +0.09P
  加重平均額 9.4万人 6,274円 同率 2.00%
  前年同期 8.5万人 6,066円 同率 1.89%
  前年同期比   +  208円   +0.11P


 4) 4月末時点の動向についてて
 4・20第2次全国統一行動以降、各単産は「4月末決着」をめざす統一行動を配置してたたかってきたが、約7割の組合が解決に至らず、GWを挟み5月にたたかいを継続している。4月25〜28日の闘争集中ゾーンを経て、今回は全損保、郵産労から初めての回答が寄せられたのをはじめ、全農協労連、建交労建設、全労連全国一般、映演共闘や各地方からも新規、上積み回答が報告された。総じて新規回答の特徴は、(1)殆どが中小企業であること、(2)定昇制度のあるところで「ベアゼロ」(定昇のみ)が多く、定昇制度がないところでは超低額が目立っている。なお、全農協労連、全損保、郵産労とも「定昇」等の計算ができておらず、総括表には表示できない。
 この間のたたかいによって、回答引出しは396組合(44.9%)で、妥結は207組合(23.5%)に到達した。前年に比べ改善されたとはいえ回答引き出し率が過半数に達しないなど中小春闘のきびしさが続いている。うち112組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、過半数を超える218組合(55.1%)が前年実績以上をかちとる成果も見られる。
 こうしたことから、単純平均は5542円(1.91%)で、前年同期比14円(0.09P)の増となったが増額幅は順次縮小している。縮小している要因は、業績回復が遅れている非製造業や地方登録組合(中小)の低額回答が増えつつあることによる。一方、一人当たり加重平均の6274円(2.00%)は前年同期比208円(0.11P)の増で引き続き2%をキープし善戦している。
 産別として解決の方向にむかっているのは出版労連、地方マスコミ(新聞)と検数労連の3単産で、JMIU、化学一般労連、自交総連(自教)、建交労鉄道、全倉運などでも妥結する組合が増えつつある。

 5) これまでの最高額は全証労協の組合が2万4922円(7.04%)を引き出して更新した。前年実績額との比較でも同労組の金額は前年比+1万1700円だが、この間に受けた大幅賃下げ分を取り戻している段階である。回答次数ではJMIUの日信工業支部、北村バルブ支部がともに第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計30組合となった。

 3.パート労働者等の賃上げ結果について(第4回中間集計=後日発表)

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月27日現在、連合の第4回回答+妥結集計は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 3257 168.2 5,123 1.71 4,802 1.66 3,979 1.56 3,708 1.49
35歳P 46 5.0         4,512 1.65 4,464 1.65
30歳P 54 6.2         5,855 2.17 4,789 1.62

 2) 4月20日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 96 - 5,208 1.59 5,118 1.56 4,817 1.56 4,688 1.51
中小企業 122 - 4,111 1.56 3,987 1.50 3,844 1.47 3,739 1.43



建設・金融・私学などが回答引出し中

介護保険・労安法…悪法阻止も正念場に

 5.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘と各地春闘共闘は5月1日、第76回メーデーを成功させ、賃金闘争を粘り強く追求する春闘の継続・強化を宣言するとともに、「郵政民営化関連法案」「公務リストラを狙う市場化テスト法案」と「憲法改悪」阻止をアピールした。
 この間11日には、参議院での審議に移った「介護保険法」改悪やこれらの悪法に反対して、国民大運動、中央社保協、全労連などが国会前で第2次座込み・議院要請行動を実施した。衆議院の厚生労働委員会では労働安全衛生法、時短促進法(いずれも改悪内容を含む)などの一括審議がはじまった。来る20日、中央では「最賃デー」行動とともに、「許すな憲法改悪!守ろう国民生活」を掲げ5・20国会包囲国民大行動が展開される。2波にわたる集会(日比谷野音)・国会請願デモに各単産、地方から多数の参加が期待される。

 5月段階の賃金闘争は、現時点で7割以上の組合が5月中旬以降にたたかいを持ち越しており、建設、金融保険や私学の春闘も連休明けから本格化し、各々産業別統一闘争で回答引出し・上積みに奮闘している。JMIU、建交労運輸、民放労連などは夏季一時金闘争に移行し、未解決を包んだたたかいをすすめている。
 なお、民間調査機関による夏季一時金の回答予測は軒並みプラスで、労務行政研究所の妥結速報(既決分)は2.29カ月の72万2892円、5.2%増(うち製造業は6.3%増)で「90年以降、2番目に高い伸び率」になっている。

(以 上)



 


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