夏季闘争スタート。一時金要求を提出
平均「3カ月以上」、6月上〜中旬に回答指定
最賃・人勧闘争と、憲法・労働法制の改悪阻止へ
国民春闘共闘はこのほど、各単産より「05年夏季闘争・要求と闘争日程調査」を実施し、一覧表にまとめました。05夏季闘争は5月20日の「第1次最賃デー」で厚生労働省に要請し事実上スタートしていますが、各組合の夏季一時金要求が出揃う今月下旬から本格化します。公務員賃金改善の夏季重点要求は6月8日に提出されます。
民間単産の一時金要求は、新月例賃金の2.5カ月から3.5カ月に集中し、平均すると3.0カ月程度になります。「前年実績以上」など昨年を上回る一時金支給を求める単産も全農協労連、銀行労連、映演労連など7単産あります。また、全証労協、出版労連、日本医労連では、若年者救済の一律プラス・アルファーまたは「誰でも○○円」を要求し、JMIU、生協労連、郵産労などではパート・非常勤労働者の要求をセットしています。
回答指定日は、生協労連が5月10日、建交労が5月18日から毎週水曜日、全証労協が5月27日に設定、このほかは6月上旬から中旬に集中しています。JMIUなどでは指定日の翌日に統一行動を配置しており、決着の山場は支給日との関係で6月下旬に集中しそうです。
春闘期に同時要求・同時決着をめざした単産は、自交総連、通信労組、全損保、民放労連、出版労連など11単産で、出版・民放・通信(NTT)などでは賃上げと同時に一時金回答が示され、既に妥結がすすんでいます(通信労組は未妥結)。外銀連では「年間6.8カ月(夏冬とも3.4カ月)」で年初協定ずみ。こうした既決分は春闘共闘全体の1割強になる見込です。次週より登録組合の回答集計を行い交流します。
今年の回答状況は、労務行政研究所の既決分調査で平均2.29カ月の72万5892円(5.2%増)となり、90年以降では2番目に高い伸び率です。日本経団連の大手企業第1回集計でも88万9834円(4.5%増)となり、好調な企業業績を反映したものになっています。経営環境がきびしい中小企業でも一時金に対する組合員の期待は大きく、実質的な生活改善に繋がる水準の獲得をめざし、熱いたたかいがはじまりました。
法律よりも労使自治、不利益変更・解雇も自由、問題あれば金で解決…
労災法・時短法の改悪阻止、労働契約法制を許すな!
「労働法制中央連絡会」が05総会ひらく
労働法制中央連絡会は5月26日、全労連会館ホールで05年総会をひらき、37団体・地方から72名が参加。当面する労災保険法・時短促進法の改悪阻止とともに、厚労省がこの秋に準備している「労働契約法制の最終報告」を許さない国民的なたたかいを構築することを確認し、新年度役員体制を確立しました。
総会では、自由法曹団の今村幸次郎弁護士が「労働契約法制及び労働時間法制見直しの危険な方向性」について講演。厚労省の研究会が打ち出した「中間とりまとめ」の内容=
(1)労働時間の自主的な決定システム、
(2)労使委員会の法制化、
(3)労働条件変更の柔軟化、迅速化、
(4)解雇の金銭解決方式など、
危険な内容を解説しました。
これらが導入されると、法律よりも労使自治が優先され、労働条件の不利益変更も雇用契約の変更も使用者の思いのまま、少数組合のチェック機能はなくなり、解雇は自由で金銭解決などが横行します(法律が変わるので弁護士活動もやりようがない事態になる)。さらに、労働時間の適用除外として「ホワイトカラー・エグゼンプション」(事務労働の時間規制をなくし残業代など不要)の導入を含む厚労省の「最終報告」を出させない運動づくりを強調しました。
岩田幸雄事務局長(全労連)が「政府・財界の全面攻撃を許さず、日本社会に『働くルール』の確立を」と題する総会議案を提案。
具体的には、
(1)職場・地域から旺盛な学習・討論をすすめる、
(2)「研究会」への要請運動(パプリックコメントで意見集中)、
(3)地方連絡会を再開し運動の具体化、
(4)情報発信、学習・運動交流など
を旺盛に展開しようとよびかけました。
討論には各団体・地方の代表ら8名が発言し、議案を補強する運動強化の意見を述べるとともに団体・地方で奮闘する決意を語りました。
つなごうよ くらしと平和 守る手を