2005国民春闘共闘情報
全労連HP

第 34 号  2005年7月01日

 

パート賃上げ11.0円アップ!

企業内最賃は113組合が協定

05春闘「パート等の賃上げ、企業内最賃回答状況」の第6回集計について

2005年7月01日 ●国民春闘共闘委員会


 

 [集計結果の概要] 国民春闘共闘はこのほど、「パート等の賃上げ、企業内最賃回答状況調査」の第6回集計を行いました。各単産からの報告は各々一覧表のとおりで、パート等の賃上げは12単産部会から187組合(前年同期は91組合)、企業内最賃は9単産から113組合(前年同期は169組合)の獲得状況が報告されました。総額人件費抑制のもと、正規労働者の賃上げでは「定昇のみ(ベアゼロ)」が主流となるなか、底上げの要として重視してきたこの要求は、パート等の賃上げが前進した反面、企業内最賃の協定は遅れ気味です。


2005年 パート等の賃上げ状況

2005年6月28日

単産名 集計組合数 1組合あたり平均(単純平均)
要求 新時間額 引上額 引上率
パート時給 建交労 4 150以上 900 13.8 2.35%
JMIU 2 @700以上 7.7  
化学一般 1 860 5.0 0.58%
合同繊維 5 780 16.7 4.00%
生協労連 65 @700以上 831 4.3 0.82%
全国一般 34 1,000 7.9 1.12%
全印総連 11 50以上 1,120 10.6  
民放労連 2 925 30.0 3.33%
出版労連 1 850    
日本医労連 25 @1200以上 1,174 24.5 7.04%
福祉保育労 8 @1000以上 890 12.0  
自治労連(関連) 11 989 13.5 2.21%
169   978 11.0 1.81%
その他 日給引上げ 9 7,215 265.7 6.77%
月給引上げ 9 124,000 1,907 1.17%


 (注)、各項目とも報告のあった件数で除しているため、新時間額、引上額・引上率は各々連動していません。





生協パは4.3円、技術職の医療は24.5円

 [パート等の賃上げ状況] 05春闘で重要視して取りくんできた「パート賃上げ」は、生協労連パート、全労連全国一般、全印総連、日本医労連、福祉保育労、自治労連(関連)など12単産部会の187組合がかちとりました。引上げ額は時給1円から最高80円までで、実額回答131組合(ゼロを含む)の単純平均は11.0円、1.81%アップ(前年同期は77組合で8.6円)になります。前年同期比では獲得組合数も大幅に増え、平均額も2.4円のプラスです。

 単産別に平均引上げ額をみると、日本医労連が平均24.5円、合同繊維が16.7円、建交労が13.8円と比較的高くなっています。検査技師、介護師、オペレーターなどの専門職では比較的高額回答を引き出しました。一方、生協労連の4.3円をはじめ全労連全国一般の7.9円など、販売員、事務員などは比較的低額に抑えられる傾向が見られました。ただし、これらの有額回答と引き換えに「一時金カット」「労働条件切り下げ」が押し付けられるケースも見られました。

 なお、表記のほかに、自治労連では「三位一体改革」のもとで大半の組合が非常勤職員の賃下げを阻止しています。
 臨時・アルバイト・嘱託・準社員などの日給、月給の改善も建交労、全労連全国一般、出版労連、日本医労連、福祉保育労、自治労連などの一部ですすみました。日給者の引き上げは9組合平均で265.7円、月給者の引き上げは8組合平均で1907円をそれぞれ獲得しています。


2005年 企業内最賃改定状況

2005年6月28日

単産名 集計組合数 1組合あたり平均(単純平均)
統一要求 新協定 引上額 引上率
JMIU 22 160,000 149,398    
化学一般 11 148,000 148,000 56 0.04%
建交労(18歳) 36 A=175,000 168,203 67 0.04%
検数労連 2   156,300    
全国一般 2 150,000 200,000    
全印総連 7 150,000以上 157,680 0 0.00%
出版労連 7 160,000 156,000 -1,500 -0.91%
日本医労連(誰でも) 6 180,000 143,916 667 0.50%
日本医労連(看護師) 7 210,000 187,244 0 0.00%
月額・計 100   160,255 14 -0.02%
日額 引上げ 17 6,967 32 0.64%
時間額 引上げ 46 878 1.7 0.08%


 (注)、各項目とも報告のあった件数で除しているため、新協定、引上額・引上率は各々連動していません。



金額引上げは6組合。各単産とも同額で協定

 [企業内最賃の改定状況] 企業内最賃は、建交労、JMIU、化学一般労連、全印総連、出版労連、日本医労連、生協パート(最低時給)などの9単産で、これまでに計113組合(前年同期は169組合)の協定が報告されました。前年同期との比較では、JMIU、検数労連、全労連全国一般が増えているものの、ほかの各単産が減らしており、全体では56組合の減になっています。ただし、出版労連では7月中旬予定の東京都出版産業最賃の改定申出を前に協定闘争を強めており、各単産も定期大会に向けての調査をすすめるなど今後協定数は増える予定。

 各産業別の月額水準と特徴は以下のとおりです。
 建交労運輸の「建交労最賃(18歳)」は、首都圏集団交渉(13社)が17万5000円、大阪集団交渉(11社)が17万2500円、福岡集団交渉が15万6000円で、ともに金額は変わらず。福岡集交は6社に増え、個別の6組合が拡張適用させました。日本医労連の「誰でも最賃」は6組合平均が14万3916円で、金額では前年同額が多数を占めています。同「看護婦最賃」も6組合平均18万7244円で、金額はすべて前年と同額での協定です。前年同額での協定は全印総連7組合、出版労連7組合も同様です。JMIUの22支部では13万円〜16万5000円の水準で平均は14万9398円となります(引上げ額は不明)。この結果、金額が改定されたのは、建交労東京の個別交渉組合が2400円、JMIU埼玉の支部が6000円、化学一般関西の組合が500円、日本医労連青森の組合が4000円の計4組合と、生協パートの2組合が最低時給を10円、15円引き上げました。月額協定計100組合の単純平均は16万0255円になります。


[最終集計は時短や諸要求の獲得状況を含め8月末の予定です]




 
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