2005国民春闘共闘情報
全労連HP

第39号・夏季第3号  2005年8月09日

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最終平均は2.06月、67.8万円に

 2年連続プラス。大手好調、中小は苦戦 

夏季一時金最終集計結果の特徴について

2005年8月09日 国民春闘回答集計センター

 1.国民春闘回答集計センターは8月5日、夏季一時金の最終・第3回集計をおこなった。登録組合の79%にあたる619組合が回答を引出し、うち480組合が妥結した。残る組合も交渉を継続し収拾に向かいつつある。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 788組合      
(2) 回答組合数 619組合 回答引出し率 78.6%  
  2次回答以上 165組合 回答上積み率 回答数の26.7%  
  前年実績額以上 254組合   回答数の41.0%  
  妥結組合数 480組合 妥 結 率 登録数の60.9%  
(3) [回答+妥結] 組合数・人数 回答月数 金  額 引上げ率
  単純平均 619組合 2.06カ月+α 678,263円  
  前年同期比 (04.08.09) 2.03カ月+α 655,128円 +3.53%
  前年実績比 (同一組合)   671,129円 +1.06%
  加重平均 158,382人   768,855円  
  前年同期比 (04.08.09)   745,708円 +3.10%

3.05夏季一時金闘争の経過と特徴はつぎのような諸点である。
 1) 今期の夏季一時金闘争は、財界・大企業が史上最高益を更新しているもとで「儲かっても賃上げしない」「業績配分は一時金で」という春闘解体攻撃の流れを受け、額面上は大幅な引上げが予測されるもとでの取りくみとなった。春闘同時決着の妥結水準は民間調査機関による集計で「前年比5.2%増。2年連続でプラス」などの報道を追い風に、労働者にとって度重なる年収減や毎月の赤字補てんを改善するため、支給枠(月数)の回復、支給額の大幅引上げをめざしてたたかってきた。6月3日集計の「既に決まっている一時金」は、単純平均で前年実績比1万3780円増、1.7%プラスでのスタートとなった。

 2) 各単産の回答引き出しが出揃い、回答引出しが約8割になった今回の集計では、単純平均が67万8263円、前年同期比で2万3135円の増、引上げ率にして3.53%のプラスとなり、前年実績(同一組合)比でも7132円の増、引上げ率1.06%のプラスという結果になった。一人当りの加重平均は76万8855円、前年同期比で2万3147円の増、引上げ率にして3.10%のプラスとなった。このように、前年比較の各指標がプラスになっているものの、規模別集計では「1000人以上」のみがプラスで、他の中堅・中小・零細の各規模は僅かながらすべてマイナスになっているのも今季の特徴である。

 3) これらの背景には、◆「リストラ効果」や「中国特需」などによって業績好調・回復が伝えられる大手企業で平均77万円の水準(前年比1.27%プラス)に達したこと。◆一方、中小企業が多い交通運輸業、卸売・小売業、医療福祉業の単産を中心に、「業績悪化」「将来不安」や「総額人件費抑制」などを理由とした低額回答の押し付けが目立つなど、産業間格差と同一産業内でも回答額の二極化が見られた。◆一部には深刻な「業績悪化」によって、いまなおゼロ回答または回答延期が見られ、前年以上にきびしい実態も並存している。

 4) この間の取りくみの特徴は、各単産とも春闘未解決組合を抱えながら、5月下旬の要求提出、6月上・中旬の回答引き出し・上積みの統一行動を配置してたたかってきた。また、7月下旬の中央最低賃金審議会答申にむけて、4次にわたる「最賃デー」を取りくみ、最低賃金の抜本的な見直し、大幅引上げを求め、公務の人勧期要求を含め官民一体でたたかってきたことである。こうしたなかで、各単産が業種別・地方別の対策をつよめ、一部ではストライキ、残業拒否、本社交渉などをたたかいながら、165組合(回答数の27%)が2次、3次と回答を上積みさせ、254組合(同41%)では前年実績以上を獲得してきた。

 5) 産別平均の引上げ率がプラスになっているのは、検数労連の32.5%をはじめ建交労・製造13.2%、繊維産労11.0%、合同繊維10.5%などの19単産で、同月数が1単産、マイナスが12単産であった。また、単産平均が100万円の大台を超えているのは民放労連、出版労連、地方マスコミ(新聞)の3つで、この加盟組合を中心に150万円以上の高額回答が15組合(最高は出版労連傘下の274万余円)報告されている。最高回答次数はサンテレビ労組(民放労連)の第6次回答。最高引上げ額は出版労連の組合が前年実績に60万円以上引き上げて167万余円に、率では建設関連労連の組合の204%アップであった。




4.他団体の集計結果について(いずれも最終集計)


連 合(最終) 8月03日現在 月 数 金 額 前年実績 (引上げ率)
単純平均 3,489組合 1.87カ月 464,128円 439,581円 +5.58%
加重平均 204.2万人 2.33カ月 707,157円 648,536円 +9.04%


日経連(最終) 7月20日現在 月 数 金 額 前年実績 (引上げ率)
単純平均 主要203社      734,174円 701,972円 +4.59%
加重平均        859,097円 829,030円 +3.63%




 


全国で最賃目安プラス1〜2円。公務員の「給与構造見直し」を阻止しよう

郵政法案を大差で否決。解散・総選挙へ

 5.この間、春闘共闘・全労連と公務労組連絡会は、「時給1000円以上」「全国一律最低賃金制」などを求めて第3次(7/14)、第4次(7/26)の「最賃デー」を中央、地方で取りくんできた。7月26日に出された中賃審議会の改定目安は「ABC各ランク3円、D2円」となった。その後、全国各地で地方審議会にたいし「自主性の発揮」を求め、大幅な引き上げをめざす要請、意見陳述が行われ、愛知、滋賀、香川の3県で目安3円「プラス2円」、宮城、東京、京都、大分など16都府県で目安2〜3円「プラス1円」の改定を勝ちとった。さらに、異議申し立てなどの取りくみがすすめられている。
 また、公務労組連絡会に結集する公務労働者の人勧闘争もヤマ場をむかえている。7月26日には全国上京団を含む4500人が結集する中央行動を展開し、「給与構造の見直し反対」「マイナス勧告阻止」などの夏季重点要求を政府・人事院などに要請するとともに、8月4日には人事院前に座り込み・要求行動を取りくんできた。これらのたたかいでも官民一体の運動に全力をあげ、連帯参加の民間組合は13単産・地方組織を数えた。(勧告は15日になる見込み)
 何よりも、国民大運動に結集する各労組・団体が8月3〜5日、8日と連日の猛暑のなか「郵政民営化法案阻止」を掲げた国会前座り込み行動を展開し、8日の参議院本会議で同関連法案が反対多数で否決され、歴史的な衆議院の解散・総選挙を勝ちとったことである。ひきつづき9月11日投票の政治戦にむけて、労働者・国民本位の政治への転換をめざしての奮闘が期待される。



(以 上)





 


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