2006国民春闘共闘情報
全労連HP

第 22 号  2006年04月24日

 

60歳以上「希望者全員の雇用」実現へ

職場闘争と監督署・ハローワークに要請中

 春闘共闘が「雇用延長」問題で交流会 

 国民春闘共闘委員会は4月20日夜、全労連会館で「継続雇用問題交流会」を開催し、4月1日に施行された「60歳以上の雇用延長」に関する回答・協定状況、取りくみ状況を交流しました。会議には民間9単産と東京春闘共闘から13名が出席したほか、12単産から傘下組合の回答一覧などの資料が提供され、選任基準や賃金水準の問題点が明らかになりました。


行政姿勢を「希望者全員」に軌道修正

 交流会では、国民春闘共闘事務局より「主な取りくみ経過、施行後の留意事項と取りくみ方」について報告。このなかで、昨年11月以降の特徴として、(1) 各企業の回答が「希望者全員の雇用」とは程遠い選別基準、低賃金を提案してきたこと、(2) 春闘共闘各単産や全労連などの要請で、厚労省が「改正高年法メールマガジン」などで「希望者全員が原則」とする本来の行政姿勢を明らかにしたこと、(3) 春闘期の取りくみで多くの職場で回答を引き出し、問題のある選別基準などをめぐっての職場闘争、労基署・ハローワーク要請などがすすんでいることを紹介し、具体的な取りくみ方(3/31付「緊急連絡」)について報告しました。

不当基準。職場闘争・行政指導で改善すすむ

 各単産の現状報告、交流では、JMIUが「多くの企業で不当な選任基準が提案されたが、約4分の1の支部では職場交渉で押し返した」のをはじめ、全農協労連、全労連全国一般、全印総連、出版労連や、資料提供の民放労連、自交総連東自教、地銀連、全信労、銀行労連などでも、過去の実績を問うものや対象者が1割程度しか該当しない厳しい基準、多岐にわたる(最大300項目)の選任基準などを撤回させています。

 総じて、大手・中堅企業での選任基準は厳しく、中小ではこれから労使交渉が本格化したり、回答が出てくるという状況です。こうした中で、単組(支部・分会)のある最寄りの労基署・ハローワークへの要請・懇談では、「『希望者全員の雇用が原則』との立場で指導していることが明らかになった(または指導することを確認した)」ことです(JMIU、出版労連など)。実際、「3月の講習会に出席したら、講師の方が『希望者全員の雇用が原則』ということを繰り返し強調していた」、「時間給500円+乗務手当500円の賃金を押し付けようとした企業に対し最賃法違反で指導してくれた」(自交総連東自教)という後日報告もありました。

 問題なのは少数第一組合などで、多数派組合が関連会社への出向、低賃金で合意・協定してしまっている場合です。通信労組(NTT)、建交労鉄道本部(JR東日本)などがひきつづき改善のための交渉、要請を繰り返しています。また、日頃から労働組合を敵視したり、一方的な労働条件を押し付けようとする企業で不当な選任基準が横行しています。なかでも映演労連東映労組では、差別雇用とタダ働きになる退職金大幅引き下げの基準押しつけに抗して法廷闘争も視野にたたかいを強めています。

 賃金水準をめぐっては、「現職正規がパートに、現職パートはアルバイトにさせられ、時間給が地域最賃に近いところまで落とされる」(生協労連)、「選任基準はクリアしても賃金が大幅に引き下げられる」ことから、協定に至っていない状況が共通して報告されました。生活できない地域最賃とは別の歯止め基準が必要というのが一致した意見となりました。

 会議では、不当な提案・回答にはあわてて協定せず、粘り強く労使交渉をすすめていくことを基本に、
(1) 春闘共闘・全労連としての厚労省交渉を近く実施して一層の行政指導を求めていくこと、
(2) 最寄りの労基署・ハローワークと連携しながら具体的な改善を迫っていくこと、
(3) 少数組合や地方レベルの取りくみを強めていくこと、
などを確認しました。




 
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