第3回 06春闘進ちょく状況調査 回答引出し39%、妥結は17%4月末決着中。一部は連休明けに交渉本格化 国民春闘回答集計センターは27日、全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第3回調査を実施した。いま、「4月末決着をめざす統一行動」真只中の段階で29単産から4195組合の報告(昨年は24単産4015組合)があった。調査対象となる組合数が前年同期比で180組合増え、その多くが経営困難な中小労組であることから、要求提出の割合が70%(昨年は73%)、回答引出しが39%(同37%)、妥結・妥結方向が17%(同12%)で、スト実施が18%(同14%)などとなった。要求提出の比率が低減している問題を除き、ほかの項目では改善されつつある。回答内容の特徴では、相変わらず「ベアゼロ」が多く「定昇カット」も増えているのが実態である。
要求提出組合数は70%。改善を指導中[調査組合数、要求提出数] 調査組合数の報告計は4195組合(29単産)で、ほとんどが中小労組である。昨年と比べると、合同繊維(新参加)、金融の地銀連、外銀連、銀行労連などが増えた。組合数が多いところは建交労の804組合、福祉保育労570組合、日本医労連440組合、全労連全国一般350組合、自交総連330組合、全農協労連289組合、JMIU283組合など。なお、昨年の最終集計(6月末)で全体計は4412組合(29単産)だったが、現時点で回答の出ていない全国私教連は調査対象からはずしている。今回の特徴点は以下のとおり。 要求提出は、計2948組合で全体の70%(前年73%)。単一組織の検数労連、通信労組、全損保、郵産労のほかに、繊維産労、合同繊維、外銀連、銀行労連、特殊法人労連の9単産が100%で、JMIU、全倉運、出版労連がともに91%、地銀連90%などが高率である。自交総連の86%は単産として過去最高の水準となっている。要求提出数・率の低い単産では各々「4月中の提出」を指導中で、「準備中○○組合」との報告もあり、一定の改善が期待される。
回答引出し39%に。妥結はいまだ17%[回答引出し、妥結数] 回答引出しは計1652組合で、4月14日の「全国統一行動」のたたかいを経て、ようやく39%の水準に達した(4月末決着のたたかいは一部反映)。遅れている要因は、中小企業を中心に「業績不振」「先行き不安」という現実や、それを悪用した回答延期、地域や業界の相場待ち、決算待ち、大手企業のベアゼロ回答を睨んで「成果は一時金で」という傾向が指摘されている。こうしたなかで、回答内容を問わなければ通信労組と検数労連、繊維産労の100%があり、出版労連89%、民放労連81%、合同繊維78%、地方マスコミ(新聞)77%、JMIU76%、化学一般労連75%、全倉運70%などが高率である。うち、全農協労連・単協労、建交労・建設、建設関連労連、自交総連、映演共闘や金融、私学関係の回答引出しは4月末から連休明けに本格化する。 回答内容では「定昇あり・ベアゼロ」が相変わらず472組合と多く、「定昇カットなど」が26組合、「定昇なし・ベアゼロ」も30組合ほど見られる。こうした低額・不当回答は計528組合(昨年は696組合)に達している。なかでも、通信労組のNTTグループは全59社(100%)、建設関連労連と全証労協、特殊法人労連の回答も今のところ100%。このほか、全農協労連、全信労、全損保、民放労連、日本医労連などで各々50〜95%となっている。各単産はここにきて、「未解決組合対策」などを打ち出し、純ベアに執着しつつ納得できる解決をめざしてたたかっている。 うち妥結または妥結方向に達しているのは712組合で、昨年(491組合)に比べ改善されたとはいえいまだ17%にすぎない。妥結しているのは「純ベア確保」「前年実績以上の回答」や「定期昇給分を確保」した組合が中心。「妥結・妥結方向」は繊維産労と検数労連の100%、「全体としてほぼ集約方向」に向かっているのは合同繊維の78%、出版労連の69%、地方マスコミ63%だけで、比較的高率なのはJMIU45%、全倉運44%、化学一般労連40%など。このほかの単産では、前述のようなきびしい回答内容のために未解決が多くなっている。
スト権の確立は60%と低調。実施は18%に改善[スト権確立、スト実施数] スト権を確立したのは1979組合で、調査計の実質で60%(昨年は59%)にとどまっている。この要因は、確立数が30%に満たない単産がいくつかあるように、産業別にバラツキが見られることである。高率で確立したのは、検数労連、通信労組、全損保でともに100%。JMIU91%、地銀連90%、建交労87%などが高率であった。 うち、ストライキ実施組合数(指名スト含む。2回実施は2ポイント)は計590組合・18%で、「4・15年金スト」をたたかった一昨年に比べれば少ないが、昨年(491組合・14%)比で126組合増えた。集中回答翌日の「3・16全国統一行動」が351組合で、その後、「4・14全国統一行動」を中心に239組合増えた。これまでのところ、通信労組は全支部が「3・16統一スト」に結集したほか、出版労連60%、JMIU57%、日本医労連49%、全印総連41%などが比較的高率でストライキを決行し奮闘している。
5月闘争と特別対策を。悪法阻止とも結合して 以上の数値と各単産からの報告を総合すると、春闘の進ちょく状況は「要求提出」を除く各項目で若干の改善をはかりつつ推移している。同時に、ここにきて登録組合の回答水準でも単純平均、加重平均とも引き上げ額が前年を上回り、パート賃上げ、企業内最賃でも善戦している。各単産は要求提出の徹底を含む4月末決着の産業別闘争を経て、連休明けの5月闘争強化や未解決の特別対策を確立しつつあり、地方・地域も支援・連帯の輪を広げることが改めて重要である。国会における医療改悪法案、行革推進関連法案、教育基本法案(上程阻止)など、悪法阻止のたたかいとも結合しながら精一杯奮闘しあいましょう。
第3回 06春 闘 進 ち ょ く 状 況2006年4月28日16時現在 ●国民春闘共闘委員会 |