第4回 06春闘進ちょく状況調査 要求提出77%に改善。回答48%妥結組合いまだ23%。一時金とセット解決へ 国民春闘回答集計センターは23日、全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第4回調査を実施した。5月段階をむかえ、連休明け後の回答促進・上積みのたたかいとともに、遅れている単産では改めて要求提出を追求してきた。その結果、29単産から4132組合の報告があり、伸び悩んでいた要求提出がここに来て改善され77%(前回は73%)に到達した。しかしながら、全体としては回答引出しが48%、妥結・妥結方向が23%などと遅れている。今回の特徴点は以下のとおり。
要求提出組合数は77%。前回比4P改善[調査組合数、要求提出数] 調査組合数の報告計は29単産の4132組合で、ほとんどが中小労組である。昨年の最終集計(6月末)で全体計は4412組合(29単産)だったが、現時点で要求提出中の全国私教連(310組合)は調査対象からはずしている。
要求提出は、計3163組合で全体の77%(前回4/28時点で73%)。4月段階で要求提出が低かった単産で「4月中の提出」を指導した結果、各々1〜16ポイント改善させるなど一定の前進がはかられた。検数労連、通信労組、全損保、郵産労の単一組織と、繊維産労、合同繊維、外銀連、銀行労連、特殊法人労連の9単産が100%で、JMIUと全倉運の93%、出版労連92%、地銀連と映演労連の90%などが高率である。
回答引出し48%に。妥結はいまだ23%[回答引出し、妥結数] 回答引出しは計1974組合で、ようやく48%の水準に達した。遅れている要因は、中小企業を中心に原油や素材の価格高騰、これを背景とした「業績不振」「先行き不安」という現実や、経営事情を悪用した回答延期、地域や業界の相場待ちなどが指摘されている。こうしたなかで、回答内容を問わなければ繊維産労と検数労連、通信労組の100%があり、出版労連92%、JMIU83%、化学一般労連、全倉運、民放労連のともに81%などが高率である。うち、全農協労連・単協労、建交労・建設、建設関連労連、自交総連、映演共闘や金融関係単産の回答引出しは4月末から連休明けに本格化してきた。
回答内容では「定昇あり・ベアゼロ」が相変わらず638組合と多く、「定昇カットなど」が31組合、「定昇なし・ベアゼロ」も100組合ほど見られる。こうした低額・不当回答は計775組合(昨年最終は1248組合)に達している。なかでも、通信労組のNTTグループは全59社(100%)、銀行労連、特殊法人労連の回答も今のところ「ベアゼロ」などが100%。このほか、全農協労連、建設関連労連、全倉運、生協労連、全信労、全損保、全証労協、民放労連、日本医労連などで各々50〜97%となっている。
うち妥結または妥結方向に達しているのは932組合で、いまだ23%にすぎない。妥結しているのは「純ベア確保」「前年実績以上の回答」や「定期昇給分を確保」した組合が中心。「妥結・妥結方向」は繊維産労と検数労連の100%、比較的高率で「全体としてほぼ集約方向」に向かっているのはJMIU58%、化学一般労連58%、合同繊維の78%、全倉運63%、出版労連の77%、地方マスコミ73%など。このほかの単産では、前述のようなきびしい回答内容のために未解決が多くなっている。
スト権の確立は59%と低調。実施は18%に改善[スト権確立、スト実施数] スト権を確立したのは1888組合で、調査計の実質で59%(昨年最終も59%)にとどまっている。この要因は、確立数が30%に満たない単産など産業別に「労使関係」や「ストライキ闘争」への対応に歴史的な相違があることや、労働組合運動の弱体化も指摘されている。高率で確立したのは検数労連、通信労組、全損保の単一組織と映演労連でともに100%。JMIU93%、地銀連90%、建交労81%などが高率であった。
うち、ストライキ実施組合数(指名スト含む)は計592組合、18%で、少ないながら昨年(482組合、14%)比で110組合増えた。集中回答翌日の「3・16全国統一行動」が351組合で、その後、「4・14全国統一行動」「4月末決着めざす統一行動」を中心に241組合増えた。通信労組は全支部が「3・16統一スト」に結集したほか、出版労連60%、JMIU57%、日本医労連49%、全印総連41%などが比較的高率でストライキを決行し奮闘してきた。
一時金闘争に移行。悪法阻止のたたかいとも結合して 以上の数値と各単産からの報告を総合すると、春闘の進ちょく状況はこの間、「要求提出」が改善され、各項目も若干の改善をはかりつつ推移している。同時に、登録組合の回答水準でも単純平均、加重平均とも引き上げ額が前年を上回り、パート賃上げ、企業内最賃でも善戦している。 いま、各単産は夏季一時金の要求提出、回答引き出しに移行しており、春闘未解決組合では一時金要求の獲得とセットでのたたかいになってきた。国会における医療改悪法案、行革推進関連法案、教育基本法案、国民投票法案(上程阻止)など悪法阻止のたたかいも山場を迎えている。5・26中央行動・第1次最賃デー、5・27国民大行動(東京・代々木公園集会、デモ)への積極参加など、中央や地方・地域の取りくみにも結集しながら精一杯奮闘しあいましょう。
第4回 06春 闘 進 ち ょ く 状 況2006年5月23日17時現在 ●国民春闘共闘委員会 |