2006国民春闘共闘情報
全労連HP

第39号・夏季第3号  2006年8月08日

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最終平均は2.03月、69.3万円に

 3年連続プラス。小規模奮闘、中堅が苦戦 

夏季一時金最終集計結果の特徴について

2006年8月08日 国民春闘回答集計センター

 1.国民春闘回答集計センターは8月4日、夏季一時金の最終・第3回集計をおこなった。登録組合の79%にあたる612組合(32単産・8地方)が回答を引出し、うち486組合が妥結した。残る組合も交渉を継続し収拾に向かいつつある。

2.回答+妥結の状況は別表のとおりで、集計結果は以下のとおりである。

 
登録組合数774組合   
回答組合数612組合回答引出し率79.1% 
2次回答以上159組合回答上積み率回答数の26.0% 
前年実績額以上233組合 回答数の38.1% 
妥結組合数486組合妥 結 率登録数の62.8% 
[回答+妥結]組合数・人数回答月数金  額引上げ率
単純平均612組合2.03カ月+α692,969円 
前年同期比(05.08.05)2.06カ月+α678,263円+2.17%
前年実績比(同一組合) 683,733円+1.35%
加重平均159,205人 770,593円 
前年同期比(05.08.05) 768,855円+0.23%

3.06夏季一時金闘争の経過と特徴はつぎのような諸点である。
 1) 今期の夏季一時金闘争は、大企業を中心に引き続き堅調な企業業績を反映して「既に決まっている一時金」が3.7%増(労務行政研究所)などと発表されるもとでの取り組みとなった。各単産は、独自の要求調査などをもとに、平均2.5〜3.5カ月分や「前年実績以上」の要求をかかげ、団体交渉では、(1) 期待された賃上げが不十分であったこと、(2) 税金や社会保険料負担が急増していること、(3) 毎月の赤字を補てんするために予定しているものであることなどを主張して、支給枠(月数)の回復、支給額の大幅引上げをめざしてたたかってきた。

 2) 各単産の回答が出揃い、引出し率が約8割になった今回の集計では、単純平均が69万2969円、前年同期比で1万4706円の増、引上げ率にして2.17%のプラスとなり、前年実績(同一組合)比でも9236円の増、引上げ率1.35%のプラスという結果になった。一人当りの加重平均は77万0593円、前年同期比で1738円の増、引上げ率にして0.23%のプラスとなった。このように、前年比較の各指標が3年連続してプラスになり、規模別集計で「1〜29人」の小規模が6.63%増と奮闘しているものの、「300〜999人」の中堅が5.64%減と苦戦しているのも今季の特徴である。

 3) これらの背景には、◆「海外需要」「個人消費の回復」や「リストラ効率化」などによって好業績が継続している大手企業で平均77万円の水準(前年比1.63%プラス)に達し、中小製造業、金融業などにも波及してきたこと。◆一方、「原油高」を価格転嫁できない交通運輸業や、マスコミ関係業、医療福祉業の単産を中心に、「業績悪化」「将来不安」などを理由とした低額回答の押し付けが目立つなど、産業間格差と同一産業内でも回答額の二極化が見られた。◆一部には「成果・業績配分」によって平均支給額が計算不能になった組合も報告されている。また、深刻な「業績悪化」によって、いまなおゼロ回答が見られるのも実態である。

 4) この間の取りくみの特徴は、各単産とも春闘未解決組合を抱えながら、5月下旬の要求提出、6月上・中旬の回答引き出し・上積みの統一行動をたたかってきた。また、7月下旬の中賃答申、8月上旬の人事院勧告にむけて、4次にわたる「最賃・人勧デー」を官民一体でたたかってきたことである。こうしたなかで、各単産が業種別・地方別の対策をつよめ、一部ではストライキ、残業拒否、本社交渉などをたたかいながら、159組合(回答数の26%)が2次、3次と回答を上積みさせ、233組合(同38%)では前年実績以上を獲得してきた。

 5) 産別平均の引上げ率がプラスになっているのは、対比可能な29単産中、全証労協の52.2%をはじめ建設関連労連12.4%、全国一般製造12.1%などの16単産で、同月数が1単産、マイナスが12単産であった。また、単産平均が100万円の大台を超えているのは民放労連、出版労連の2つで、この加盟組合と地方マスコミ(新聞)を中心に150万円以上の高額回答が16組合(最高は出版労連傘下の269万余円)報告されている。最高回答次数は第4次回答で、建設関連、化学一般、全国一般、全証労協、全印総連、民放労連、日本医労連に各1組合見られた。最高引上げ額は全証労協の組合が前年実績に59万円以上引き上げて82万5000円に、率では建設関連労連の組合が昨年の「ゼロ」から今年は9万0400円を獲得してトップになった。

4.パート等の獲得状況について
 (本日集計中)




5.他団体の集計結果について(いずれも最終集計)


連 合(最終) 8月02日現在 月 数 金 額 前年実績 (引上げ率)
単純平均 3276組合 1.97カ月 499,754円 487,430円 +2.53%
加重平均 205.4万人 2.38カ月 735,220円 716,457円 +2.62%


日経連(最終) 7月20日現在 月 数 金 額 前年実績 (引上げ率)
単純平均 大手196社   753,396円 734,174円 +2.62%
加重平均     883,695円 859,097円 +2.86%




 


各地の審議会で地域最賃「目安プラス1〜2円」を答申

公務員の「官民給与比較方式の見直し」に抗議

 6.この間、春闘共闘・全労連と公務労組連絡会は、「時給1000円以上」「全国一律最低賃金制の確立」などを求めて第3次(7/12)、第4次(7/25)の「最賃・人勧デー」を中央、地方で取りくんできた。7月26日に出された中賃審議会の改定目安は「AB各ランク4円、C3円、D2円」となった。その後、全国各地で地方審議会にたいし「自主性の発揮」を求め、大幅な引き上げをめざす要請、意見陳述が行われ、宮城、群馬などで「目安プラス2円」、栃木、東京、神奈川、奈良、広島、香川などで「目安プラス1円」の改定を勝ちとった。さらに、異議申し立てなどの取りくみがすすめられている。

 また、公務労組連絡会に結集する公務労働者の人勧闘争もヤマ場をむかえている。7月25日には全国上京団を含む2800人が結集する中央行動を展開し、「官民給与比較方式の見直し反対」「賃下げ勧告阻止」などの夏季重点要求を政府・人事院などに要請するとともに、8月2日には400人規模で人事院前に座り込み、抗議・要求行動を取りくんできた。これらのたたかいでも官民一体の運動に全力をあげ、連帯参加の民間組合は15単産・地方組織を数えた。この運動の流れを大切に、秋季年末闘争につなげていくことが期待される。

 <お知らせ> 06人事院勧告(8日夕)の内容、地域最賃の改定状況、パート等の夏季一時金獲得状況は、本紙で順次発表する予定です。







 


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