加重平均6,779円、2.04%に
「4月末決着」で回答引出し、上積みすすむ
4月中旬〜下旬の回答の特徴について
2007年4月27日 国民春闘回答集計センター
産業別・単産別総括表
個別回答一覧
1.春闘回答集計センターは4月26日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より「4・12全国統一行動」など4月中旬〜下旬の回答を中心とする第4回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは29単産部会中の25単産と5地方である。
2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。
(1) |
登録組合数 |
819組合 |
|
|
|
(2) |
回答組合数 |
327組合 |
引出し率 |
39.9% |
|
|
うち2次回答以上 |
111組合 |
上積み率 |
33.9% |
|
|
うち前年実績額以上 |
184組合 |
回答数の |
56.3% |
|
|
妥結組合数 |
129組合 |
解 決 率 |
15.8% |
|
(3) |
単純平均額 |
327組合 |
5,814円 |
同率 |
1.97% |
|
前年同期 |
332組合 |
5,719円 |
同率 |
1.95% |
|
前年同期比 |
|
+ 95円 |
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+ 0.02P |
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加重平均額 |
8.8万人 |
6,779円 |
同率 |
2.04% |
|
前年同期 |
7.3万人 |
6,294円 |
同率 |
2.00% |
|
前年同期比 |
|
+ 485円 |
|
+0.04P |
(注)前年同期は2006年4月20日を参考としています。
14単産と地方が前年同期比でプラス
4) 4月中旬〜下旬の傾向について
4月2日の前回集計時以降、12日には各単産・地方共闘が「4・12全国統一行動」、月末の24日〜26日には「4月末決着を迫る統一行動」をたたかい、回答引出し、上積みを求める産業別いっせい交渉などを展開してきた。これらのたたかいを背景に、全農協労連、建交労・建設、検数労連、外銀連、映演共闘が初回答を引き出したのをはじめ、日本医労連、全労連全国一般、金融労連、マスコミ関係の全印総連、民放労連などが新規回答と上積み回答をあわせて引き出した。総じて中小労組の新規回答には「ベアゼロ(定昇のみ)」や「前年実績プラス若干のアルファ」が多く、一部には超低額が見られる。一方、この間のたたかいによって、先行組合、主力組合など111組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、184組合が前年実績以上(同額23組合含む)とし、これらを中心に129組合が妥結した。
5)4月末決着による回答・妥結状況は十分反映されていないものの、前年同期水準との比較では、単純平均が5814円、1.97%、一人当たりの加重平均は6779円、2.04%となり、単純平均で95円増、加重平均で485円増となった。中小経営のきびしさが報告されるなか、単純・加重とも若干の増加傾向を堅持している。
こうしたなかで、比較可能な23単産部会中、賃上げ額がプラスになっているのはJMIU、化学一般労連、合同繊維、建交労・製造、運輸・通信業の各単産、生協労連、全労連全国一般、全印総連、日本医労連、地方マスコミ(新聞)などの14単産と地方登録組合である。一方、マイナスになっているのは建設業と金融関係の各単産である。
6)これまでの最高額は日本医労連の組合が2万4530円(9.83%)を獲得してトップ。回答次数はJMIUの2支部が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は日本医労連とマスコミ関係単産を中心に計29組合となった。
3.パート労働者等の賃上げ、企業内最賃の回答・協定状況について
(第4回集計=近日中に発表します)
4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月26日現在、連合の第4回回答+妥結集計は以下のとおり。
|
妥結組合数 |
加重平均 |
単純平均 |
集計方式 |
組合数 |
人数(万) |
金 額 |
率(%) |
昨 年 |
率(%) |
金 額 |
率(%) |
昨 年 |
率(%) |
平均賃上げ |
3272 |
193.9 |
5,721 |
1.90 |
5,363 |
1.85 |
4,526 |
1.75 |
4,304 |
1.70 |
35歳P |
108 |
8.2 |
|
|
|
|
6,560 |
2.43 |
6,916 |
2.63 |
30歳P |
56 |
7.0 |
|
|
|
|
7,710 |
3.29 |
7,338 |
3.24 |
2) 4月25日現在、日本経団連調べの回答+妥結集計は以下のとおり。
|
回答+妥結 |
加重平均 |
単純平均 |
集計方式 |
社 数 |
人 数(万) |
金 額 |
率(%) |
昨 年 |
率(%) |
金 額 |
率(%) |
昨 年 |
率(%) |
大手企業 |
80 |
- |
6,050 |
1.84 |
5,923 |
1.80 |
5,276 |
1.71 |
5,173 |
1.67 |
中小企業 |
161 |
- |
4,314 |
1.66 |
4,125 |
1.59 |
4,220 |
1.64 |
4,007 |
1.57 |
粘り強く5月闘争へ。パート賃上げ・最賃要求の前進を
改憲手続き法案阻止のたたかいは正念場
5.現段階の進ちょく状況は登録組合をみても、回答引き出しが40%、妥結が16%の水準である。全単組を対象とした調査では、この水準をさらに下回る状況が推察される。春闘共闘は、未解決を残したまま「春闘の流れ解散」はしないことを伝統としている。ひきつづく第78回メーデーの成功、5月に本格化する建設、金融、私学やタクシーなどの春闘をたたかいぬくためにも、全体で「5月闘争」を展開するよう呼びかけている。その際、パート賃上げ、企業内最賃の回答引出し、協定化をひきつづき追求することが重要である。
こうしたなかで、5月から最賃・人勧闘争が本格化する。春闘共闘・全労連では、最低賃金法の改正を待たずに今年度から時間額1000円水準への大幅な引き上げをめざしており、11日(金)には「5・11最賃闘争意思統一集会&霞ヶ関・国会行動」、25日(金)にはハンガーストライキを含む「5・25第1次全国最賃デー」を準備している。
また、国会では、自民・公明両党が改憲手続き法与党修正案の5月中旬の採決を狙っており、参議院で連日の委員会設定を強行している。こうしたことから、憲法改悪反対共同センターなどが、各政党・議員要請をはじめ、宣伝の強化(5/07〜11)、緊急集会・デモ(5/07の週)の実施、委員会傍聴(5/09〜11)、国会座り込み行動(5/08〜11)、中央決起集会(5/10夜、5/16昼)などの運動強化とともに、5月3日の「5・3憲法集会」(日比谷公会堂)の成功を呼びかけている。
(以 上)
<ご案内> 春闘共闘の回答集計センターでは、このあとGWを前後して、@パート等の賃上げ・企業内最賃改定状況、A07春闘進ちょく状況(全組合対象)、B制度的諸要求獲得状況(全組合対象)を順次発表します。