2007国民春闘共闘情報
全労連HP

第 39 号  2007年6月26日


 

パート賃上げ17.8円アップ!

企業内最賃は227組合が協定

 07春闘「パート賃上げ、企業内最賃回答状況」の第6回集計について 



 [集計結果の概要] 国民春闘共闘は25日、「パート等の賃上げ、企業内最賃回答状況調査」の第6回集計を行った。各単産から報告は各々一覧表のとおりで、パート等の賃上げは16単産3地方から335組合(前年同期は239組合)、企業内最賃は9単産1地方から227組合(前年同期は207組合)の獲得状況が報告された。春闘スローガンのひとつに「なくそう 格差と貧困」を掲げ、賃金底上げ、均等待遇の柱として重視してきたこの要求は、不十分ながら獲得組合数、引上げ額とも改善させることができた。



2007年 パート等の賃上げ状況

2007年6月25日

単産名 獲得 時間額 1組合あたり平均(単純平均) 改定後 UP額 UP率
組合数 組合数 新時間額 引上額 引上率 単組数 単組数 単組数
パート時給 建交労 93 15   18.9   0 15 0
  JMIU 19 19   18.2 1.54% 0 19 2
  合同繊維 1 1   10.0   0 1 0
  自交総連 2 0       0 0 0
  通信労組 7 7   10.0   0 7 0
  生協労連 86 74 833 10.5 0.90% 10 56 35
  全国一般 46 39   11.3 0.90% 0 31 17
  金融労連 1 1 850 75.0 9.68% 1 1 1
  全印総連 4 3 960 14.0 1.05% 1 3 1
  民放労連 4 4 900 30.0 2.27% 1 4 1
  出版労連 1 0       0 0 0
  映演労連 2 0       0 0 0
  日本医労連 38 37 896 35.6 6.44% 11 33 11
  福祉保育労 16 16 975 10.0 0.60% 2 10 5
  国公労連 1 0       0 0 0
  自治労連 10 4 900 20.7 1.69% 1 4 1
  地方 千葉 3 3   36.7   0 3 0
  地方 山梨 1 1   4.8 0.53% 0 1 1
  地方 山口 2 2   10.0   0 2 0
  335 224 879 17.8 1.85% 27 188 75
  うち日給引上げ 79 7,377 373.3 4.27% 3 79 3
  うち月給引上げ 25 160,000 2,666 2.22% 1 25 10


 (注)、各項目とも報告のあった件数で除しているため、新協定、引上額・引上率は各々連動していません。


生協パは10.5円、看護師は200円も

 [パート等の賃上げ状況] 07春闘で重要視して取りくんできた「パート賃上げ」は、建交労、生協労連パート、全労連全国一般、日本医労連、JMIU、福祉保育労、自治労連(関連)など16単産3地方の335組合がかちとった。時間額の引上げは1円から最高200円までで、金額・引き上げ率回答224組合(一部のゼロを含む)の単純平均は17.8円(前年同期は170組合で16.6円)。前年同期比では獲得組合数が54組合増え、平均額は1.2円増となった。

 単産別に平均引上げ額をみると、日本医労連が平均35.6円、民放労連が30円、自治労連関連が20.7円、建交労18.9円、JMIU18.2円などが比較的高い水準を獲得している。人手不足の看護師やヘルパー、検査技師、番組補助(技術含む)などの専門職では比較的高額な回答が多い。一方、生協労連の10.5円、全労連全国一般の11.3円など販売員、事務員では比較的低額に抑えられる傾向が見られた。ただし、パートの人手不足という雇用情勢に変わりはなく、募集時給は全産業規模で30〜40円引き上げられている。なお、表記のほかに、自治労連や福祉保育労では大半の組合がパート・非常勤職員の雇い止めや賃下げを阻止している。

 臨時・アルバイト・嘱託・準社員などの日給、月給の改善も建交労、自交総連、生協労連、全労連全国一般、映演労連、自治労連関連などですすんだ。日給者の引き上げは79組合平均で373円、月給者の引き上げは24組合平均で2,666円をそれぞれ獲得している。




2007年 企業内最賃改定状況

2007年6月25日

単産名 獲得組合数 月額組合数 1組合あたり平均(単純平均) 改定後 UP額 UP率
新協定 引上額 引上率 単組数 単組数 単組数
全農協労連 2 0       0 0 0
建交労(18歳) 52 52 172,375 3,061 1.96% 52 49 49
建交労(トラック最賃) 36 26 196,000 0 0.00% 26 26 26
JMIU 14 10 144,522 3,576 2.91% 10 8 8
化学一般 21 21 148,143 250 0.17% 21 12 12
生協労連 30 0       0 0 0
全印総連 14 10 157,768 822 0.58% 10 9 9
出版労連 10 4 171,500 11,500 7.19% 4 4 4
日本医労連(誰でも) 24 22 158,949 929 0.66% 22 7 7
日本医労連(看護師) 21 20 198,720 4,592 2.49% 20 6 6
福祉保育労 2 0       0 0 0
地方 千葉 1 0       0 0 0
月額・計 227 165 171,822 984 0.65% 165 121 121
うち日額 引上げ 87 7,744 98 1.35% 87 45 45
うち時間額 引上げ 181 967 17.2 2.03% 180 100 100


 (注)、各項目とも報告のあった件数で除しているため、新協定、引上額・引上率は各々連動していません。



金額引上げ36組合。時間額1000円の時代に

 [企業内最賃の改定状況] 企業内最賃は、建交労、JMIU、化学一般労連、全印総連、出版労連、日本医労連と、生協パート(最低時給)などの9単産1地方で、これまでに計227組合(前年同期は207組合)の協定が報告された。前年比20組合の増になっている。ただし、出版労連では7月中旬予定の東京都出版産業最賃の改定申出を前に協定・同意・個人署名を強めており、各単産も定期大会に向けての調査をすすめるなど今後協定数は増える予定である。

 産業別の月額水準と特徴は以下のとおり。
 各単産に共通する「誰でも」が適用される企業内最賃は、14万4522円(JMIU)〜17万2375円(建交労)の水準で、119組合の単純平均は16万2019円になった。このところ前年と同額での協定が続くもとで、今年は36組合が月額500円〜3万円の引上げをかちとり、金額引上げの流れがつくられつつある。一方、職種別では、建交労運輸の「トラック最賃」が首都圏や大阪の集団交渉36社で平均19万6000円(前年と同額)で協定し、日本医労連の「看護師最賃」は全国20組合平均で19万8720円(前年比4592円増)になった。医労連では5000円、2万2550円の増額も見られる。

 うち、時間額を協定したのは計181組合で、平均967円(17.2円アップ)、うち47%に当たる85組合が時間額1000円以上を獲得し、「1000円時代」に突入しつつあるといえる。日額を協定したのは87組合で、平均7744円(98円アップ)になった。

[本件の最終集計は、時短や制度的諸要求の獲得状況を含め8月末の予定です]




 






 
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