「安心できる雇用と賃金」の実現をめざし

春闘後半のたたかいに総決起を

 2007年4月10日 ● 国民春闘共闘第5回常任幹事会・確認事項 

 国民春闘共闘委員会の3月30日の集計状況は、登録819組合中、回答組合数・274組合(33.5%)が回答を引き出し、その加重平均は「6,781円・2.04%(対前年比プラス654円・0.04ポイント)となっている。昨年実績を上回る回答を引き出している組合は155組合(回答引き出し組合数比56.6%)となっている。同日の連合集計は、加重平均で「5,927円・1.94%(対前年比プラス369円・0.06ポイント)」と公表されており、春闘共闘傘下組合の奮闘がうかがえる状況となってきている。

 各単産加盟のすべての単組を対象に実施した「07春闘進ちょく状況調査(26単産・約4400組合中、調査対象3050組合)」では、要求提出が1990組合(65%)、回答引き出し902組合(30%)、スト権確立1308組合(51%)、スト実施組合672組合(26%)などとなっている。回答引き出しは、なお3割にとどまってはいるものの、スト実施率とともに前年をやや上回っている。
 この点でも、国民春闘共闘委員会全体として奮闘は明らかであり、この勢いを引き継ぎ、4月24日〜26日のゾーンで設定している統一行動などの成功で、要求決着をせまろう。

 最低賃金「時給1000円」要求が社会的にも認知され、最低賃金法「改正」法案の国会提出なども追い風に、地域最低賃金の大幅引き上げを確実なものとしていくためにも重視した企業内最低賃金の引き上げなども、一定前進している。
 3月30日時点で、パート賃上げが99組合平均「22.9円(引き上げ率3.02%)と、昨年実績(5.9円)を大きく上回っている。医療専門職での150円、200円引き上げや、民放労連、生協労連などでの50円、80円引き上げなどが目を引く状況にある。
 また、企業内最低賃金引き上げとかかわって、114組合が月額、時間額の最低賃金改定を引き出しており、JMIU、全印総連の単組での「時給1000円」協定や、建交労・運輸集団交渉での「時給1200円」協定、出版労連の単組での「時給1300円」協定などの到達点にある。
 しかし、非正規労働者にかかわる回答引き出し数、企業内最低賃金協定数とも、要求提出段階の「熱意」からすれば、その到達点は必ずしも十分とは言えない。地域最低賃金引き上げをめざす取り組みとも一体となった企業内の取り組み強化が課題である。

 「子育て」支援策や、パート労働者の労働時間、高齢者継続雇用などの「職場の制度改善」について、13単産・のべ777組合から成果・前進が報告されており、前年並みの取り組み状況にある。男女雇用均等法の「改正」など、働くルールにかかわる法制度の改変が相次ぐもとで、労働者の権利を守る制度関連の労働協約改定の取り組みは重要であり、春闘後段のたたかい強化が求められている。

 こうした春闘前段のたたかいの成果、到達点をさらに引き上げ、賃金、労働条件改善を前進的に決着させるため、春闘後半のたたかいに総決起し、粘り強く闘いぬこう。




 
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