貧困なくせ!今年こそ賃上げを
ビラを見て、「がんばってください」
東京・新宿・池袋と霞ヶ関などで新春宣伝
国民春闘共闘と東京春闘共闘は8日早朝、08春闘のスタートをきる「新春宣伝行動」を実施。北国を除くと穏やかな日和のなか、東京、新宿、池袋駅、霞ヶ関、虎ノ門、大手町周辺に中央・東京の単産や周辺労組などから309名が参加、足早に出勤するサラリーマンらに春闘の課題や要求を訴え、新春ビラ1万3050枚を配布しました。
朝8時、東京駅丸の内北口の新春宣伝行動には、千代田春闘や都教組、都障教組、東京私教連、全労連全国一般、出版労連、化学一般労連、東京地評、全労連などから38人が参加、500枚の春闘ビラを配布しました。
宣伝カーの上から国民春闘共闘の坂内代表幹事(全労連議長)、大西常任幹事(司会兼)、全労連の宮垣事務局次長、東京地評の平山副議長、東京春闘共闘の伊藤事務局長が訴えました。
各弁士から、パートや日雇派遣など増え続ける非正規雇用と低賃金の実態、大企業の過去最高益・高配当のもとでの賃金抑制・貧困化の問題、新テロ特措法のゴリ押しや戦争をする国づくり反対などの訴えがつづきました。注目しながらビラを受け取り、出勤を急ぐ労働者が見られ、「がんばってください」の激励も受けました。
坂内代表幹事は、年金、食料品、雇用条件などの「偽り」の実態を紹介し、「自民・公明の偽装政治を一掃する1年にしましょう」と訴えました。また、「参議院選挙の結果、労働者・国民の要求が実現する情勢が生まれている」として、被災者支援法、最低賃金法の成立で、被災者の生活保障が拡大し、最低賃金が平均14円引上げられたこと、障害者自立支援法と後期高齢者医療制度が見直しされることなどをあげました。08春闘では、「すべての労働者・国民に憲法25条の健康で文化的な最低限度の生活を保障する」ことをめざして、下請単価の引き上げや、農産物価格の保障、生活保護基準の改善に取り組むとし、「格差と貧困をなくせ!の声をひろげよう」「誰でも1万円の賃上げ、時給1000円を実現させるために、ともに頑張りましょう」と呼びかけました。
新宿駅西口での新春宣伝は早朝8時から行われました。全印総連、金融労連、全農協労連、建交労、通信労組、建設関連、新宿区労連、生協労連、東京地評、春闘共闘、全労連などから53名が参加。足早に出勤するサラリーマンらに春闘新春ビラ850枚を配布しました。
国民春闘共闘の井筒常任幹事(全労連)が司会を務め、東京地評の高畠事務局長、菅原事務局次長、阿久津事務局員、生協労連の桑田委員長、全労連の柴田副議長、伊藤常任幹事が弁士としてマイクを握りました。どの弁士も、バブル期を上回る利益を出しているにもかかわらず、それを労働者にまったく還元していない大企業を強く非難しました。そして参院選での勝利など、国民の声が新しい動きをつくっていることを述べ、この流れにのって08春闘では昨年を上回る賃上げを勝ち取ろうと訴えました。また、一人でも入れる労働組合を紹介し、憲法で定められた権利を活かすためにも労働組合に結集してほしいと呼びかけました。
8時から始まった池袋駅東口での宣伝行動には、全労連、東京地評をはじめ医労連、建交労、JMIU、自交総連、首都圏青年ユニオン、豊島区労協、北区労連など9団体60人の組合員がティッシュとともに春闘チラシ1500枚を出勤途上のサラリーマンに配布しました。
国民春闘共闘と東京春闘共闘から6人が弁士に立ち、新春の宣伝を行いました。どの弁士も、大企業が史上最高の利益を上げながら賃上げに回そうとしない財界の姿勢を批判し、労働組合に結集して賃上げを勝ち取ろうと呼びかけました。また、貧困と格差の拡大でワークングプア、生活保護世帯の増加などに触れ、大企業の利益を国民に還元せよと訴えました。
日本医労連の田中千恵子委員長は、救急車のたらい回しなどの問題にふれ、安心・安全な救急医療の確立、質の高い医療のためには医師や医療労働者の増員など労働条件の改善が重要なことを訴えました。全労連の小田川義和事務局長は、参院選での自公与党の敗北には構造改革への国民の批判があらわれたと指摘、大企業が膨大な利益を株主配当や投資などのマネーゲームに使っていることを批判し、最低保障年金や時給1000円への引き上げ、働くルールの確立を訴えました。