08春闘「闘争宣言行動」に1000人
利益を労働者・中小に還元せよ!
1・18厚労省&日本経団連包囲・丸の内デモ
「賃上げ、1万円以上をかちとろう」「貧困と格差をなくせ」「ガソリンや灯油は値下げしろ」 ― 丸の内、大手町のビジネス街に組合旗、要求旗が立ち並び、デキシーメロディーとシュプレヒコールが轟きました(写真)。全労連と国民春闘共闘、東京春闘共闘は18日、08春闘の闘争宣言行動として「1・18厚生労働省&日本経団連包囲・丸の内デモ」を取り組み、のべ1000人が参加しました。
気温5度。有楽町駅近くの丸の内中通りから出発した600人のデモ行進は、大企業本社に働く昼休みのサラリーマンらにシュプレヒコールで訴え、春闘ティッシュを配りながら、大手町の東京海上日動社前を通って、解散地点の日本経団連前へ。ここで抗議行動に切り替えて、「08国民春闘・闘争宣言(案)」を読み上げました。
坂内三夫代表幹事(全労連議長)が主催者あいさつし、低賃金と不安定雇用で貧困を広げた財界・大企業、とりわけ日本経団連の責任を批判。そのうえで、「働くルールの確立をめざし、要求を一歩も譲らず、貧困撲滅の春闘を力強くたたかおう」と呼びかけました。決意表明では、製造業のJMIU・三木書記長、パート臨時労組連絡会・橋本副代表、全労連青年部・笠松書記長がマイクを握り、「生活に精いっぱいで、キヤノンのカメラもトヨタの車も買えない。大企業はボロ儲けを労働者、中小企業に還元すべきだ」「賃下げと負担増で、これじゃとても生活していけない」「パートの賃金は生活費だ。時給1000円に引き上げよ」などと訴え、08春闘の勝利にむけて力強い決意を述べました。
参加者は、日本経団連ビルにむかって、「大企業はボロ儲けを吐き出せ」「利益を労働者に還元せよ」「利益を中小企業にも還元せよ」などとシュプレヒコールを繰り返しました。
最賃審議委員の公正任命を!
生活保護との整合性図り、改正法の施行急げ
厚生労働省交渉&包囲行動に全国から400人
午前10時から、改正最低賃金法の成立と対応をめぐって、生活保護基準との整合性がとれていない地方の違法根絶の手立て、整合性のとり方(比較する生活保護基準の等級・区分)や、中央・地方の最低賃金審議委員の公正任命を求めての厚労省交渉を実施。これには、全労連の大木副議長をはじめ関係単産、首都圏地方の代表が参加しました。
要請書にもとづき当局は、@施行日はまだ決まっていない、A生活保護との整合性は審議会で検討、B委員の任命は総合的に判断して決めている(従来通り)などと回答しました。
この当局回答について、全労連代表や単産・地方代表が問題点を指摘し、再回答を求めました。施行日を巡っては、国会審議、国民の期待、自治体の要望などを紹介しながら「4月1日施行」を強く求めましたが、当局側は「近いうちに、いつ施行予定か言えるようにしたい」にとどまりました。生活保護との整合性については、当局が各都道府県内の各級地の人口加重平均と比較しているのに対して、全労連代表が秋田、埼玉、千葉、神奈川などの級地別労働者数(県都等に6〜7割が集中)の資料を示して矛盾を追及すると、同意せざるを得ませんでした。委員の公正任命については、審議会で一言も発言しなかった労働者委員がいることなど紹介して「時代遅れの差別任命」を批判。当局側は「それは問題だ。情報を寄せてほしい」と答弁しました。
10時半から始まった厚生労働省包囲行動は、寒空の下、官民の労働組合の旗が立ち並び400人が参加しました。
東京春闘共闘の堤敬代表委員は、主催者あいさつで「今春闘を貧困撲滅春闘とすべく、国民諸勢力と力を合わせて勝利しよう」と訴えました。全生連の辻清二事務局長は「厚労省は生活扶助引き下げを断念したが、これは『生活保護を受ける人だけではなく国民全体の暮らし引き下げにつながるものだ』と日弁連、連合、全労連などが訴え、多くの人がこの闘いに加わったことで勝ち取った成果だ。」と強調。「年金、最賃、生活保護など国民の最低生活保障を守るためともにがんばりましょう」と力強く連帯あいさつしました。
小田川義和国民春闘共闘事務局長が行動提起。最賃引き上げについて、使用者側は中小の生産性向上がなければ難しいとしているが、生産性向上を妨げているのは下請単価の買いたたきや指値など大企業の強いる不公正取引ではないか」と批判し、「全労連・春闘共闘は改正最賃法の早期施行とそれに向けた条件整備を求めていく。08春闘こそ最賃大幅引き上げを実現しよう」と訴えました。派遣法改正については「厚労省は審議会での労使対立を口実に今国会での改正を諦め、指針、通達などで規制強化の方向だが、現行法では規制逃れが起きやすく抜本改正が必要。告発したフルキャストなど派遣労働者の勇気にこたえる運動を巻き起こそう」と訴えました。
決意表明では全農協労連の宮浜克好書記長が「国民の生命・安全を大切にしない政策は、農作物を作る農民に憲法で保障された最低限度の生活すら脅かしている」と、平均時給が256円にしかならない農民の生産者米価の引き上げを訴えました。また、生協労連の布間きみよ副委員長、全国一般東京の室井委員長、神奈川パート・臨時労組連絡会の安部栄子事務局長が次々とマイクを握り、最賃の大幅引き上げやパート労働者を最賃委員に任命せよと訴えました。