キヤノンは率先して賃上げを!
キヤノン本社&品川駅で大宣伝、トヨタ東京に申し入れ
「キヤノンの純利益5200億円。労働者・下請けに還元しろ!」「全従業員に1万円の賃上げを。貯め込み利益の0.6%で実現!」−国民春闘共闘と東京春闘共闘は2月8日早朝、キヤノン本社2ヵ所と品川駅港南口前に横断幕をかかげ「2・8大企業包囲東京行動」を展開。全労連や中央・東京の単産、地元大田区・港区の労組、神奈川春闘などから140人が参加して、「大企業労働者向けチラシ」が入ったティッシュペーパーを配りながら早朝宣伝行動を実施しました。
冷え込みが厳しい8日早朝、キヤノン東京本社隣の下丸子公園に90人が結集、出勤する労働者に向け2班に分かれて大宣伝を行いました。
A班は民間単産と大田区労協、神奈川春闘のなかまが横断幕を門の両側に大きく広げ、ハンドマイク宣伝をしながら、東急多摩川線下丸子駅から歩いて通勤する労働者にチラシ入りティッシュを配布。7時30分からの1時間でティッシュ900個を配りました。
キヤノン本社で働く労働者は約6600人、「管理部門と研究・開発、品質検査などを行っている。派遣労働者はどの部門にも入っているが、特に品質テスト部門に多い」とは、もと開発業務を行っていた大田区労連の組合員の話。早い時間帯は年配者も見られましたが、8時30分の始業時間に近づくにつれ若い労働者が圧倒的でした。国民春闘共闘の老田代表幹事は出身の北海道の経済格差にふれ、「経団連会長を出しているキヤノンが率先して賃金を引き上げて、日本経済を活性化させてほしい」と訴えました。住宅街でティッシュを受け取ったキヤノンの労働者は、全労連の宮垣事務局次長、今井幹事、東京春闘共闘の伊藤潤一事務局長などの訴えに耳を傾け、横断幕を横目で見ながら急ぎ足で職場に向かっていきました。
多摩川ガス橋側の本社正門を担当したB版には、各公務単産と大田区労連、神奈川春闘から57名が参加して宣伝活動を行いました。
5センチも霜柱ができるほど冷たい空気の中、国民春闘共闘の小田川事務局長をはじめ、国公労連の川村副委員長、全労連の寺間幹事、東京春闘の柴田幹事、全労連の柴田副議長が次々とマイクを握り、御手洗キヤノンが派遣労働で脱法行為を行い、企業の雇用実態に見合うように法改悪をするよう主張していることを批判、キヤノン労働者に対して春闘での積極的な賃上げ要求を、キヤノンは3兆5000億円を超える累積内部留保を労働者・下請けへ還元をと訴えました。門前で配布したビラ入りティッシュも、昨年より受け取りが良く、用意した1000個をまききりました。
品川駅で春闘宣伝。大企業は賃上げチャンス
キヤノンマーケティングJ、ソニー、三菱重工などの大企業本社が集中する品川駅港南口には全労連、東京地評をはじめ民間の各単産、品川春闘共闘、港春闘共闘など13団体50人の組合員が参加。8時から宣伝行動を開始、ティッシュ2000個は30分を待たずになくなりました。
宣伝カーの上から、国民春闘共闘の坂内三夫代表幹事(全労連議長)、全労連の大木寿副議長、東京春闘共闘の高畠素昭副代表ら5人が訴えました。坂内氏はキヤノンの偽装請負に触れるとともに「キヤノンは昨年12月決算で4883億円の連結純利益あげている。資本金10億円以上の大企業の利益はこの10年間に15兆円から33兆円に、18兆円も増えました。しかし、払った税金は1兆0064億円しか増えていません。その裏側に法律にも違反する労働者のひどい働かせ方があります。生活保護にも満たない年収200万円以下の労働者が1000万人を超えた」と批判、虫けらのように労働者を扱う過酷な働き方をあらため、企業の社会的責任をはたすように求め、「月額1万円以上の賃上げ、全国一律最賃制の確立、日雇派遣労働・偽装請負の禁止、人間らしく働けるように安心して働けるルールの確立を、今春闘で力を合わせてたたかおう」と呼びかけました。
大木氏は、非正規雇用が3分の1、若者や女性では2分の1になっていることを指摘し、非正規雇用を転換し、まともに働き続けられる雇用をもとめ、「最賃法が改定されて、今年は最賃を引き上げる絶好のチャンスだ、みんなが安心して暮らせる社会にしよう」と呼びかけました。高畠氏は、大企業が内部留保を2倍に増やしており賃上げの財源もたっぷりあると述べ、また、中国産毒入り餃子問題や、食糧自給率が40%以下であること、耐震偽装問題での建築基準法改定、派遣労働が増えた労働基準法の改定など、アメリカいいなりに変えてきた背景に触れ、これを批判しました。井筒全労連幹事の「派遣・請負を野放しにしていいのか」との批判には、労働者から拍手が起こりました。
「賃金底上げ」「サービス残業一掃」「単価引き下げやめろ」
トヨタ東京本社に7項目の要請
文京区のトヨタ東京本社には、国民春闘共闘の渡辺事務局次長、伊藤常任幹事(以上、全労連)、東京春闘共闘の伊藤事務局長、公害地球懇の清水事務局長が訪れ、08春闘にあたって、賃金の底上げ、サービス残業の一掃、公正取引、排ガス公害の全被害者への医療費助成など7項目の要請書(別紙)を提出して申し入れました。
対応した総務管理室2名は交渉能力がなく、「上司に伝える」という従来の域を出ないものの、地裁での過労死認定、排ガス公害の医療費保障など社会的な状況変化、前進もあり、いつもより紳士的に対処し、要請団の話にうなずいていました。
なくせ貧困、ストップ改憲! つくろう平和で公正な社会