2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第 15 号  2008年02月29日

 

要求提出すすむ。交渉も本格化

誰でも月額1万円、時給100円アップを

 灯油・食料品・公共料金…諸物価の高騰から家計を守ろう

 2月の月末をむかえ、春闘共闘に参加する各組合の要求提出が進んでいます。29日までに要求提出したのはJMIU、建交労の先行グループ(以上20日)をはじめ、検数労連、通信労組、生協労連、全労連全国一般、金融労連、全印総連、民放労連、出版労連、日本医労連、福祉保育労や公務各単産などの17単産です。3月3日、5日、6日に集中する民間単産もあり、中旬までにはすべての単産が提出する予定です(調査組合は官民29単産)。諸物価の高騰がすすむなか、08春闘では「貧困をなくせ」や「均等待遇」を求める世論の高揚、日本経団連・御手洗会長の「賃上げ推進」発言、パートの人手不足、正規の後継者育成も追い風に、誰でも1万円の賃金底上げをはじめ時給100円アップ、企業内最賃と初任給の引き上げ、正社員化や残業規制などの要求前進が期待されます。


切実な底上げ要求。年齢別最低保障が増える

 [底上げ・平均又は一律賃上げ] 底上げの「誰でも1万円以上」を掲げているのは、全農協労連、生協労連、金融労連、全印総連、映演労連、日本医労連、自治労連などです。「誰でも○○円以上」や「誰でも時間給1000円以上」は化学一般労連、自交総連、通信労組、出版労連などが掲げており、こうした切実な底上げ要求を官民14単産が掲げています。従来の平均または一律要求は、この間のアンケート結果などから18単産が掲げており、全農協労連が平均20,000円以上、建交労が35,000円、JMIUが一律30,000円プラス格差是正、通信労組が一律35,000円以上、全労連全国一般が25,000円以上、民放労連が15,000円以上、公務労組連絡会と国公労連が11,000円(2.8%)などです。

 [パートなどの時給引上げ] パートや臨時などの時間給引上げは16単産が要求しています。「誰でも100円」は全労連全国一般、金融労連、民放労連、映演労連、日本医労連、自治労連、全教など、控え目な「誰でも50円」は合同繊維、生協労連、全印総連などで、170円(建交労)、200円(全農協労連、通信労組)、250円(郵産労)も見られます。到達時給はほとんどが「1,000円以上」で、1200円(福祉保育労)、1300円(出版労連)、1500円(通信労組)も見られます。

 [企業内最低賃金] 企業内最賃は22単産が要求しています。パートなどの時間額到達要求に連動して「時間額1,000円、日額7,500円、月額15万円」が多く、産別の特殊性・専門性や独自の調査結果にもとづき「時間額1,200円」(建設関連労連、民放労連、日本医労連)「1,300円」(出版労連)、「1500円」(郵産労)も見られます。月額では15万円が7単産、16万〜20万円が9単産、15万未満が1単産見られます。

 [年齢別最低保障] 年齢別最低保障賃金を要求する単産は、13単産に増えてきました。うち、生計費原則を重視したJMIUは「18歳190,000円、25歳223,000円、35歳319,000円、45歳370,000円」を要求しています。賃金カーブ維持を強調する化学一般労連では「21歳179,000円、25歳211,000円、30歳249,000円、35歳292,000円、40歳319,000円、45歳339,000円」、社会的な年間収入を重視している全印総連は「25歳までに年収350万円、40歳までに年収470万円」を要求しました。



支部平均で2万8509円(9.77%)に

 JMIU  214支部分会がいっせいに要求提出

 (1) 2月20日の統一要求日には、全国で214支部分会が春闘要求を提出しました(一部未集約)。賃上げ要求額の支部平均は28,509円(9.77%)です。「統一要求書」は155支部分会が提出しました。

 (2) 2008年春闘は、いよいよ本番を迎え、春闘要求にそった回答を引き出すために、全国の地本、支部はとりくみを強めています。回答指定日を目前にした現在、今春闘で経営者や財界と切り結ぶポイントが明確になってきており、あらためて、JMIUの2008年春闘での主張を明らかにして、全地本、全支部分会の総決起を訴えます。

 (3) 2008年春闘をめぐる状況の最大の特徴は、異常な物価高騰です。ガソリンや灯油が4割、5割の値上げになったばかりでなく、食料品が相次いで10%値上げされ、この4月からはビールや電気・ガス料金も値上げされます。輸入小麦の政府売り渡し価格が30%上がり、今後パンや麺類が値上げされることも確実です。ある経営者は、「私もカミさんに渡しておいた生活費が1割不足と言われている」と話しています。これが真実であり、何が何でも生活をまもる賃上げが必要です。ところが「材料も値上がりしており、要求には応えられない」という対応をする経営者も少なくありません。

 (4) ここに、今春闘の一番大きな対決点があります。資材値上げにはお金を支払い、労働者の生活費である賃金だけ抑えるのは許されません。賃金も上げなければ、労働者が生活し働いて、材料を製品にすることはできないのです。材料費以上に労働者の生活を考えることこそ、材料費が上がるなかでも、労働者の知恵や工夫を生み出し、企業の活力をつくりだすのです。この点で、一歩もひかない論戦が求められます。

 (5) 同時に、材料の高騰、大企業の価格破壊、景気の先行きに対する不安など、中小企業における困難な問題が発生していることも事実である。JMIUは数人の経営者からの協力をえながら、2月13日にも経済産業省への「原材料高騰緊急対策」を申し入れました。このような運動と世論をいっそう強化することが必要です。
 こういうなかで、春闘回答日を前に、企業の将来に対する不安、雇用不安も生まれていますが、JMIUは2008年春闘のなかでも、賃金引上げとともに、企業の将来展望をつくりだす課題を重視しています。これは、職場だけで解決できる問題ではない。まさに産業別労働組合としてのとりくみが重要であり、すでに対策を強めています。

 (6) JMIUは、当面する春闘賃上げ要求を前進させるとともに、職場の将来と労働者の雇用についての保障をつくりだすまで、2008年春闘は終わらないという立場で全力をあげるものである。「金属労働者春闘総決起集会」の成功とJMIU全組合員の参加をかちとり、2008年春闘の大きな前進をめざしてお互いに奮闘することを心から呼びかけます。

(JMIU「2008年春闘情報」No.1より)


10数年ぶりの初任給引き上げ続く

 各金融機関  大卒は20万5000円に。3万円余UP

 金融機関は長年初任給が据え置かれてきましたが昨年、三井住友銀行が14年ぶりに初任給を引上げ、いくつかの金融機関がそれに続きました。08年4月からはさらに10数年ぶりに引き上げる金融機関が次の通り相次いでいます。大卒初任給は205,000円が相場になりつつあります。

(「金融労連速報」2/29付)



 

 <訂正>

 本紙第13号(2/22付)2面の「夕張、輪島で『福祉灯油』実施できず」との報道は、過日のマスコミ報道によるものでしたが、夕張市についてはその後実施されました。但し、札幌市が財政難を理由にいまだ実施されていません。

 


  




 
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