要求提出62%、回答引き出し25%
全体の進ちょく状況調査 スト権確立48%。実施は12%
国民春闘共闘委員会は19日、各単産に加盟する全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第1回調査を実施しました。これまでに第1次回答を引出した単産など15単産から報告がありました。調査結果の概要はスト権確立が48%、要求提出62%、回答引き出し25%などとなりました。
(別表参照)
中小労組が回答引出し中。下旬に山場
[スト権確立、要求提出数]
調査組合数は建交労の792組合、日本医労連の437組合、JMIUの311組合など、この段階では2412組合で、ほとんどが中小労組です。うちスト権を確立したのは1103組合で報告計の48%(前年同期は55%)と、5割を切っています。全国単一組織の検数労連と通信労組、全損保、郵産労が100%で、特殊法人労連の89%、JMIUの77%が高率です。
要求提出は計1486組合でいまだ62%(同65%)の水準です。単一組織以外では特殊法人労連100%、JMIU77%、化学一般労連76%、出版労連71%などが高率です。
[回答引出し、妥結数]
回答引出しは計596組合で25%(同25%)の低水準です。要求提出した1486組合の4割しか回答提示がありません。政府・財界のトップが後押しする「賃上げ春闘」ですが、業績不振や様子見からの回答延期が多数報告されています。「ベア600円」の郵産労、「ベアゼロ」の通信労組を除けば、出版労連49%、JMIU48%、化学一般労連36%が高率で、逆に、金融労連0%、建交労7%など多くの中小単産がこれから本格化します。各単産からの報告によれば、@実質賃上げ(ベア)を獲得するという組織内討議の不十分さ、A燃料や原材料の高騰にさらされている産業・業種では様子見の「とりあえず定昇のみ」と「回答延期」の復活が指摘されているところです。
妥結または妥結方向は、建交労18組合、出版労連15組合など、全体でも僅か44組合で1.8%(同1.8%)にすぎません。
[平均賃上げ額]
回答のあった組合のうち539組合で平均賃上げ額(定昇込み)の提示がありました。単純平均は5,063円、1.83%(同4,912円、1.91%)になり、前年同期を151円上回っています。産別平均が比較的高いのは、建設関連労連の9,700円、民放労連8,399円、出版労連6,368円などです。引き上げ率では、これらに加えて全印総連の2.26%、日本医労連の2.10%、JMIUの2.02%が見られます。一方、NTT労組(連合)が要求しないために通信労組にはゼロ回答が示され、定昇制度が殆どない中小労組の建交労では1,000〜4,000円台に集中しています。
[スト実施数]
3・13全国統一行動を中心にストライキを実施した組合数(指名ストを含む)は計264組合(支部・分会)で、全体の12%(同12%)でした。比較的高率なのは、全国的な支援を受けて実施した通信労組が100%、JMIUの39%、日本医労連14%、出版労連11%です。
以上、08春闘の第1回進ちょく状況は前年対比で見ると、前進面は平均賃上げ額が151円上回っただけで、回答引き出し、スト実施、妥結・妥結方向が前年並。スト権確立、要求提出、不誠実回答などが後退しています。各単産とも改めて態勢を整え、3月下旬のたたかいと4月10日頃の統一行動、「4・23第2次全国統一行動」に向けてこれからが正念場です。
(注)本集計は、国民春闘共闘全体では27単産約4430組合が対象組合になります。今回は、組合数の多い全農協労連、全労連全国一般、福祉保育労などが「調査中」のため本集計から除外しました。
08春 闘 第1回 進 ち ょ く 状 況
2008年3月19日現在 ●国民春闘共闘委員会
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