2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第22号・回答第3号  2008年4月03日

 

各単産の回答ほぼ出揃い、前年並み

単純平均5,924円、前年比+57円

 3月下旬段階の回答について 

2008年4月03日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧  

 1.春闘回答集計センターは4月2日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産より3月下旬の回答を中心とする第3回目の報告を受けた。19単産部会から先行組合の2次〜3次回答を含む250組合の報告が寄せられた。

 2.これまでの回答+妥結状況は総括表のとおりで、特徴はつぎの諸点である。

 
(1) 登録組合数 811組合 29単産・部会中 19単産が引き出す  
(2) 回答組合数 250組合 引出し率 30.8%  
  うち2次回答以上 70組合 上積み率 28.0%  
  うち前年実績以上 133組合 回答数の 53.2%  
  妥結組合数 45組合 妥結率 5.5%  
(3) 単純平均 250組合 5,924円 同率 1.95%
  前年同期 274組合 5,867円 同率 1.98%
  前年同期比   +  57円   − 0.03P
  加重平均 6.5万人 6,267円 同率 2.04%
  前年同期 7.4万人 6,781円 同率 2.04%
  前年同期比   −  514円   +−0.00P


70組合が上積み回答、133組合が前年実績プラス

 4) 全体の傾向について
 1) 第2回集計(3月21日)以降、新たに回答を引き出した検数労連、全倉運、郵産労から初めての報告があり、JMIU、化学一般労連、建交労、民放労連、出版労連、日本医労連、地方マスコミ(新聞)や地方登録組合などからは新規回答と上積みとが同時に報告された。

 2) 今回の回答報告数は250組合(全体の30.8%)となり、前年同期を24組合下回っている。また、単純平均は57円の微増ながら、一人当たりの加重平均は514円減という状況となった。これは、1000人以上の大手組合、300人以上の中堅組合が比較的高額な回答(第2次を含む)を引き出してはいるものの、前年同期水準に比べて抑え込まれている実態が反映したものである。単産ごとの前年同期比では、比較可能な17単産部会中、賃上げ額のプラスが9組織あり、いまのところ、全労連全国一般の+2804円、同製造の+904円、合同繊維の+706円、化学一般労連紙パの+446円などが比較的好調である。

 3) 3・13全国統一行動をたたかった国民春闘共闘参加の先行組合は、3月決着をめざして26日から28日にかけて集中団交やスト含む統一行動などを配置し、回答引出し・上積みを求めてたたかってきた。その結果、JMIU、化学一般労連、合同繊維、建交労運輸、日本医労連、地方マスコミ(新聞)などの70組合が第2次〜第4次の上積みをかちとり、全体水準の引き上げに貢献している。建交労運輸では、軽油の暫定税率廃止にともなう値下げ分を賃上げ原資に配分させる交渉が本格化しつつある。

 4) この間「1万円以上」の回答が17組合報告されて(登録外は除く)、これまでの最高はJMIUの組合で1万3774円である。これを含め前年実績額との比較では133組合がプラス(同額27組合含む)をかちとり、回答次数では日本医労連の組合が第5次回答、JMIUの3組合が第4次まで積み上げている。



 3.パート等の賃上げ、企業内最賃の回答状況について
 今回は、パート・アルバイト等の賃上げ回答、企業内最賃の回答・協定状況について同時報告をお願いしている。全体の進ちょく状況とともに明日発表の予定である。

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 3月28日現在、連合の第3回回答+妥結集計は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 1590 177.8 5,942 1.97 5,789 1.94 5,147 1.95 5,085 1.94
35歳P 70 5.5         6,080 2.22 5,738 2.14
30歳P 44 1.9         6,511 2.72 7,273 3.14

2) 3月28日現在、日本経団連調べの第1回回答+妥結集計は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 50 - 6,322 1.91 6,208 1.85 5,538 1.79 5,173 1.69



何としても、「前年並み」をはね返す4月闘争へ

 5.国民春闘共闘に結集する各単産は、「誰でも1万円以上」「時間給100円以上」をはじめ、企業内最賃の獲得など、すべての労働者の賃金底上げをめざし、3年連続の純ベア獲得・上積み春闘に奮闘している。とくに、「3・13」と3月下旬のスト含む統一行動で、回答引き出し、上積みをめざしてきた。しかしながら、相変わらずきびしい経営環境におかれている商業・サービス業や、燃料・原材料価格の急騰に苦しむ中小企業では賃上げに対するガードが固く、個別労使では解決できない実態もあり、多くの中小労組のたたかいは4月段階へ移ろうとしている。
 この間、国民春闘共闘委員会は第4回常任幹事会(3/14)をひらき、春闘後半戦にむけて「『前年並み賃上げ』回答を乗り越えよう」と、4月中旬の統一行動とともに、「4・23第2次全国統一行動」(第1次最賃デー)を中心とする闘争強化を意思統一してきた。各単産も、食料品など生活関連物価の急騰など新たな負担増のもとで生活改善できる賃上げをめざし、執念をもって回答引き出し・上積みを勝ち取るとともに、労働時間の短縮、均等待遇、雇用確保など制度的要求の前進にむけて、粘り強くたたかう態勢を確立しつつある。

(以 上)


 


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