要求提出66%、回答はいまだ28%
第2回進ちょく状況調査 前年比+435円、中小が奮闘中
国民春闘共闘委員会は4月3日、各単産に加盟する全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第2回調査を実施した。これまでに第1次〜第4次回答を引出した22単産から報告があり、調査結果の概要は要求提出66%、回答引き出し28%、スト実施が12%などとなった。
(別表参照)
回答水準は3000〜7000円台。各単産、4月決着へ
[調査組合数、要求提出数]
進ちょく状況調査は、国民春闘共闘に参加する民間26単産約4400組合を調査対象としている。うち、今回は「調査中」を除く22単産から3495組合の進ちょく状況が報告された。調査組合数が多いのは、建交労の805組合、日本医労連の436組合、自交総連の331組合、JMIUの311組合、全農協労連の283組合などで、ほとんどが中小労組である。
要求提出は、計2303組合で66%(前年同期は65%)になった。単一組合の検数労連、通信労組、全損保、郵産労が100%、繊維産労、合同繊維、特殊法人労連も100%で、全倉運93%、出版労連82%、化学一般労連81%などが高率になっている。
[回答引出し、賃上げ額、妥結数]
回答引出しは計995組合で全体の28%(同30%)、いまだ3割に到達しない低水準である。検数労連、通信労組、郵産労の100%、特殊法人労連78%、出版労連71%、全倉運64%が高率で、逆に全農協労連や交通運輸、金融保険の単産など多くの中小労組がこれから本格化する。
回答内容の特徴としては、
(1) 回答引き出し組合数の割合が若干減っている、
(2) ベア獲得組合が223組合確認されるが回答組合数の22%に過ぎない、
(3) 「ベアゼロ(定昇のみ)」や「定昇カット」などの不誠実回答が減ったもののなお計347組合も見られることなどである。
回答を引き出した995組合中の816組合に金額又は引き上げ率の回答があり、平均は5346円(2.03%)で、前年比+435円(+0.03P)となった。産別平均は一部を除き3000円台〜7000円台の幅が見られ、今のところ建設関連労連と民放労連が比較的高い水準を獲得している。引き上げ率では1.2%〜2.8%に集中し、民放労連、日本医労連、JMIUなどが2%台に乗せている。
妥結または妥結方向は、出版労連39組合(31%)、建交労37組合(5%)、化学一般労連16組合(14%)、全農協労連12組合(4%)、民放労連10組合(7%)などの計138組合(3.9%)にすぎず、前年同期の水準(4.7%)よりさらに低くなっている。
[スト権確立、スト実施数]
スト権を確立したのは1717組合に増えてきたが、報告計の49%(前年実績は51%)にすぎない。単一組合以外では特殊法人労連の89%、映演労連の87%、JMIUの77%、建交労の69%、全労連全国一般の68%、合同繊維の67%などが高率である。
集中回答日翌日の3・13全国統一行動と3月末の統一行動を中心にストライキを実施した組合数は422組合(12%)で、前年を50組合ほど下回った。こうした中で、通信労組が全支部で100%、JMIUは3回の産別統一ストを中心にのべ170組合が決行して55%になり、比較的高率なのは映演労連27%、日本医労連21%、全印総連16%などががんばっている。
以上、08春闘の進ちょく状況は、要求提出数、平均賃上げ額など昨年より若干改善した面もあるが、回答引出し数、妥結数やスト権確立、スト実施では後退しており、各単産とも4月中旬のたたかいと「4・23第2次全国統一行動」に向けてこれからが正念場である。
08春 闘 第2回 進 ち ょ く 状 況
2008年4月03日現在 ●国民春闘共闘委員会
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