2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第 27 号  2008年04月21日

 

パートの平均時給26.2円アップ

自治労連、非常勤職員の賃上げ勝ちとる

 パート等の賃上げ、企業内最賃の回答状況 B

 国民春闘共闘委員会は4月18日、全労連、純中立労組懇参加の各単産よりパート賃上げ、企業内最賃の回答・協定状況について、第3回目の報告を受けた。13単産から報告があり、パート賃上げは175組合平均で26.2円となり、企業内最賃は141組合が回答を引き出し月額は92組合平均で16万8836円の水準となった。

[パート・非常勤等の賃上げ] これまでの生協労連、日本医労連、JMIU、建交労、全労連全国一般などに加え、自治労連から非常勤職員の賃上げ131件、民放労連5組合、出版労連4組合などの新たな報告が寄せられ、時間額や日額・月額アップの回答を引き出した。
 パートの時間額アップは175組合に急増し、全体平均は26.2円で前年同期(4/27現在=142組合平均21.8円)に比べて4.4円の引き上げになっている。個別には相変わらず10円、15円、20円の報告が多いものの、医療の専門職で100円、200円が見られ、自治体の一般事務で80円、同専門職で150円、マスコミ関係でも50円、100円などが見られ、全体平均を押し上げた。
 産別平均は、日本医労連の63.4円を筆頭に、民放労連の54円、出版労連の40円、JMIUの25.8円とともに、自治労連49組合平均28.2円の奮闘が注目される。
 平均引き上げ額が前年を上回った背景には、パートの労働力不足がつづき、地域別最賃・全国平均14円の引き上げ、パート時給1000円要求が社会的な認知を受けるようになってきたことなどが反映している。
 アルバイト・嘱託などの日額アップは59組合がかちとり、平均145.8円の引き上げ、契約社員・準社員などの月額アップは44組合がかちとり、平均1879円の引き上げとなった。いずれも自治労連の報告が多数を占めている。

[企業内最賃の回答・協定状況] 日本医労連、建交労運輸をはじめ、JMIU、化学一般労連、生協労連、全印総連、出版労連などの141組合が月額・時間額を中心に引き出した。
 うち、月額の引き上げを実現させたのは92組合中の18組合で、前年同額が73組合、減額が1組合見られる。なかでも、JMIUでは10組合中の8組合が月額750〜3000円の引き上げ、化学一般労連の組合の中には月額3500円引上げて15万1000円の産別最賃に到達したところがみられる。全印総連の2組合でも2500円、1100円引き上げている。日本医労連の看護師では5240円、5000円、2500円の引き上げが見られ、看護師最賃の平均月額は20万円を超えてきた。92組合の全体平均は16万8836円となり、前年比513円の引き上げとなっている。
 時間額を協定したのは107組合で、全体平均は969円となり、14.1円の引き上げになっている。日額では38組合が協定し、平均は7302円となり、22円の引き上げになっている。それぞれ金額改定はまだ少数で、同額での協定が多いのが実態である。

[今後のために] 以上のように、今回発表の前進面は自治労連とマスコミ関係単産がリードしたものである。春闘前段の要求討議や労働者の期待感から見ると、パート賃上げも企業内最賃も、今日の到達点は決して十分とはいえない。後半戦真っ只中、改めて、パート賃上げ、企業内最賃の強化を!



 


2008年 パート等の賃上げ状況

2008年4月21日

単産名 獲得組合数 時間額組合数 1組合あたり平均(単純平均) 改定後 UP額 UP率
新時間額 引上額 引上率 単組数 単組数 単組数
パート時給 全農協労連 2 0 0 0 0
  建交労 8 6 12.8 0 6 0
  JMIU 16 16 912 25.8 6.40% 2 16 2
  化学一般 2 2 810 1 0 0
  郵産労 1 0 0 0 0
  生協労連 59 52 732 7.7 0.60% 1 39 22
  全国一般 22 17 13.8 1.71% 0 15 9
  全印総連 4 2 10.0 0 1 0
  民放労連 5 5 910 54.0 5.06% 3 5 3
  出版労連 4 2 40.0 0 2 0
  日本医労連 24 24 1,025 63.4 9.53% 2 20 4
  自治労連 131 49 1,056 28.2 2.78% 44 49 44
  276 175 1,030 26.2 2.58% 53 153 84
  うち日給引上げ 59 7,603 145.8 1.54% 49 55 51
  うち月給引上げ 44 179,029 1,879 0.84% 26 39 33


 (注)、各項目とも報告のあった件数で除しているため、新時間額、引上額・引上率は各々連動していません。




2008年 企業内最賃改定状況

2008年4月21日

単産名 獲得組合数 月額組合数 1組合あたり平均(単純平均) 改定後 UP額 UP率
新協定 引上額 引上率 単組数 単組数 単組数
建交労(18歳) 21 21 174,143 0 0.00% 21 21 21
建交労(中型最賃) 9 0 0 0 0
JMIU 13 10 139,478 1,740 1.27% 10 9 9
化学一般 7 7 144,620 1,267 0.88% 5 3 3
合同繊維 1 0 0 0 0
生協労連 19 0 0 0 0
全国一般 3 2 157,100 1,000 0.66% 2 1 1
全印総連 11 7 159,857 600 0.37% 7 6 6
民放労連 1 0 0 0 0
出版労連 8 0 0 0 0
日本医労連(誰でも) 27 25 158,916 135 0.10% 25 20 20
日本医労連(看護師) 21 20 200,712 749 0.39% 20 17 17
月額・計 141 92 168,836 513 0.33% 90 77 77
うち日額 引上げ 38 7,302 22 0.33% 38 28 28
うち時間額 引上げ 107 969 14.1 1.54% 106 80 80


 (注)、(1)、建交労の企業内最賃は現在調査中です。
     (2)、各項目とも報告のあった件数で除しているため、新協定、引上額・引上率は各々連動していません。




 
 なくせ貧困、ストップ改憲! つくろう平和で公正な社会



国民春闘共闘情報