2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第 47 号  2008年07月18日

 

円卓合意の低水準ノー。せめて時給1000円を!

中央行動に全国2000人以上

 7・17第4次最賃・人勧デーを展開

 「最低賃金を1000円以上に引き上げろ!」「生活できる勧告を!」。08年度の最低賃金と人事院勧告が大詰めを迎えるなか、春闘共闘と全労連、公務労組連絡会は17日、東京・霞が関周辺で「第4次最賃・人勧デー」を実施。厚生労働省前で早朝から13人が「1000分のハンガーストライキ」を決行、120人が連帯して座り込みました。昼休みの「厚労省・人事院要求行動」には公務各単産の地方代表が全国から結集して2000人以上に膨れ、決意表明とリレートーク。午後は日比谷野音で「総決起集会」を開催し、灼熱の銀座デモでアピールしました。



怒りのハンスト1000分に突入!

 写真

 朝8時、厚生労働省前に「最賃時給せめて1000円」「怒りのハンスト1000分決行中」の横断幕が掲げられ、神奈川労連、千葉県労連、全労連のなかまが座り込みに突入。応援の単産・地方の代表らが次々駆付け、厚労省職員が出勤し始めるころ、ハンスト突入集会がはじまりました。(写真)
 主催者あいさつした井筒百子常任幹事(全労連パート・臨時労組連)は、成長力底上げ戦略推進円卓会議で合意した「高卒初任給水準」について、小規模事業所を対象にした最も低位の水準との均衡を勘案するというもので、しかも1年でなく、中期目標=5年もかけて到達するという政府・厚労省の姿勢を厳しく批判。「生活保護施策との整合性を明記した改正法のもとで、今年こそ時間額1000円を勝ちとろう」と呼びかけました。
 68.7時間のハンスト続行中で3日目を迎えた、かながわ生協労組の福田裕行委員長と神奈川労連地域合同労組の山下孝広書記長もマイクを握り、食費を削って働きつづける仲間の想い、貯金や住む家がないという生活相談の実態を告発しました。円卓合意の低水準中期目標について、山下書記長は、「一定の前進はあるが、本気さが感じられない。空腹感よりも怒りでいっぱいだ」と語っていました。
 要求行動の決意表明では、参加単産・地方の代表が、定年後再雇用された労働者、パートタイマー、公務職場の非常勤職員、タクシー労働者の実態などを紹介し、各々最賃の大幅な引き上げ、「せめて時間給を1000円に」と訴えました。



1分間の「要求リレー」に怒りの声

 正午を境に天候が一変。梅雨明けを思わせるような夏空となり、気温も急上昇。厚生労働省、人事院の前や、通りをへだてた日比谷公園側の歩道に、全国から結集してきた公務の仲間がぞくぞくと集まってきました。
 参加者が歩道を埋め尽くすなか、12時すぎから厚生労働省・人事院包囲行動がスタート。主催あいさつした小田川事務局長(全労連)は、「大企業は労働者を非正規に置き換え、日雇い派遣を使い、原材料高を下請に転嫁した。こうして奪い取った金をマネーゲームに使い、制御不能な状態に陥っている。最賃は低く、雇用は不安定なまま。この国の政府はいったい何をしているのか」と述べ、労働者・国民の生活を守る取り組み強化を呼びかけました。
 公務労組連絡会の浅野賃金・労働条件専門委員長が、人事院勧告をめぐる情勢について報告し、民間準拠にとどまらず、物価・生計費を考慮した給与勧告の必要性を強く求めました。浅野委員長は、「人事院は、労働基本権制約の代償機関としての役割を果たせ。今日の行動をバネにしてさらに奮闘しよう」と呼びかけました。
 官・民代表による決意表明で、民間労組を代表して全労連全国一般の大木委員長は、最低賃金が最低水準の青森の非正規労働者が、月9万円にもならない賃金で生活している例をあげ、「桝添厚労大臣は、国民の貧困をなくすため努力せよ。最低賃金を上げて労働者にまともな生活を確保しろ」と力強く訴えました。公務組合を代表して、宮城県国公の菊池副議長は、「早朝、バスで仙台を出発して上京してきた。一人一人の願いを書いた361枚の要求タペストリーを人事院に提出する。持ち家手当の廃止や本府省手当新設など、地方切り捨ては許さない」と述べました。  写真
 要求リレートークでは、民間・公務の7人の代表が宣伝カーの上に勢ぞろい。民間職場からは、生協労連、全国一般東京と通信労組の代表が発言。「NTTは職員の3割、約9万人が非正規。時給1000円以下が23%もいる」(通信労組・菅原中央執行委員)と説明し、ワーキングプアをなくすために、今すぐ最賃を時給1000円以上にすべきと訴えました。公務の職場代表は、「非常勤看護師は、正規に比べて3分の1の賃金、2分の1の一時金で、退職金はゼロだ。病院を廃止せず、正規と同じ賃金を出せ」(掛川市総合病院非常勤労組・落合委員長)、「教員は精神的にも肉体的にもエネルギーを使い果たしている。人事院は、教職員を激励するような給与勧告を出せ」(都教組・磯崎副委員長)、「郵政職場では非常勤は、時給800円から900円で働いている。とてもまともな生活はできない。均等待遇の実現を求める」(郵産労東京地本・瀬崎執行委員)、「県内のハンセン病棟に働く看護師が、患者に対して責任をもって看護できるような職場をつくれ」(中国ブロック国公・辻岡事務局長)など、1分間のリレートークには、短いながらも怒りの発言がつづきました。
 参加者は、全員に配られた「最低賃金引き上げ」などの要求を書いた特製の手ぬぐいを厚生労働省や人事院の方向にかざしながら、元気よくシュプレヒコールを繰り返しました。(写真左)



官民のパフォーマンスでたたかいを交流

〜 日比谷野外音楽堂の総決起集会で決意固め合う 〜

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 午後、総務省、財務省、厚労省の3個所で要求行動を繰り広げた参加者は、再び日比谷公園に合流し、午後2時から日比谷野外音楽堂で「なくせ貧困!最賃大幅引き上げ、公務員賃金・労働条件改善、公務・公共サービス拡充7・17中央総決起集会」を開催しました。
 主催者あいさつした坂内代表幹事(全労連議長)は、「格差と貧困が拡大し、地球環境そして人の心までが破壊されている。蟹工船が青年たちの共感を呼ぶなど新たな時代が始まろうとしている。要求と運動が政治を動かす情勢に確信を持ち、生活危機突破、最低生活保障の拡充めざしともにたたかおう」と呼びかけました。
 公務労組連絡会の黒田事務局長が情勢報告し、「燃料代の高騰などが生活と営業を直撃しているなか、政府に対して生活防衛の緊急対策を要求する。労働者には、生活改善をはかる賃上げが何よりも必要だ。最低賃金引き上げと公務員賃金改善のたたかいを一体に、今日の行動を新たな出発点に、職場・地域からたたかい抜こう」と訴えました。
 続いて、官民5単産からの決意表明・パフォーマンス。最初に全教が、「指導力不足教員」「人事評価制度」に関する申し立てに応えて4月に来日した調査団について「ILOユネスコ調査団がやってきた」と題する寸劇を披露しました。本部役職員による舞台は、連日の稽古の成果がいかんなく発揮され、会場からは盛んな拍手が送られました。
 大阪自治労連の仲間は、「強きを助け、弱きをくじく大阪維新プログラム」を痛烈に批判し、「大阪残酷物語」と題するそのパフォーマンスでは、目立ちたいがために映画まで撮る橋下知事という設定で、うわべの「人気」だけを背景に強引に「改革」をすすめる知事を、庶民の力で見事やっつけました。
 国公労連は、ブロックや県国公の代表が次々に訴える「全国からの叫び」です。「燃料費高騰のもと生活守る賃上げを」(北海道)「霞が関の長時間労働をやめさせよう」(東京)「地方で国の責任を放棄するな。いらないのは米軍基地だ」(沖縄)など、現場の要求とたたかう決意が次々に語られました。(写真)
 公務に負けるなと民間組合もパフォーマンスを披露、全労連・全国一般は、舞台に各単組の組合旗が並ぶ中で、林書記次長が公務の委託職場の現状を告発しました。また、生協労組は、全国から参加したパート労働者が、お国言葉も使って最賃引き上げへ向けた決意を表明しました。
 最後に、閉会のあいさつに立った公務労組連絡会の大黒議長は、「暑い夏のたたかいを、最賃・人勧ともに前進できるよう力を合わせてたたかおう」とのべ、全体で団結ガンバローを三唱して、灼熱の銀座パレードに出発しました。



  




 
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