雇用破壊は許さないぞ!
全労連・国民春闘共闘などが決起集会
各地で反撃へ。組織化もはじまる
全労連・国民春闘共闘と東京地評は12月18日夜、エデュカス東京で「『派遣・期間工切り』、雇用破壊は許さない!」と訴える緊急の決起集会を開きました。集会には、19団体9地方の代表をはじめNHK・民放TV局や新聞記者を含め87名が参加しました。
あいさつした大黒作治代表幹事(全労連議長)は、日本経団連の「経労委報告」09年版について、「トヨタをはじめ、名だたる大企業で『非正規切り』が行われていることにまったく言及せず、まるで他人事のようだ」と批判。いすゞやキヤノンで組合加入が相次いでいることにふれ、「小説『蟹工船』の現代版を見る思い。限りない激励と支援を」と述べました。
小田川義和事務局長は、雇用問題の深刻化が予想される情勢への対応について、「労働相談で終わらず、たたかいに立ちあがっているのが特徴」で、「たたかいながら情勢を作っていく構えが必要」と述べ、安易な首切りを助長する労働者派遣法の抜本改正を求める運動と結合して取り組むことを提起しました(写真)。
「派遣・期間工切り」とたたかう地方・単産
交流・討論では、「派遣・期間工切り」とたたかう地方や単産代表が次々発言に立ちました。
埼労連の柴田事務局長は、厚労省が解雇者数を3万人と発表していることについて、埼玉では150人しかカウントされていないが、実際には700人以上を掴んでいる。全体でも数倍になるのではないかと指摘したうえで、理不尽な雇い止め通告を受けた労働者が「何とかしたい」と個人加盟の地域労組に入って立ち上がったと紹介。派遣会社と交渉して、引き続き寮にいられるようにさせた取り組みを報告しました。
広島県労連の尾野議長は、マツダを雇い止めされた派遣労働者が労組に入り、派遣会社と団体交渉を重ねていると報告。住居や再就職先をあっせんする回答を得たことを紹介しました。
愛労連の榑松議長は、トヨタ自動車本体と下請けでの雇い止め問題を告発しました。外国人研修生や期間工などを低賃金で最大限活用して、ヒトも部品もジャストイン・タイムで大儲けを上げてきたトヨタ方式を批判。「トヨタの生産量に合わせたら、非正規を切らざるを得ない」という下請企業の実態も紹介し、問題はトヨタ本体だと指摘しました。23日には名古屋市内などで、「労組に入ってたたかおう」と呼びかけ、トヨタの社会的責任を追求していくと述べました。
JMIUの生熊委員長は、いすゞ自動車での契約の中途解除問題を告発。「労働組合を訪ねて相談したいが、電車賃すら手元にない」という期間工の実情を紹介しながら、偽装請負として働かせてきたのだから、会社には直接雇用の義務があると指摘。期間制限を超えた場合には直接雇用を推奨するとの厚労省通達(11月)も活用して雇用を守らせていくと述べました。
建交労の角田書記次長は、失業者対策や雇用創出の運動を進めてきた歴史的な経験をふまえ、法律・制度活用の必要性を訴えました。失業者救済に関わる政府要求では、@雇用保険の「求職者給付」の受給資格期間の短縮、給付日数の延長、A知られていない「求職手帳」制度を広く周知し、積極的に活用し、中高年齢者等の常用就職をはかっていくこと、B雇用保険切れの求職者に対して職業訓練を実施し、その間、訓練手当を支給することなどを挙げました。雇用創出に関わっては、公的就労対策を実施し、所得保障と労働能力の保全をはかりながら、常用雇用化をはかっていくこと。自治体が実施する同様の公的就労対策などに国の「特別交付金」を助成することなどを求めました。
集会では、労働総研代表理事の牧野富夫日大名誉教授が「経労委報告を斬る」と題して講演し、破たんした「構造改革」路線(言葉は見えないが…)の継承・新展開をねらい、「100年に一度の危機」などと宣伝していると指摘。09春闘に向けた日本経団連の身勝手な賃金・雇用政策を厳しく批判しました。
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