2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第 4 号  2009年11月12日

 

私たちの未来を切り開こう

不況打開、なくせ貧困、雇用の確保を

 11.8国民大集会に全国から3万5000人 

 不況打開や雇用確保など国民のさまざまな要求実現を新政権に迫っていこうと11月8日、「新しい未来へ! 11・8国民大集会」が東京都・代々木公園で開かれました。全労連、全商連や国民春闘共闘など中央・首都圏の30団体で構成する同集会実行委員会が主催したもので、全国から3万5000人が参加。集会後は会場周辺の繁華街をデモ行進しました。(写真)

 写真
 あいさつした全労連の大黒作治議長(国民春闘代表幹事)は、鳩山首相について「命を大切にする政治」を表明するなど自公政権とは異なる姿勢を示しているとしつつも、沖縄県の普天間基地移設問題では閣僚の県内移設発言を容認しているなど問題点を指摘。国民生活は景気回復の遅れによって深刻な実態にあり、「鳩山内閣は国民の要求と切実な声に耳を傾け、国民生活を立て直すためにリーダーシップを発揮してほしい」と訴えました。
 反貧困ネットワークの宇都宮健児弁護士が連帯あいさつ。雇用情勢の悪化で炊き出しに並ぶ失業者などは昨年の2倍になっているなど「このままでは昨年以上に危機的状況になる危険がある」と述べ、年末に向け「政府・自治体が一丸となって取り組みを強化する必要がある」と強調しました。
 日本共産党の志位和夫委員長も「年越し派遣村のような事態をくり返さないことは政治の重大な責任だ」と訴えました。各界の決意表明では、非正規労働者、外国人労働者、年金者、中小業者、医師、農民、女性、沖縄県民、学生の代表が発言。米軍基地の県内移設に反対して同日、県民大会を開いた沖縄県からの参加者は「(県内移設をすすめようとする)日本政府や米軍の態度は断固として許すことはできない」と述べ、「基地撤去の声を大きく広げていこう」と呼びかけました。

〈参加者の声〉政治に「愛」を。何よりも雇用を

 NHK大河ドラマの主人公、直江兼続の「愛」の字をあしらった兜をかぶって参加したのは山形県・米沢民主商工会のメンバー。高橋徳雄会長は「景気が悪くて建設や建築関係は仕事がなく、製造業が多い町はもっと厳しい。派遣切りや正社員切りが加速している。政治に『愛』が欲しいね」と語りました。
 茨城県から50人で参加した年金者組合の女性は「民主党は政権を取るまでは後期高齢者医療制度をすぐに廃止すると言っていたのに、今になって先延ばしを言い出している。そんなことは困る。この制度になって、保険料が年金から天引きされるのが何よりつらい」と話します。
 長野県から参加した松尾伸吉さん(60)は「来春、高校を卒業する息子も就職先が決まらず、やむなく専門学校への進学を決めた。今は何よりも雇用を増やしてほしい」と訴えました。
 <御礼> 当日の会場カンパは、163万円余が寄せられました。ご協力ありがとうございました。




緊急の仕事おこし、雇用創出を

9日、業者と労組が共同で関係省庁・議員要請

 全労連・春闘共闘と全商連は9日、緊急の仕事おこしと雇用創出、中小業者への支援などを求めて関係省庁と国会議員への要請行動を実施。関係単産代表や11.8国民大集会に参加した地方代表を含め130人が参加しました。関係省庁の担当者は、民主党のマニフェストを念頭に、一部積極的な施策や見解を示しました。

 国会内で開かれた意思統一集会で、主催者あいさつした全労連の大木寿副議長(全労連全国一般委員長)は、組合がある約500職場の4割が赤字経営で、解雇や賃下げが出ていることを紹介しながら、「世論と運動で働く者や中小業者の切実な願いを実現しよう」と呼びかけました。日本共産党から大門実紀史参院議員が連帯あいさつし、国会情勢を報告するとともに、中小企業支援、雇用・労働対策、公契約運動の前進へ、ともにたたかう決意を述べました。

各省庁、「民主党のマニフェストにあるので…」

 金融庁要請には伊藤圭一常任幹事ら11名が参加。@貸し渋り・貸し剥がしの是正、A中小企業金融の円滑化、金融検査マニュアルの改善などを要請しました。対応した担当者は、「現在、金融円滑化法案が審議されているが、返済条件の変更等の申し込みがあった場合、応じる努力をするよう求めている」「金融円滑化法案ができれば、『金融検査マニュアル』の改定とともに、体制も整備し、制度の拡充をはかりたい」と回答しました。

 公正取引委員会要請には大木寿全労連副議長ら18名が参加。@下請取引の適正化、A「下請いじめ防止法」の制定などを要請しました。対応した担当者は、下請代金法違反の損害賠償について「米国クレイトン法の被害額の3倍は、我が国の法体系がそうなっていない」と否定的。下請法違反をなくしていくために、「予算の増額、(検査官などの)増員要求を出している」と回答しました。個別問題では、出版ネッツや東京・大田区、岡山県、兵庫県の代表らが、印税形式の支払い、買いたたきや値引きなどの事例・問題点を説明して、当局の見解をただしました。

 中小企業庁要請には、公取委メンバーがひきつづき参加。@仕事おこしと雇用創出、A貸し渋り・貸し剥がしの是正と中小企業金融の円滑化、B下請取引の適正化と「下請いじめ防止法」、C官公需の入札方法の改善などを要請しました。対応した担当者は、「生活道路の整備や太陽光発電などの施策は緊急雇用対策に基づいてやっていく」「特別信用保証の復活はマニフェストにあるので検討する」「10月30日に中小企業向け年末対策を取りまとめ、資金繰りなどに対応している」「(官公需で)適正な労働条件確保は安全対策上からも盛り込まれている」などと回答しました。個別問題では、福岡県、愛知県、兵庫県、岡山県、東京・大田区、建交労などの代表が問題事例を紹介して、当局の見解をただしました。

 緊急のものづくり支援について、「家賃補助は難しい」と否定的。一方で「大田や東大阪を守ることは重要。新技術の支援をしているが、地域経済の視点から、自治体と一緒に何をするか検討して具体化したい」と述べました。






 




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