第 12 号 2010年01月18日
賃上げ・雇用確保で内需拡大、景気の回復を
第1回単産・地方代表者会議で2010年春闘方針を確立
国民春闘共闘委員会は1月12日、全労連会館ホールで第1回単産・地方代表者会議を開催し、2010年春闘方針を確立しました。会議には、23単産団体・10地方から81人が参加。「変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を」のスローガンのもと、新政権下で初めてとなる春闘を意気高くたたかう決意を固めあいました。
主催者あいさつした大黒作治代表幹事(全労連議長)は、政府と財界について、外需頼みの経済に反省なく、労働者と中小企業にコスト削減などを押しつけ続けようとしていると批判。大企業に内部留保の還元を迫り、「賃上げと雇用確保による内需拡大で景気を回復させる大義を掲げ、たたかいを発展させよう」と呼びかけました。また、財源を口実にした消費税率引き上げを許さず、大企業などの優遇税制と軍事費にメスを入れる世論をつくろうと強調。政治の変化を要求実現のチャンスにして奮闘しようと訴えました。
小田川義和事務局長(全労連事務局長)が「2010年春闘方針案」を提案。「雇用守れ、仕事よこせの運動」、賃上げによる内需拡大、社会保障の拡充の3つの課題と、憲法改悪反対・核兵器廃絶などの共同の運動を強め、「目に見え音が聞こえる春闘」にしようと提起。「だれでも月額1万円以上」「時給100円以上」の賃上げと、非正規労働者の均等待遇、労働者派遣法の抜本改正や最低賃金の時給1000円への引き上げなどの要求をかかげ、職場・地域からたたかいを展開することを呼びかけました。
討論では、賃上げや雇用確保のとりくみについて、「ダイハツの工場閉鎖・配転計画反対の運動を広げ、労働者の雇用確保を実現させた」(大阪)、「要求してこそ経営者は雇用、くらしを守る責任を自覚する。賃上げでこそ内需拡大できる」「内部留保の国民への還元の具体化について研究を」(JMIU)、「1万円以上の賃上げ要求を積極的に取りに行く。メンタルヘルス予防協定の全支部締結をめざす」(化学一般労連)、「宮城のある会社では、工場閉鎖の提案がされたが、組合側が独自に経営を分析し、会社は毎年黒字であり内部留保も確保している事実を指摘し、撤回に追い込んだ」(全労連全国一般)、「デフレはうれしいという声がある一方、このデフレは異常だ、働く人の生活はどうなっているのかという声もある。ここに依拠してたたかいを広げる」(生協労連)などの発言がありました。
「社会保険庁の分限免職に不服申し立てをしてたたかう。老後の安心を守る人員確保を求めていく」(国公労連)、「住民サービスを守る運動と地域から労働者の賃金底上げをはかっていく」(自治労連)、「多すぎるタクシーを減らせと、全国統一ストを呼びかける。たたかって、自分たちの力で要求を実現していく」(自交総連)、「仕事と生活の両立支援のため、法を活用しようとパンフレットを作成した。法を上回る協約に対する自治体などの攻撃に対し、官民共同してたたかっていく」(全労連女性部)、「2月からの地域総行動を重視し、毎週1回の宣伝を実施する。できることは何でもやる」(東京)、「郵政民営化は見直しの方向だが、株式会社でなく、公社として位置付けるべき。非正規問題を重視し、スト権を確立してとりくみたい」(郵産労)など、大企業や行政当局の不当な動きに抗してたたかう決意が力強くのべられました。
最後に討論のまとめに立った小田川事務局長は、最賃闘争について、労働者側の構えを確立することを提起。最賃時給1000円実現の署名に全力をあげようと呼びかけました。また、公的部門の需要拡大で雇用を生み出し、地域経済の好循環につなげるとりくみの重要性についても強調。「労働者のがまんも限界にきている。賃上げ闘争は単産だけでなく、地域の雇用を守るたたかいと連帯しない限り、展望は見えてこない。昨年以上にとりくみを強め、『目に見え、音が聞こえる春闘』をたたかおう」と呼びかけました。
このあと「2010年春闘方針」を満場一致で確認し、「春闘闘争宣言」を採択。国分博文代表幹事の音頭による「団結ガンバロー」で会議を締めくくりました。
変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を
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国民春闘共闘情報
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