2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第 16 号  2010年02月15日

 

なくせ貧困、守ろう雇用とくらし

―2・12中央総行動 全国から7000人―

 早朝には雪が舞う冷え込みとなった12日、「国民要求実現2・12中央総行動」がとりくまれ、首都圏を中心に全国から7000人が参加しました。午前中の厚生労働省前行動から日比谷野外音楽堂での中央集会、各省前要求行動、国会請願デモと続いた終日行動で、国民生活の深刻な実態を告発し、内需の拡大で景気回復をはかる政策への転換を訴えました。




 写真  この中央総行動は、全労連・国民春闘共闘も参加する共同実行委員会が主催したものです。
 日比谷野外音楽堂では、2波にわたる中央集会が開催されました。

 正午から始まった第1波集会では、主催者を代表して国民春闘共闘の大黒代表幹事(全労連議長)があいさつ。「賃金や雇用の改善を思い切ってすすめ、内需主導の経済に切り替えなければ景気は回復しない」「大企業は内部留保を使って社会的責任を果たせ。これが国民の声であり、願いだ」と強調しました。
 国会からは日本共産党の小池晃参院議員がかけつけ、激励あいさつ。社会民主党からは又市征治参院議員からメッセージが寄せられました。

 続いて、各団体の代表が次々に登壇し、リレートークを行いました。
 建設首都圏共闘の瀬田宗一議長は、東京土建が実施した賃金・生活実態アンケートで、くらしが「厳しい」と答えた人が93%に上ったと報告。「まさに本日のスローガン通りだ。官民の人たちが共同して、働くものの幸せと未来をめざそう」と訴えました。

 全労連女性部など、女性の代表がにぎやかに登壇し、「男女の賃金格差は66%」「オー、ノー!」と、被り物も活用した楽しいパフォーマンスで、深刻な格差の実態を訴えました。

 自治労連の山口祐二副委員長は、アンケートをはじめ、たゆまぬ運動の積み重ねで、非正規労働者の賃金を大幅に改善した京都府職労のとりくみを報告。政府の進める財源保障ぬきの「地域主権改革」は、国民生活の切り下げにつながると批判しました。
 全労連全国一般からは、資生堂アンフィニ分会の池田和代分会長と露木美香書記長が登壇。「口紅を作るという同じ仕事で派遣から請負になり、最後は首を切られた」と告発し、派遣法の抜本改正など働くルールの確立を求めました。
 東京・大田民主商工会の小林六郎特別常任理事は、下請単価が9000円だったのが4000円を割っている実態を紹介し、「産業空洞化で、日本のモノづくりの基盤が薄れている。低単価をなくすためにも内部留保の活用を」と訴えました。
 富山県農民連の水越清三書記次長は、富山県はチューリップ生産日本一だが、「自給率向上に役立たない」という理由で補助が減らされてきたことを指摘しつつ、政府による水田耕作助成金の削減を当面撤回させたことを報告しました。
 東京医労連ヘルパー協議会の米沢哲事務局次長は、介護報酬のプラス改定でも労働環境がほとんど改善していない実態を紹介。民主党が掲げた介護労働者の賃上げ4万円の公約実現とともに、仕事のやりがいを取り戻すため、「利用者に寄りそった介護と社会保障の実現を」求めました。

 公害地球懇・COP15代表団の橋本良仁団長は、「地球温暖化の防止は待ったなしだ。温室効果ガス25%削減の公約を果たすよう要求したい」と訴えました。

 リレートークの後、各団体の青年部など若者が旗をもっていっせいに登壇。全労連青年部・野村昌弘書記長の音頭で、「なくせ、貧困!」「守ろう、暮らし!」と刷り込んだパネルを掲げつつ、力強くシュプレヒコールを響かせました。
 国公労連の高木晃人中央執行委員が集会アピールを提案し、満場の拍手で確認。全日本民医連の長瀬文雄事務局長が閉会あいさつ。参加者全員で「団結ガンバロー」と寒空にこぶしを突き上げ、集会を締めくくりました。

 中央集会をはさんで、午前・午後と厚生労働省、総務省、財務省、内閣府、農林水産省前でそれぞれ要求行動を展開。午後2時には再び日比谷公園霞門に集合し、国会へ向けてデモ隊が出発。「労働者派遣法を抜本改正しよう」「後期高齢者医療制度は直ちに廃止しろ」「公務員に労働基本権を保障しろ」など、元気にシュプレヒコールしながら行進しました。野外音楽堂では、これと並行して建設首都圏共闘が主催する第2波集会が開催され、各分野から多数が参加しました。






 
 変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を 




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