2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第 19 号  2010年03月09日

 

大企業は内部留保を還元せよ

―トップ10企業申入れ行動(その2)―

 3月5日、全労連・国民春闘共闘委員会は、内部留保額トップ10の大企業に対し、巨額の内部留保を労働者と中小企業に還元し、社会的責任をはたすことを求める申入れ行動を実施しました。今回はキヤノン、本田技研工業への申入れについて掲載します。(日産、ソニーは第18号にて既報。トヨタ自動車は本日実施のため、後日掲載予定)




 キヤノン 

コメントなく 『しかるべき経営陣にお渡しします』

 5日午前に行われたキヤノン株式会社への申入れには、全労連から根本副議長、高山組織部長、東京春闘共闘から柴田事務局次長が参加。キヤノン側は人事課長が対応しました。

 根本副議長は、申入書を手渡したうえで、キヤノンの内部留保額は国内第7位の4兆1000億円に上ること、この内部留保の1%を取り崩すだけで、年収300万円の労働者1万3000人以上の雇用増が可能になることなどを具体的に示し、経団連会長企業としての社会的責任をはたすよう求めました。

 これに対しキヤノン側は、「要請書そのものは確かに受け取りました。しかるべき経営陣にお渡しします」とのべ、申入書の内容についてはコメントを避けました。

 要請団が、コメントできないのであれば文書回答をと求めたのに対しても、「回答するかどうかも含め検討する」など、いっさい口をつぐむという態度でした。



 本田技研工業 

社会貢献は「黒字による税の支払いで」

 本田技研工業株式会社への申入れには、国民春闘共闘・渡辺事務局次長(全労連事務局次長)、国公労連・上野中執、東京春闘共闘・寺下事務局次長、全労連・東郷事務局員が参加。ホンダ側は総務部が対応しました。

 冒頭、渡辺事務局次長が申入れの趣旨について簡潔に説明した後、要請団は「貴社の内部留保額は国内第4位の7兆円。この1%を取り崩すだけで、2万3000人もの雇用を生み出すことができる」「日本のリーディングカンパニーとして、イニシアチブをとってほしい」と訴えました。これに対しホンダ側は、「黒字を出して税金を納めることで社会貢献する」とのべるにとどまりました。

 要請団は、ホンダをはじめ、この間の企業業績の上方修正の要因としてエコ減税効果があることを指摘し、この点からも利益の社会的還元が求められると強調しました。また、下請中小零細企業に対し適正単価を保障し、単価たたきを行わないよう求めました。
 このほか要請団は、ホンダが増益予想の中、2011年度の採用について14年ぶりに600人を割り込む計画を発表したことなどをあげながら、「若年層はとくに雇用が深刻な状況だ。採用枠の拡大による社会貢献を」と訴えました。

 ホンダ側は、「海外生産比率がかなり高く、影響を受けやすい」「若年層に『車離れ』が進んでおり、販売でも苦心している」などと答えました。

 最後に渡辺事務局次長は、「日本を代表する企業として、CSR(企業の社会的責任)の観点に立って社会的還元をしてほしい」と再度強調し、要請行動を終えました。






 
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