2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第 24 号  2010年03月19日

 

全国21万人がストなど決起

―春闘要求実現へ、『3・18全国統一行動』を展開―

 全労連・国民春闘共闘は18日、前日の集中回答を受けて「3・18全国統一行動」にとりくみました。「ベースアップゼロ・定昇のみ」「定昇凍結」など、労働者の生活改善要求を顧みない不誠実な「回答」続出に抗議し、ストライキや時間内外の職場集会、地域宣伝・決起集会などに官民20単産・47都道府県で21万人が立ち上がりました。




 通信労組  全国162事業所で425人がスト決行

 写真  通信労組は18日、前日のNTTグループ各社の「ゼロ回答」に抗議し、全国35都道府県、162事業所で425人の組合員が始業時から10時までストライキを決行しました。
 厳しく冷え込んだ早朝、東京・大手町のNTT持株会社前に、激励にかけつけた単産・地域の仲間もあわせ約100人が集結し、ストライキ突入決起集会を開催しました。

 主催者あいさつで通信労組の山田委員長は「通信労組はNTTに対し、いっかんして内部留保を取り崩せと要求してきたが、これがいよいよ最大のテーマになってきた」と指摘。NTTが日本一の営業利益をあげ、この1年間で7573億円、総額で9兆6000億円もの内部留保をため込みながら、賃上げを拒否し、北海道のグループ会社で契約社員の派遣社員化を強行していることを厳しく批判しました。

 激励の連帯あいさつに立った全労連の生熊副議長(JMIU委員長)は、新聞各紙の報道を引きながら「定昇確保というが、これは就業規則で初めから決められていること。企業の人件費の総額は変わらない。これで景気はよくなるのか。(ベアを要求しない)労働組合はその役割を果たしたといえるか」と指摘しました。与党らが国会提出を準備している派遣法改定案について、運動の力で「事前面接解禁」を削除させたものの、製造業派遣・登録型派遣の禁止については「大穴が開いたままだ」と批判。内部留保について「企業は『もしものために』というが、その『もしも』が今だ。労働者に還元し、リストラをやめさせるために全力でたたかおう」とのべました。

  「(連合大手が)定昇のみで賃上げを要求しないのは、職場から要求を結集していないということ。賃金引上げ、内需拡大のためにがんばろう」(東京地評・伊藤議長)、「国公労連は1992年から内部留保問題を取り上げてきた。第一生命の研究所レポートでも『雇用拡大にまわせ』といっている」(国公労連・川村副委員長)、「建設関係の中小企業は仕事がない。日本経済はお金が回らない異常なシステムになっている。賃上げ以外に打開の方策はない」(建交労・藤好副委員長)、「保健室の養護教諭の調査では、虫歯が20本もあっても医者に連れて行ってもらえない子がいる。親が安定して働けるよう派遣法の抜本改正、最賃引上げの実現を」(全教・高橋中執)、「リスクの高い金融商品の販売ノルマを契約社員に押しつけ、成績が悪いと更新しないという問題を国会でも取りあげ改善させた」(金融労連・村上中執)など、力強い激励のあいさつが続きました。

 東京支部の代表などが交渉の状況報告とたたかう決意を表明。最後に全員のシュプレヒコールで「内部留保を取りくずし、賃上げにまわせ」「50歳退職・再雇用制度をやめろ」と唱和しました。



 郵産労  郵政ユニオンと統一スト

正社員化・生活労働条件改善かかげ

 「日本郵政は正社員化と均等待遇を実現せよ、誠意ある回答を行え」―。
 春闘要求実現に向け郵政産業労働組合(郵産労)は、郵政労働者ユニオン(郵政ユニオン)と統一して全国31事業所でストライキに立ち上がりました。
 東京・霞が関の日本郵政株式会社(本社)前で開いたスト突入共同集会には、両組合の組合員と支援の労働者約200人が結集。「スト決行中」の看板や横幕、林立する組合旗を前に、山崎清郵産労委員長と須藤和広郵政ユニオン書記長が主催者あいさつを行いました。

 山崎委員長は郵産労が10拠点17職場でストに決起していることを報告。「郵政ユニオンと春闘要求を統一し5回の交渉を積み上げてきたが、まともに回答しようとしていない」と日本郵政の対応を批判。「会社は契約更新を3年以上繰り返している12万1000人の正社員化へ具体的道筋を示す責任があり、均等待遇の要求にも誠意をもってこたえるべき」と強調し、「郵政関連労働者の生活と労働条件を守り、国民本位に郵政民営化を見直すために全力をあげる」と表明しました。

 写真  国民春闘共闘の大黒作治代表幹事(全労連議長)、全労協の藤崎良三議長、国公労連の宮垣忠委員長、全国一般全国協議会の遠藤一郎書記長が激励あいさつ。大黒議長は「賃上げと最賃の改善、内需拡大に向けたたたかいがヤマ場を迎えようとしている。大企業は社会的責任を果たせの声を広げ、ねばり強く要求実現を迫ろう。日本郵政での正社員化の国会答弁を現実化させよう」と呼びかけました。

 中央交渉の経過を郵産労の日巻直映書記長が報告。スト拠点支部の代表4人が決意表明しました。
 郵産労銀座支部の藤田隆文書記長は「昨年12月、郵産労組合員の転落事故死が起きた。労働安全衛生の事業者責任を支店は認めようとしていない。労働者一人ひとりが大切にされる職場をつくるためにも春闘をたたかいい抜く。ストライキをバネにさらに奮闘する」と表明しました。

 両労組中央闘争委員会が発したストライキ宣言を確認。「大幅賃上げ、非正規社員の正社員化、均等待遇をかちとるぞ」「郵政民営化抜本的改正を勝ち取るぞ」「全国の仲間、支援の仲間とともに統一ストでたたかうぞ」とのシュプレヒコールが霞が関に響き渡りました。



 建交労  賃上げ、正社員化実現し、安全安心輸送の確立を

 建交労鉄道埼玉地方本部はこの日、半日ストライキを実施。さいたま市のJR大宮駅西口での突入集会には、100人の仲間が集まりました。
 JR東日本に対し、月額3万4000円の賃上げや非正規雇用労働者の正社員化、安全・安心輸送の確立、JR採用差別事件の解決などを求めました。

 主催者あいさつで、大崎委員長は「JR東日本は経費削減で安全を軽視し、駅業務を委託化している。鉄道利用者のいのちを守るためにがんばろう」と訴えました。
 激励にかけつけた国民春闘共闘の渡辺事務局次長(全労連事務局次長)は、「この春闘は労働者や中小企業の犠牲で内部留保をためこむ大企業の横暴を規制し、ゆがんだ日本経済をただす機会だ」と強調しました。

 このほか、全労連全国一般も一部でストを実施。出版・放送などの労組で構成するMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)は都内で夕方デモを行いました。地方では、扇町公園で大集会を開催した大阪をはじめ、全都道府県で終日行動にとりくみました。






 
 変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を 




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