第 31 号 2010年04月22日
安定した雇用と生活を
4・21国会集中行動 全国からのべ2000人
派遣法抜本改正、最賃引上げ、後期高齢者医療廃止など求め
4月21日、全労連・国民春闘共闘は、東京春闘共闘と共同で「4・21国会集中行動」を実施しました。全国からのべ2000人以上が参加し、派遣法抜本改正、最賃大幅引上げ、後期高齢者医療制度の即時廃止などを求め、厚労省や国会前の集会、議員要請、学習決起集会など終日行動を繰り広げました。
厚労省前 400人が集結
東京で今年初めて夏日を記録したこの日、午前中から厚生労働省前に400人が参加し、要求行動を行いました。
国民春闘共闘の小田川事務局長(全労連事務局長)が主催者あいさつ。「後期高齢者医療制度廃止の先送り、派遣法改正案のごまかしなど、民主党政権の厚生労働行政には不信をもたざるを得ない。要求実現に向けて、自公政権時以上に運動を強めることが必要だ」と強調しました。
各労組によるリレートークでは、「派遣や委託の労働者に『結婚できない』という声が広がっている。最賃引上げへがんばりたい」(生協労連)、「細切れ契約のニーズがあるのは労働者ではなく企業だけ。労働者を保護する派遣法を望む」(JMIU)などの発言が続きました。東京公務公共一般の代表は「自治体の非正規労働者には契約の更新回数限度があり、3〜5年で理由なく解雇されている」と告発。年金者組合の代表は「高齢者の貧困率は全体平均(17%)を大幅に上回る24%で、4人に1人。自殺者の3割が65歳以上だ。これを現役のみなさんの未来にしないために全力でがんばる」と決意を表明し、大きな拍手に包まれました。国民春闘の伊藤代表幹事(東京春闘代表委員)は閉会あいさつで「不安定雇用を許すかどうかは、労働者・国民と財界・大企業との最大の対決点。内需拡大による景気回復をめざし、いっしょに大きな世論をつくっていこう」と呼びかけました。
集会の最後に、厚労省の建物に向き直り、参加者全員でシュプレヒコール。「製造業派遣、登録型派遣は全面禁止しろ」「最賃時給1000円以上に引き上げろ」「後期高齢者医療制度はすぐに廃止しろ」と元気よく声を響かせました。
議員会館前 1000人が唱和
昼の衆院議員会館前の集会には、国民大運動や生存権裁判の原告・支援団体なども含め約1000人が集結。沖縄・米軍普天間基地の即時無条件撤去を求める横断幕などがズラリと並びました。全日本民医連の吉田副会長が主催者を代表してあいさつ。「鳩山政権に対する私たちの運動がなければ、要求実現は一歩も進まない」と力を込めました。
つづいて各団体の代表らが決意を表明。「後期高齢者医療制度の廃止に全力」(年金者組合)、「子どもの命をないがしろにする保育制度改革は撤回を」(保団連)などと訴えました。
共産党から佐々木衆院議員が参加し連帯あいさつ。派遣法改正案について「製造業派遣・登録型派遣は原則廃止≠ニうたっているが、8割が例外とされている。これでは原則容認≠ニいわざるをえない」と批判しました。国民春闘の黒田常任幹事(国民大運動事務局長)が行動提起。集会の締めくくりに、議員会館に向けて全員でシュプレヒコールを行いました。
集会に引き続く議員会館前宣伝・座り込み行動では、派遣切りに遭いながらたたかう仲間をはじめ、行動参加の一人ひとりが現場の実態を切々と訴え。汗ばむ陽気で議員会館の窓も多数開いており、絶好の宣伝・訴えになりました。
8割例外≠フ派遣法案 『このままでは救われない』
午後には課題別に分かれ、派遣法抜本改正、最賃引上げ、生活保護の老齢加算復活、「国会改革」関連法案反対などを求めて議員要請や決起集会を行いました。
15時からは、衆院議員会館内で「これでは救われない、派遣切りもなくならない、審議を尽くし、労働者派遣法の抜本改正を求める院内集会」(全労連・労働法制中央連絡会主催)が開催されました。開会あいさつで生熊闘争本部長(全労連副議長)は、政府の改定案について「年越し派遣村」を繰り返さないなど、世論が求めた抜本改正にはなっていないと指摘。「強い怒りと派遣の仲間の悲痛な叫びをたばね、大きな世論で法案の修正をかちとろう」と呼びかけました。
現場からの報告では、いすゞ自動車藤沢工場を「派遣切り」された三浦さん(JMIU) (写真) が「製造業では、2カ月契約の繰り返しでも1年以上の雇用見込みがあれば(「常用型」として)派遣してもよいことになっている。これでは私たちは救われない」と訴え。
日産自動車に期間制限のない「専門業務」として派遣されていた阿部さんは、現場での違法派遣の横行を告発し、「私たちが声を上げ、労働者を守る改正にしたい」と語りました。
このほか、コンビニ加盟店ユニオンの仲間が飛び入りで参加し発言。「私はコンビニ(セブンイレブン)の2階に住み、15年契約で働いている。現状ではアルバイトに時給1000円を払うのはとても無理。今日はフランチャイズ法をつくろうと、議員を呼んで集会を開くためにここにきた。この法律が実現すれば時給1000円も達成できると思う」とのべ、連帯の意思を表明しました。
集会には初めて、日本弁護士連合会(日弁連)が宇都宮健児会長名のメッセージを寄せたほか、日本共産党の小池議員、自由法曹団の菊池団長が連帯あいさつしました。
集会に先だって行われた議員要請行動でも、「これでは救われない」「派遣切りはなくならない」という訴えに、議員や秘書の反応にも変化が生まれてきたことが報告されています。
最賃引上げを政治の焦点に
派遣法改正を求めるとりくみと並行して、衆院議員会館では全労連・国民春闘共闘、東京春闘共闘の共催で「最賃闘争決起集会」を開催。先に「最低生計費調査報告」を発表した東北ブロックをはじめ全国から111人が参加し、座る椅子がなくなるほどの盛況でした。
国民春闘・小田川事務局長の主催者あいさつに続き、国民春闘・伊藤常任幹事(全労連調査局長)が情勢報告と行動提起。「大企業・財界は、最賃の引下げまで主張してきたが、労働者と国民のたたかいで、この3年間で全国平均40円の引上げをかちとった」と強調。「各政党も最賃引上げを公約している。参院選を目前に控えたいまこそ、政治の焦点にしていこう」と呼びかけました。
生協労連の代表は、「最賃運動のマスコットキャラクターをつくり広げている。毎月議員要請を行っている」と発言。全労連全国一般の代表は「中小企業では、フルタイムで働いても生活保護基準以下だ。中小業者支援と一体の最賃引上げで、業者とも懇談を広げている」とのべました。
「介護職員は大卒5年目でも月収10万円程度。最賃が上がれば抜本的に引き上がる」(福祉保育労)、「最賃時給1000円を実現すれば、自治体労働者の初任給も引き上がり、全体の底上げにつながることが理解され始め、署名も広がっている」(東京自治労連)などの発言が続き、各分野で運動が豊かに広がりつつあることが浮き彫りになりました。
集会には、前日20日の参院厚労委員会で最賃時給1000円実現を求めて質問した共産党の小池議員がかけつけ、連帯あいさつしました。
夜には、千代田区のエデュカス東京で「『国会改革』関連法案反対学習決起集会」が全労連や憲法会議などの主催で開催され、100人が参加しました。
変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を
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国民春闘共闘情報
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