第 37 号 2010年05月20日
生活底上げで景気回復を
諸要求実現 5・19中央行動 全国から1500人
「最低賃金を大幅に引き上げろ」「労働者派遣法は抜本的に見直せ」「官製ワーキングプアをなくせ」―。全労連・国民春闘共闘は19日、「諸要求実現5・19中央行動」にとりくみ、全国から1500人が参加。断続的な雨に見舞われるなか、最賃引上げをはじめ生活水準の底上げによる景気の回復を求め、終日行動を展開しました。
最賃引上げこそ、景気回復の最良の薬
厚労省前要求行動
「第1次最賃行動デー」に位置付けたこの日、正午から厚生労働省前で「全国最賃確立・最賃大幅引き上げ」を求める行動を実施。省前の歩道は人波であふれました。
国民春闘共闘の伊藤潤一代表委員(東京春闘共闘代表委員)は主催者あいさつで、日本が先進国の中で唯一「成長しない国」になっていることを指摘。賃金と雇用を減らし、内需を縮小させてきたことに原因があるとして、「派遣法の抜本改正、最賃引上げ・全国一律最賃制度の実現に向け、ともにがんばろう」と呼びかけました。
全労連の伊藤圭一常任幹事が情勢報告。国会提出された派遣法案について大きな抜け穴があることを指摘し、新たに医療を「専門業務」として派遣解禁する動きについても注意を喚起しました。最賃について、大企業の経営者やエコノミストからも最賃引上げを求める声があがっていることも紹介しつつ、「最賃を上げて消費を増やし、経済を活性化させることで、企業の経営も上向く」とのべ、職場・地域からたたかいを広げようと訴えました。
各団体の代表が決意を表明。「豆腐屋で最賃以下で働いていたパートが雇止めされた。こんなことは社会的に許されない。大企業は内部留保を中小企業に還元し、最賃はせめて時給1000円以上に」(全労連全国一般)、「議員要請や懇談のなかで『最賃の改定は必要だが、まず雇用が優先』という声も聞く。景気回復には最賃引上げによる低所得層の生活改善が先だ」(生協労連)、「社保庁解体でベテラン労働者の首を切り、日本年金機構は新たに1000人以上を雇い入れたが、窓口対応もできず大混乱している。よりよい年金制度を守るためにも、解雇撤回を求めてたたかう」(国公労連・全厚生)、「2008年12月に雇止めにあった。国会前で座り込み、議員にも要請したが話も聞いてくれない。子どもは3人いる。大臣や行政は当事者の話を聞いて国民のための政治をしてほしい」(JMIU・いすゞ自動車支部)と、発言が続きました。
最賃引上げ、派遣法改正、国民本位の行財政実現を
中央総決起集会(日比谷野外音楽堂)
午後から日比谷野外音楽堂で開かれた中央総決起集会では、要求を掲げた横断幕と組合旗が林立。舞台袖には、この間とりくんできた最賃時給1000円実現、派遣法抜本改正、後期高齢者医療制度廃止などを求める署名が積み上げられました。
国民春闘共闘の大黒代表委員(全労連議長)は開会あいさつで「賃金底上げ、最賃大幅引き上げ、中小企業への支援こそ、景気を回復する道だ」と語り、大きなたたかいを呼びかけました。
日本共産党の市田書記局長が連帯あいさつ。「正社員化へ道を開く派遣法の抜本改正など、世界で当たり前のルールを実現させよう」と訴えました。
国民春闘共闘・小田川事務局長(全労連事務局長)が情勢について報告。今春闘における賃上げ獲得状況がほぼ前年同期の水準を維持しており、全体としてねばり強いとりくみが続いていることを報告しつつ、最賃闘争、派遣法改正、きたるべき参院選挙へ向け「運動の徹底強化こそが情勢転換のカギを握っている」と強調しました。
つづいて各団体の代表が決意を表明。「政府の『地域主権改革』は国が定める最低基準を地方に丸投げするものだ」(自治労連)、「生計費試算運動で生活実態調査を行った。地域の最賃を引き上げたい」(静岡県評)、「生活保護水準を下回らない賃金を実現するよう奮闘したい」(生協労連)と語りました。
集会後、参加者は5隊に分かれ、日比谷公園の霞門を出発して国会までパレード。小雨を吹き飛ばす元気なシュプレヒコールが官庁街に響き渡りました。
この日は集会に先立ち、早朝から都内5カ所で最賃引上げと派遣法抜本改正を求める宣伝行動を実施。午前中は議員要請行動とあわせ、「最賃底上げと中小企業支援の拡充を求める団体要請行動」を行いました。
中央総決起集会・国会請願デモの後は、雨が強くなるなか、「派遣法抜本改正を求める国会座り込み行動」を敢行。行動参加者からは、製造業派遣禁止≠ニいいつつ、「常用型」なら容認するなど多くの問題点を含む政府法案の徹底審議を求める声が相次ぎました。
社会文化会館では「労働基本権回復・民主的公務員制度の実現を求める決起集会」(全労連公務員制度改革闘争本部主催)が開催され、400人が参加しました。
変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を
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国民春闘共闘情報
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