第43号 2010年6月21日
2010夏季一時金・第2回集計
単純平均1.94カ月 63.9万円
民放、化学、金融・証券など前年比増
国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇などで構成)は6月17日、夏季一時金の第2回集計を行い、26単産部会から報告が寄せられました。製造・運輸関係が減額傾向となる一方、民間放送や化学、金融・証券などが大幅増をかちとるなど、産業ごとにプラスマイナスが混在する状況となっています。
<回答状況について>
第2回の回答集計には、別表の26単産部会から報告が寄せられました。
おもな数値は以下のとおりです。
(1)登録組合数… 695組合
(2)回答組合数… 390組合(登録組合の56.1%)
うち上積み獲得… 77組合(回答組合数の19.7%)
うち前年実績以上… 104組合(金額回答244組合の42.6%)
うち妥結組合… 182組合(登録組合の26.2%)
単純平均 |
390組合
|
1.94カ月
|
638,668円
|
前年同期 |
同一組合
(同期比)
|
1.94カ月
±0.00カ月
|
641,289円
▲2,621円
|
359組合
(同期比)
|
1.99カ月
▲0.05カ月
|
668,316円
▲29,648円
|
加重平均 |
9.9万人
|
―
|
586,764円
|
前年同期 |
9.8万人
(同期比)
|
―
|
718,365円
▲131,601円
|
43%の組合が前年実績以上を引き出す
<回答状況の特徴について>
(1) |
これまでに回答を引き出したのは、26単産部会に所属する390組合です。単産では全証労協から初報告が寄せられたほか、JMIU、日本医労連、地方マスコミなどで回答引出しが進み、登録組合の過半数(56%)に達しました。この時点での引出し状況は、前年同期(359組合)を上回っています。妥結した組合は182組合と、登録組合の4分の1を超えました(前年同期は148組合・21%)。多くの単産は、支給日との関係で一時金の決着を6月末から7月上旬としており、交渉はヤマ場を迎えています。
|
(2) |
単純平均(一組合あたりの平均)は63万8668円で、前年同期(同一組合=64万1289円)から2621円のマイナス。加重平均(組合員一人あたりの平均)は58万6764円で、前年同期(71万8365円。ただし同一組合でない)から13万円余りマイナスとなっています。加重平均が前年比で大幅減となっているのは、「1000人以上」の組合が10%近いマイナスとなっていることが大きく影響しています。一方、「100〜299人」「300〜999人」の中堅規模組合はプラス傾向を示し、平均額を押し上げています。
|
(3) |
前年実績と比較可能な23単産部会のうち、額で前年を上回っているのは11、減が11、同額が1組織と拮抗しています。製造業、運輸・通信関係、小売業関係がおおむねマイナスとなる一方、金融・証券関係がプラスとなっています。製造業では、化学一般労連が8万円近い増額となっているのが注目されます。マスコミ関係では、民放労連が9万円を超える大幅増となる一方、地方マスコミ、出版労連がマイナスとなるなど、メディアによって差が現れているのも一つの特徴です。建設関係と日本医労連は、前回調査時から引き続きプラス傾向を維持しています。
|
(4) |
前年実績額以上を引き出したのは104組合(金額回答数の43%)と、前年同期の45組合(同20%)を大きく上回っています。回答次数では、化学一般労連の組合の第5次を筆頭に、JMIU、民放労連、生協労連などが2次回答以上を引き出して奮闘しています。100万円を超える回答を得ているのは、出版労連、民放労連など24組合で、前年同期(25組合)とほぼ同じ水準となっています。
|
パート一時金 0.68カ月 約5万円
パート一時金については、7単産85組合から報告が寄せられました。単産での初報告は全労連全国一般です。回答組合の過半数を生協労連(46組合)が占めており、これに医労連(18組合)、全国一般(14組合)が続いています。
単純平均は0.675カ月(前年比0.006カ月増)、額で4万9510円(同4956円減)となりました。額でプラスとなっている単産は、全国一般、医労連、建交労の3組織です。医労連は月数・額ともに前年実績を上回っており、介護職処遇改善交付金や、診療報酬のプラス改定を「追い風」としたとりくみの強化が反映しています。
臨時・非常勤・嘱託等(勤務日数が正規より少)は、6単産56組合から報告がありました。前年の報告がない単産や、月数または金額報告のみの組織もあることから、単純な比較はできませんが、月数は前年比で微増、額は2万円を超える減となっています。
生協労連や全国一般では、全体として経営状況が悪化するなかでも、パート労組・部会を中心とした奮闘により、多くの組合で前年実績を確保しています。
夏季一時金交渉は、今週から来週にかけて決着をめざす大きなヤマ場を迎えます。
22日には、全国で「第3次最賃デー・全国行動」にとりくむのをはじめ、中央段階では国民春闘共闘・全労連などが共同して「7・7最賃デー・霞ヶ関行動(第4次最賃デー)」、「7・28最賃・人勧中央行動(第5次最賃デー)」を予定しています。
国民春闘共闘は、6月23日に第2回単産地方代表者会議を開催し、今春闘の中間総括とあわせ、参院選を通じた要求前進と夏季闘争の強化に向けて意思統一をはかることにしています。
<参考> 他団体の集計結果
●連合の第3回夏季一時金回答集計(5月27日現在)は以下のとおりです。
集計組合
|
加重平均
|
組合数
|
人数(万)
|
金額
|
月
|
昨年
|
月
|
1109
|
91.0
|
626,271
|
2.11
|
639,128
|
2.14
|
単純平均
|
480,276
|
1.90
|
486,748
|
1.92
|
●日本経団連の夏季一時金妥結集計(大手企業。5月19日現在)は以下のとおりです。
集計対象
|
集計企業
|
加重平均
|
単純平均
|
金額
|
昨年
|
金額
|
昨年
|
大手企業
|
68社
|
790,468
|
754,009
|
697,201
|
682,019
|
※集計対象は東証一部上場、従業員500人以上の企業