第47号 2010年7月9日
2010夏季一時金・第3回集計
単純平均61.8万円 1.89カ月
ほぼ前年並み 42%が前年実績上回る
国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇などで構成)は7月8日、夏季一時金の第3回集計を行い、27単産部会から報告が寄せられました。全体平均は大きく押し込まれた前年水準にとどまるものの、金融・証券、民放、化学などが一定部分を取り返し、42%の組合が前年実績以上を引き出しています。
<回答状況について>
第3回の回答集計結果は、別表のとおりです。
(1)登録組合数… 689組合
(2)回答組合数… 488組合(登録組合の70.8%)
うち上積み獲得… 109組合(回答組合数の22.3%)
うち前年実績以上… 129組合(金額回答311組合の41.5%)
うち妥結組合… 302組合(登録組合の43.8%)
単純平均 |
488組合
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1.89カ月
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617,631円
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前年同期 |
同一組合
(同期比)
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1.90カ月
▲0.01カ月
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622,972円
▲5,341円
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527組合
(同期比)
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1.88カ月
+0.01カ月
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617,526円
+105円
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加重平均 |
13.1万人
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―
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630,916円
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前年同期 |
13.8万人
(同期比)
|
―
|
|
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<回答状況の特徴について>
- 6月末に集中する支給日を前後して多くの組合が回答を引き出し、第3回集計には、初報告の検数労連を含む27単産部会から回答が寄せられました。前回集計(6/17)から新規の回答数を伸ばしているのは、日本医労連、建交労(運輸)、全農協労連、金融労連などです。これまでに回答を引き出したのは488組合と、登録組合全体の71%に達しましたが、前年同期の水準(527組合・74%)からはやや遅れています。
支給日が6月末から7月上中旬に集中していることから、妥結組合は302組合(登録組合の44%)に増加しましたが、これも前年同期(395組合・56%)から遅れており、厳しい交渉の状況を反映しています。
- 一組合あたりの平均支給額(単純平均)は61万7631円で、前年同期(同一組合=62万2972円)から5341円のマイナス。組合員一人あたりの平均(加重平均)は63万0916円で、前年同期(64万5071円。ただし同一組合でない)から1万4155円マイナスとなっています。ほぼ前年並みの水準ですが、2年前同期の単純平均は70万0143円、加重平均78万7996円であり、大幅減額を押しつけられた前年の水準から回復していません。規模別では、「300〜999人」の中規模組合が増(+1万1554円)となっているほかは、いずれの段階も前年比マイナスとなっています。
- 前年実績と比較可能な24単産部会のうち、額で前年を上回っているのは11、減が13となっています。産業別にみると、金融・証券関係がプラスとなっているほかは、単産ごとに増減が分かれています。製造業は、マイナス傾向が色濃く出るなか、化学一般労連と合同繊維がそれぞれ7万円前後の増。流通関係でも、前年が悪すぎたとはいえ、検数労連が7万円余の増(+37%)をかちとりました。民放労連は8万円以上の増となっていますが、前年マイナス分の約半分を取り返したという状況です。前年比で10%以上のマイナスとなっているのは、全労連全国一般(製造)、生協労連、建交労(製造)、地方マスコミの4組織です。
- 前年実績額以上を引き出したのは129組合(金額回答数の42%)と、前年同期の69組合(20%)を大きく上回っています。前年比で10万円以上の増をかちとっているのは24組合で、このうち7つがJMIUの組合です。回答次数では、化学一般労連の組合の第5次を筆頭に、JMIU、民放労連など109組合(回答組合の22%)が2次〜4次の回答を引き出しています(前年は134組合・25%)。150万円以上の回答を得ているのは出版労連など5組合(前年は8組合)で、100万円以上は出版労連、民放労連、地方マスコミなど26組合(前年は29組合)となっています。
パート一時金 0.72カ月 5.7万円
パート一時金については、7単産104組合から報告が寄せられました。今回新規に報告が寄せられたのは、日本医労連、建交労など19組合です。
単純平均は5万7089円(前年比4513円増)、0.718カ月(同0.019カ月増)となりました。額で前年比プラスとなっている単産は、建交労、医労連、全国一般の3組織です。医労連は前回同様、額・月数ともに前年を上回っており、全体平均を押し上げています。
臨時・非常勤・嘱託等(勤務日数が正規より少)は、7単産69組合から報告がありました。単純平均額は20組合の平均で8万5314円(前年比6731円減)、月数は44組合の平均で0.958カ月(同0.022カ月増)となっています。パート一時金と同じく、医労連が額・月数ともに前年実績を上回っています。
これまでに、ほとんどの単産・単組が決着期(6月下旬〜7月上旬)のたたかいを経て、支給日を迎えました。未解決の組合の多くは支給日が7月中旬〜下旬であり、現在もなお上積みをめざして交渉を強化し、決着をはかろうとしています。
全労連・国民春闘共闘委員会は、政府が経済成長を前提としつつ「2020年までのできるだけ早期に…(最賃)全国平均1000円をめざす」(6月3日・雇用戦略対話会合)とした新しい情勢の下で、「公約10年先延ばし=ワーキングプア10年放置を許すな」の要求を掲げ、7月7日に第4次最賃デー・霞ヶ関行動にとりくみました。7月28日の「最賃・人勧中央行動(第5次最賃デー)」のヤマ場に向けて、各単産・地方でとりくみの具体化を進めています。
<参考> 他団体の集計結果
●連合の夏季一時金第5回回答集計(7月1日現在)は以下のとおりです。
集計組合
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加重平均
|
組合
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人数(万)
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金額
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月
|
昨年
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月
|
2124
|
133.0
|
622,452
|
2.12
|
625,701
|
2.12
|
単純平均
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455,781
|
1.84
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448,698
|
1.83
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●日本経団連の夏季一時金妥結集計(大手企業。6月23日現在)は以下のとおりです。
集計対象
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集計
企業
|
加重平均
|
単純平均
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金額
|
昨年
|
金額
|
昨年
|
大手企業
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129社
|
759,728
|
753,348
|
677,232
|
672,967
|
※集計対象は東証一部上場、従業員500人以上の企業