2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第54号 2010年10月1日

マイナス人勧阻止 派遣法の改正を

秋季年末闘争9・30中央行動 全国から1000人

 翌日に国会開会日を控えた9月30日、降りしきる雨の中で「秋季年末闘争9・30中央行動」が東京・霞ヶ関周辺でとりくまれ、全国から約1000人が参加しました。労働者派遣法の抜本改正や公務員賃金切り下げ反対などの要求をかかげ、集会と国会議員要請行動を繰り広げました。

人勧実施は賃下げの悪循環に拍車

 正午過ぎから、全労連公務部会を中心に、総務省前要求行動にとりくみました。

 公務労組連絡会の山口議長は主催者あいさつで、2年連続のマイナス人勧で一時金は1963年の水準となり、政府内ではこの人勧さえさらに切り込む動きがあることを厳しく批判。「(人事院勧告制度は)労働基本権の代償措置といってきた政府自身の立場を否定し、景気回復を遅らせる暴挙。政府は使用者責任を果たせ」と訴えました。

写真 全農協労連の国分委員長(国民春闘共闘代表幹事)が民間労組を代表して連帯あいさつ。農林水産業など第1次産業分野では「人勧準拠」で賃金が決められる労働者が多いことを紹介し、「公務員賃金の切り下げは民間全体の賃下げをまねく」と指摘。コメが大暴落しているなか、政府がミニマムアクセス米を輸入しながら、農家からのコメ買い上げに背を向けていることについて「どこの国の政府か」と批判しました。

 公務労組連絡会の秋山事務局次長が情勢報告。マイナス人勧の取り扱いをめぐる交渉で、政府側は「人事院勧告は尊重すべき」「(要求内容は)政務三役に伝える」とのべるにとどまったことを報告。国会審議の段階で人勧からさらに切り下げがはかられる危険があるとのべ、職場・地域と結んでの大きな運動を呼びかけました。

 国公労連、自治労連、全教の代表が決意を表明。最後に参加者全員で「マイナス勧告の実施反対」「官製ワーキングプアをつくるな」のシュプレヒコールを唱和し、集会を締めくくりました。

官民・非正規の連帯を

 続いて、社会文化会館で総決起集会を開催。主催者あいさつに立った全労連の大黒議長(国民春闘共闘代表幹事)は、先の参院選で民主・自民がともに比例で後退する一方、「小さな政府」を掲げるみんなの党が躍進したことについて「小泉構造改革の二番煎じにすぎない」と指摘。「アメリカ言いなり、大企業中心の政治を転換し、格差と貧困をなくし、内需の拡大による景気回復をめざしてたたかおう」と呼びかけました。

写真 JMIUの生熊委員長(全労連副議長)は連帯あいさつで、製造業をはじめ民間労働者の賃金が激減しているなか、マイナス勧告の実施は賃下げの悪循環に拍車をかけると指摘。「これを突破するためには、公務労働者が非正規労働者との連携を強化することが大事だ」と強調しました。

 全労連公務部会の黒田事務局長(国民春闘共闘常任幹事)が闘争報告。給与法・派遣法をはじめ、くらしと雇用にかかわる重要法案が審議される国会へのたたかいを強めようと呼びかけました。

 公務単産が決意を表明。「マイナス人勧阻止、労働基本権回復のためにも数が力。組織拡大に全力をあげる」(国公労連)、「自治体市場化、保育制度の改悪を許さず、住民の権利を守ろう」(自治労連)、「教育予算拡充で教員の増員、少人数学級の実現を」(全教)と発言しました。 集会では、日本共産党の宮本たけし衆院議員が連帯あいさつ。最後に国公労連・宮垣委員長の音頭で「団結ガンバロー」を三唱しました。

 この後、参加者は新築された国会議員会館に移動し、衆参の全議員を対象に大規模な要請行動を実施。この日は午前中を中心に、各単産が財務省前、総務省前などで独自行動を展開しました。

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