第12号 2011年2月15日
くらし守る大反撃を
2・10中央総行動 全国からのべ7000人
内需拡大で景気の回復を――。10日、全労連・国民春闘共闘は、諸団体と共同して中央行動(「国民要求実現 2・10中央総行動」)にとりくみ、のべ7000人が参加しました。全国から集結した参加者は、都内主要駅頭での早朝宣伝に始まり、各省庁要請、2波にわたる中央集会とデモ行進など、寒風をついて多彩に展開。賃上げと雇用確保など、内需拡大による景気の回復を求め、終日大きな声を響かせました。
早朝宣伝後、11時から厚生労働省前で要請行動にとりくみました。
国公労連・全厚生闘争団を代表して、秋田闘争団の小畑佐久子さんが決意表明。「26年間一生懸命働いてきた。自分は何も(悪いことは)していないのに冤罪≠ナ解雇された。仕事があるのに、解雇は許せない」と、大学生2人を抱えて先行きへの不安を訴えつつ、不当解雇の撤回までがんばりぬくとのべました。東京生存権裁判原告団の吉田喜美さんは、「(生活保護の)老齢加算がなくなり、食事も衣類もまともに買えない」と実態を告発。若い人たちの励ましにこたえ、引き続き最高裁までたたかいぬく決意を表明し、大きな拍手を受けました。
中央集会に2000人以上
正午から、日比谷野外音楽堂で第1波の中央集会が開催され、2000人以上が参加しました。主催者あいさつに立った国民春闘共闘の大黒作治代表幹事(全労連議長)は、大企業が244兆円もの内部留保をため込む一方、年収200万円以下のワーキングプアが1100万人に達し、労働者の年収は過去12年間に61万円も下がったと告発。「これでは景気の回復はおぼつかない」として、賃上げをはじめ国民の暮らし改善のために内部留保を活用するよう求めました。
第2波集会から、建設首都圏共闘の宮田清志議長が連帯あいさつ。仕事がない、あっても安い賃金という実態に怒りの声をあげ、公契約適正化運動などで前進をかちとってきた経験を報告し、春闘での飛躍に向け、ともにたたかおうと呼びかけました。
続くリレートークでは、8団体の代表が発言。生協労連静岡の佐伯かおりさんは、生計費の試算で、最低でも時間額1300円は必要という結果が出たことを紹介し、時給1000円以上をめざし、最低賃金審議委員の選任をかちとる決意を表明しました。女性からの訴えでは、全労連女性部と新日本婦人の会の代表が登壇。「何か変だぞ、日本の保育」と題するパフォーマンスで、政府が進める「子ども子育て新システム」の問題点を鋭く告発しました。ひときわ大きな拍手に包まれて原告団の仲間とともに登壇した航空労組連の近村一也議長は、「解雇されて以降、職場はモノが言えなくなり、空の安全を守ることができなくなっている」とのべ、国民の安全・安心のためにも、日本航空による不当解雇の撤回に向けてたたかいぬく決意を表明しました。
青年を代表して、雇用の拡大を求めて奮闘している現役大学生が発言。全労連青年部の松山議長の音頭で「守ろう!暮らし」のプラスターを掲げ、会場いっぱいにシュプレヒコールを響かせました(写真)。
中央集会には、日本共産党から穀田恵二国対委員長が参加し、連帯あいさつしました。
銀座パレード〜経団連会館を包囲
中央集会後、参加者は総務省、農水省など各省前で要求行動を展開。野外音楽堂では引き続き建設首都圏共闘が集会を開催し、4000人以上が参加しました。
各省前行動の後、参加者はふたたび日比谷公園に集結し、銀座パレードに出発。毎年このパレードでコンテストを開催している生協労連では、東北地連から約90人が参加。ねぶたの衣装を着て囃しと鈴の音にあわせ、「ラセラー、ラセラー、最賃上げろ」と声をそろえ、銀座界隈を歩く人びとの注目をあびました。
パレード終了後、日本経団連前に集結し、「賃金上げろ」「内部留保をはき出せ」などと書かれたのぼり旗で会館を包囲。東京春闘の高畠素昭事務局長は、「財界が政治に介入し、TPP参加、消費税引き上げなどを迫って日本の将来を真っ暗にしている」と経団連の動きを厳しく批判。決意表明では、「生活必需品の値段は正規でもパートでも同じ。一人ひとりの労働者こそ主人公。均等待遇の実現を」(非正規センター・長岡佳代子副代表)、「デフレスパイラルからの脱却のカギは賃上げ。生活の底上げで元気な日本をつくろう」(埼労連・市川京子副議長)、「賃上げこそ、日本の経済と社会保障を立て直す唯一の道だ」(全日本民医連・湯浅健夫事務局次長)と訴えました。
最後に参加者全員で「賃上げで景気の回復をはかれ」「くらしを壊すTPP参加反対」「消費税の増税は許さないぞ」などと力強く唱和し、行動を終えました。