2011国民春闘共闘情報
全労連HP

第16号 2011年3月17日

2011年春闘・第1回賃上げ集計

単純平均5161円 前年上回る


 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は17日、前日の集中回答を受けて、今春闘における第1回目の賃金改定集計をおこないました。単純平均額で前年同期の結果を上回っています。

 第1回集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>
2011年 2010年
登録組合数 810 791
回答組合数 102(12.6%) 110(13.9%)
妥結組合数 6(0.7%) 14(1.8%)

<回答内容>
集計方法&対象 2011年 2010年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,161 4,995 +166
率(%)  1.67 1.53 +0.14
加重平均 額(円) 4,868 5,311 −443
率(%)  1.59 1.39 +0.2
組合員数(人) 23,415 22,645
※額または率のみの報告があるため、双方は必ずしも連動しません。

<集計結果の概要>

単純平均で前年比増 製造業関係がけん引

 第1回集計には、別表の11単産部会から報告が寄せられました。これまでに有額回答を引き出したのは、102組合となっています(前年同期は110組合)。
 単純平均(一組合あたりの平均)は5161円で、前年比166円増。加重平均(組合員一人あたりの平均)は4868円で、前年比443円減となっています。加重平均が前年比減となっているのは、規模別集計「1000人以上」の組合が大きくマイナスとなっていることが影響しています。
 単産別では、報告を寄せた11組織のうち、前年同期比でプラスが6、マイナスが5となっています。全体の単純平均が前年比増となっているのは、9日に第1次回答を引き出し、現在も追い上げをはかっているJMIUの健闘ぶりが貢献しています。出版労連は、5組合の平均ながら、単純平均で2368円のプラスとなっています。
 規模別では、「30人未満」「30〜99人」「300〜999人」の中小零細・中堅規模組合が、いずれも若干ながらプラス傾向を示しています。

“被災者救援も春闘も”の構えで

 第1回集計の大きな特徴は、集中回答日の直前に東日本が大地震に襲われ、現在も被害が拡大し続けるという未曽有の困難のなか、前年同期に匹敵する数の組合が有額回答を引き出していることです。これは、JMIU、建交労(先行グループ)が震災発生前に1次回答を引き出したことに加え、本日全国で4万6000人が行動に立ちあがった日本医労連をはじめ、各単産が「被災者救援も春闘も」の構えで積極回答を迫ったことが大きく反映しています。とはいえ、全体としてみれば、震災を口実とした「回答延期」「ゼロ回答」は決して少なくなく、早期の決着をはかりつつも、十分警戒する必要があります。
 単純平均額で前年同期比を上回ったものの、リーマン・ショック後初の春闘となった09年の第1回単純集計結果(5311円)を下回っていることは、生活改善・内需拡大で景気を回復しようという私たちの要求とはかけ離れた低額回答であることに変わりありません。
 各単産は、震災の被災者救援に全力をあげつつ、「国民春闘」の大義をかかげて、さらなる追い上げをはかっています。(おわり)

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