第18号 2011年3月28日
2011年春闘 第2回賃上げ集計
単純平均5446円 製造業が健闘
国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は25日、今春闘における第2回目の賃金改定集計をおこないました。震災の影響で、全体として回答引出しが遅れているものの、単純平均は前年同期を上回っています。
第2回集計のおもな数値は以下のとおりです。
<回答状況>
|
2011年 |
2010年 |
登録組合数 |
810 |
791 |
回答組合数 |
147(18.1%) |
202(25.5%) |
うち上積み獲得 |
19(12.9%) |
25(12.4%) |
うち前年実績以上 |
81(55.1%) |
88(43.6%) |
うち妥結組合 |
18(12.2%) |
20(9.9%) |
<回答内容>
集計方法&対象 |
2011年 |
2010年 |
(前年比) |
単純平均 |
額(円) |
5,446
|
5,252
|
+194
|
率(%) |
1.74
|
1.66
|
+0.08
|
加重平均 |
額(円) |
5,110
|
5,699
|
▲589
|
率(%) |
1.67
|
1.83
|
▲0.16
|
組合員数(人) |
36,201
|
57,563
|
|
※額または率のみの報告があるため、双方は必ずしも連動しません。
<集計結果の概要>
第2回集計には、別表の11単産部会から報告が寄せられました。これまでに有額回答を引き出したのは147組合となっています(前年同期は202組合)。震災発生の影響で、東日本を中心に回答引出しが遅れており、現時点での到達は前年同期の4分の3という状況です。
賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は5446円(1.74%)で、前年同期比194円増。加重平均(組合員一人あたりの平均)は5110円(1.67%)で、前年同期比589円減となっています。加重平均がやや減となっているのは、規模別集計「1000人以上」がマイナスとなっていることが影響しています。
単産別では、報告のあった11単産部会のうち、前年比でプラスが4、マイナスが7となっています。JMIU(前年比967円増)をはじめ、製造業関係がプラス傾向を維持し、全体の平均を引き上げています。印刷・出版・マスコミ関係では、前年比でマイナス傾向が色濃くなっていますが、出版労連が1000円を超えるプラスを維持しているのは注目されます。規模別では、「300人未満」がいずれも前年比でプラスを示す一方、「300人以上」がマイナスとなるなど、中小組合での増が目立っています。
回答組合の過半数が前年を上回る
第2回集計の大きな特徴は、全体として回答引出しが遅れるなか、前年妥結額以上の回答を引き出した組合が81と、前年同期(88組合)に匹敵する数にのぼり、現時点で回答組合の過半数に達していることです。前年から1000円以上の増額を引き出しているのは18組合で、うち10組合がJMIUの組合です。
初回からの上積みを獲得しているのは19組合(前年同期は25組合)で、先行したJMIUのほか、地方マスコミ、日本医労連などが2〜3次の回答を引き出して奮闘しています。これまでに1万円以上の賃上げ回答を引き出したのは12組合(前年同期は10組合)で、最高額は出版労連傘下の組合の1万5990円となっています。
各単産・単組の奮闘により、単純平均額は引き続き前年同期を上回っていますが、震災発生を理由とした「回答延期」「ゼロ」「定昇凍結」などの不誠実な日本語回答≠熾告されており、いぜんとして予断を許さない状況です。
パート等時給引上げ 平均8.3円
パート・アルバイト等の賃上げは、生協労連など3単産から報告があり、66組合が引上げを獲得しています。時間額の引上げは、63組合の単純平均で8.3円と、前年同期(4.5円)を上回っています。生協労連が秋田などで10〜20円の引上げをかちとっているのが特徴的です。企業内最賃の改定は、2単産から報告がありました。33組合の単純平均で時間額808円となっています。
国民春闘共闘に結集する各単産は、4月初旬から中旬に統一行動などのヤマ場をあらためて設定し、被災者の救援とあわせ、回答引出し・追い上げに奮闘しています。
<参考> 他団体の賃上げ集計結果
●連合の第1回回答集計(平均賃上げ方式・3月17日現在)は以下のとおりです。
集計対象 |
集計組合 |
加重平均 |
組合 |
人数(万) |
金額 |
率 |
昨年 |
率 |
全組合 |
107
|
8.2
|
5,761
|
1.87
|
5,369
|
1.78
|