第19号 2011年4月6日
2011年春闘 第2回進ちょく状況調査
『積極回答で早期決着を』
―― 要求提出51% やや遅れ ――
国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇などで構成)は4日、各単産に加盟する全単組を対象とした第2回進ちょく状況調査を実施し、18単産から報告が寄せられました。大震災への対応を優先せざるを得ない事情から、全体として春闘のとりくみにやや遅れが出ています。おもな特徴は以下のとおりです。
要求提出、スト権確立状況
各単産とも春闘の集約自体に困難が生じており、現時点での調査組合数は3018組合となっています(前年同期は3970組合)。
このうち要求を提出した組合は1553組合で、全体の51%。前年同期の55%を下回っています。単産別では、例年100%の通信労組、郵産労、検数労連のほか、日本医労連、出版労連、全倉運、JMIUが7割以上でリードしています。
これまでにスト権を確立した組合は537組合と、全体の18%にとどまっています(前年同期は34%)。100%の通信労組、郵産労、検数労連に加え、10日に全国的ストを打ったJMIUが高率で続いています。
公務からは、特殊法人労連から報告があり、8組合中7つが要求を提出し、スト権も確立しています。
回答引出し状況
これまでに何らかの回答を引き出したのは706組合で、要求提出組合の46%に達し、前年同期(38%)を上回っています。第1次集中回答日(16日)に引き出した組合は少数にとどまりましたが、各単産が柔軟性を発揮しつつ、回答引出しの姿勢を崩さず、翌週にかけてとりくみを強化したことが反映しています。
単産別では、生協労連、医労連、出版労連が高率となっているほか、全印総連、JMIUなどが前年同期を上回っています。
東日本を中心に、震災対応を口実とした回答延期などが多く出る一方、災害復旧・被災者支援に全力をあげるためにも、「積極回答で早期決着を」迫る奮闘が各職場で続いています。
回答内容は、集約が十分でないため詳細は明らかではありませんが、出版労連が少なくない単組でベースアップ・有額回答を引き出しており、医労連、生協労連からもベア獲得が報告されています。
平均賃上げ額
全単組を対象とした平均賃上げ額(単純平均=組合ごとの平均)は、4954円(1.69%)で、前年同期とほぼ同額になっています。
単産では、民放労連と医労連が賃上げ率2%台に乗せています。現時点で前年同期を上回っているのは、JMIUと民放労連の2単産です。
スト実施、妥結状況等
これまでに何らかの形でストライキを打った組合は161組合で、前年同期(349組合)を下回っています。多くの単産が、3月17日を中心に予定していたストを震災対応のために中止・延期し、趣旨を被災者救援募金などに切り替えて行動しました。同日、医労連は全国統一行動を「いのちまもる統一行動」として89組合がストライキに立ちあがり、医師・看護師の増員要求とあわせ、救援募金活動に果敢にとりくみました。
これまでに妥結したのは47組合で、全体の3%にとどまっています(前年同期は123組合・6%)。
各単産は、14日の第2次集中回答日、翌15日の全国統一行動日を節目に、今週から来週にかけて追い上げゾーンを設定し、被災者救援・統一地方選のとりくみとあわせて連日奮闘しています。