2011国民春闘共闘情報
全労連HP

第25号 2011年5月27日

―被災者本位の震災復興の実現、最低賃金の改善、公務員の賃下げはやめよ―

5・25中央行動 全国から1200人


 東日本大震災発生から2カ月以上が経過した25日、全労連・国民春闘共闘委員会は、東京春闘共闘、全国災対連などとともに中央行動を実施し、被災各県の代表をはじめ全国から1200人が参加。早朝からの駅頭宣伝に始まり、省庁前行動、中央総決起集会、国会請願デモ、東京電力との交渉など、被災者・国民生活改善のため、国と大企業が責任をはたすよう強く要求しました。

各省前要求行動 震災口実にした低賃金・賃金カットを許すな

 この日は都内主要駅頭での早朝宣伝の後、財務省や経済産業省、厚生労働省、総務省前で要求行動を展開しました。

写真 正午からの厚労省前行動には250人が参加。主催者あいさつで東京春闘共闘の伊藤潤一代表委員は、地元の意向を無視し企業参入を促進する「復興特区」構想や、国家公務員の賃金カット提案について「火事場泥棒的な動きだ」と厳しく批判。最賃の引上げなど働くルールを守り、規制緩和を許さないたたかいをすすめようと訴えました。

 国民春闘共闘の伊藤圭一事務局次長(全労連常任幹事)が最賃をめぐる情勢について報告。大震災の影響で国の調査が遅れており、財界などから「まず雇用が大事、賃金は二の次」という声もあがるなど、状況は予断を許さないと指摘。被災地でのガレキ撤去など困難な仕事に従事している労働者の賃金が低く抑えられているのは、最賃が低すぎるからだとのべ、「大企業一人勝ちを許さず、『生活できる賃金をよこせ』の声を大きくしよう」と呼びかけました。

 決意表明では4人が発言。鹿児島からかけつけた生協労連の代表は、鹿児島県の最賃(時給642円)は東京都(同821円)より179円も低く、フルタイム換算で年間37万円余の格差になると発言。「最低生計費調査によれば、地方も都市部もかかる費用に大きな差はない」とのべ、自立できる水準への最賃の引上げを求めました。

 総務省前では、公務員賃金引下げ阻止、労働基本権回復などを求めて行動を実施し、4人の代表が決意表明しました。「公務員賃金引下げは民間労働者の生活悪化にもつながる」(全労連全国一般)、「被災地のハローワーク職員は休みなく働き、超過勤務が蔓延するもとで健康・メンタル破壊がすすんでいる。まったく納得いかない」(岩手県国公)など、公務・民間を問わず、国による公務員の賃金カット提案について激しい怒りの声があがりました。

中央総決起集会 国と大企業はいまこそ責任をはたせ

写真 午後から日比谷野外音楽堂で開催された中央総決起集会では、被災3県の代表が発言。宮城県労連の鎌内事務局長は、県が構想する「水産特区」や農業の株式会社化について「復興という名の構造改革にほかならない」と批判しました。福島県労連の斉藤議長は、原発事故について「人災」だと語り、「住み慣れた家などを失う悔しさや無念、怒りを政府、東電に訴えていく」とのべ、全面賠償を求めると発言。いわて労連の鈴木議長は、被災地での自治体の臨時雇用は日給5000円から6000円、ガレキ撤去は7200円の低賃金だと告発。「その原因は、岩手県の最賃が時給644円という低い金額になっているからだ」と指摘し、最賃引上げに全力をつくすと表明しました。自治労連の柴田副委員長は、大きな被害を受けた岩手県の陸前高田市職労が「住民のために、住民とともに」をスローガンにかかげ、昼夜を分かたず復旧・復興にとりくんでいると報告しました。

写真 主催者を代表して国民春闘共闘の大黒代表幹事(全労連議長)があいさつ。大震災からの復興に向けて、仕事と雇用の確保とともに、まともな賃金の保障と公務員の賃金カット撤回などをめざし、全力をあげてたたかおうと呼びかけました。この集会では、日本共産党の紙智子参院議員が連帯あいさつしました。

 集会後、参加者は日比谷公園霞門に集結し、国会請願デモに出発。官庁街に力強くシュプレヒコールを響かせました。

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