野田首相のTPP(環太平洋連携協定)交渉への参加表明をめぐり緊迫した状況を迎えた10日、国民春闘共闘委員会は、全労連など諸団体と共同して『11・10中央行動』にとりくみました。日比谷野外音楽堂での中央総決起集会には全国から3000人が参加。暮らしと産業を破壊するTPP交渉参加反対、被災地の早期復旧・復興、賃上げ・雇用拡大による景気の回復などを求め、終日行動を繰り広げました。
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訴える大西常務理事
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JA全中が連帯あいさつ 中央総決起集会
午後から日比谷野外音楽堂で始まった中央総決起集会には、3000人が参加しました。 主催者あいさつで国分博文・国民春闘共闘代表幹事(全農協労連委員長)は、TPP参加が農業を破壊するだけでなく、非関税障壁の撤廃で国民の健康と食の安全を根底から脅かし、医療の規制緩和で国民皆保険の崩壊を招くとのべ、「政府が参加をあきらめるまでたたかおう」と呼びかけました。
全国農業協同組合中央会(JA全中)から大西茂志常務理事が参加し、連帯あいさつ。震災からの復旧復興のためにも「TPP交渉不参加を表明して農家の不安を払しょくすることが政治の務め」と指摘し、国民のいのち、美しい国土と地域経済を守ることこそ真の国益だと訴えました。
国民春闘共闘の黒田健司常任幹事(国民大運動実行委員会事務局長)が情勢について報告。「安全運転」を標榜しながら暴走する野田首相と政府に対し、「世界と日本を動かしているのは国民の力であることに確信をもち、いま生まれている新たなうねりを職場・地域で広げていこう」と呼びかけました。
各団体を代表して、7人が決意を表明しました。
農民連の白石淳一会長は、8割の道府県議会がTPP参加反対・慎重な対応を求めており、「追い詰められているのは推進派だ」と指摘。TPP参加によってもたらされる食糧自給率の低下・農業をはじめ産業の破壊と震災からの復興は決して両立しないと強調しました。
「時給1000円以上の実現をすべての生協理事会に要求するとりくみを強める」(かながわ生協労組・安部栄子さん)、「安全・安心の輸送確立のためたたかいぬく」(自交総連・池田忠司書記次長)などの発言が続きました。
“99%のために行動しよう” 厚生労働省前行動
厚労省前行動では、賃金底上げ、社会保障の充実などを訴えました。
主催者あいさつで、伊藤潤一・国民春闘共闘代表幹事(東京春闘代表委員)は、景気の悪化について「低賃金労働者を増やし、貧困を広げた結果だ」とのべ、「最低賃金引上げ、公契約法・条例の制定で適正な賃金を確保すべきだ」と強調しました。
国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が情勢報告と行動を提起。復興を口実に消費税を引上げ、社会保障を改悪する野田政権の動きを批判し、「99%の人たちのための世の中を実現するためにともに行動しよう」と呼びかけました。
単産・地方を代表して、4人が決意表明しました。
「被災地では看護師がボランティアで動いている。国民のいのちを守るために奮闘する」(医労連)、「社保庁職員の分限免職(解雇)に道理はない。安心して暮らせる年金制度を守るため、職場に戻る決意だ」(国公労連)、「労働局への最賃引上げ要請など、運動のがんばりが5円引上げにつながった。ナショナルセンターの枠をこえてとりくむ」(生協労連・鹿児島)、「失業者の働く能力と意思を向上させるのが厚労省の仕事。99%が生きていける世の中のためにがんばる」(建交労)などと発言しました。
このほか、国土交通省、経済産業省、総務省、財務省、農林水産省前でも要求行動を展開。国会議員会館では、「震災だからこそまともな雇用の実現を 11・10院内集会」(全労連・労働法制中央連絡会主催)を開催しました。
各行動後、参加者はふたたび日比谷公園に集い、国会へ向けてパレード。「暮らしをこわすTPP参加は許さないぞ」「賃上げで景気を回復しよう」「原発の被害者を救済せよ」のシュプレヒコールがこだましました。