国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は11日、2011年末一時金の第1回集計をおこない、19単産部会から報告を受けました。おもな数値と特徴を紹介します。
年末一時金第1回集計のおもな数値は以下のとおりです。
<回答状況>
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2011年
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2010年(同期)
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登録組合数 |
718 |
687 |
回答組合数 |
204(28.4%) |
139(20.2%) |
うち前年実績以上 |
68(33.3%) |
50(36.0%) |
うち妥結組合 |
60(29.4%) |
42(30.2%) |
<回答内容>
集計方法など |
2011年 |
2010年(同期) |
(前年比) |
単純平均 |
月数 |
2.18 |
2.17 |
+0.01 |
額(円) |
722,141 |
688,221 |
+33,920 |
加重平均 |
額(円) |
622,400 |
621,868 |
+532 |
組合員数(人) |
35,588 |
18,683 |
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※単純平均は同一組合対比
<集計結果の概要>
第1回集計には、別表の19単産部会204組合から報告が寄せられました。第1回集計は、今春闘または夏季闘争期に年間で妥結した部分が中心になっています。
回答組合数、妥結組合数とも前年の第1回集計時を上回っており、回答引出しでは生協労連のほか、出版・マスコミ関係で前進しています。
単純・加重平均とも増 中小組合がリード
一時金の単純平均額(一組合あたりの平均)は72万2141円で、前年同期比3万3920円増。加重平均額(組合員一人あたりの平均)は62万2400円で、同532円増となりました。
規模別では、「30人未満」が前年同期比8万円以上の増、「30〜99人」が5万円増と、春闘期に続いて中小規模組合の健闘が目立ちます。「1000人以上」の大規模組合は8万円以上の減となっていますが、今後、回答引出しが進むにつれ、押し上げが期待されるところです。
製造業、春闘期に続きプラスを維持
単産別では、前年同期(金額)と比較可能な17単産部会のうち、プラスが8、マイナスが9となっています。
製造業関係では、JMIUの平均5万2823円増をはじめ、春闘と同じくおおむねプラスをキープ。出版・マスコミ関係では、出版労連が前年同期比10万円以上の大幅増額をかちとっています。全印総連は、2年前の水準には及ばないものの、前年から6万円近い増額を引き出して健闘しています。
前年実績額以上を獲得しているのは68組合(回答組合数の33%)で、組合数で前年同期を上回っています。このうち5万円以上のプラスをかちとっているのは32組合で、うち19組合をJMIU傘下の組合が占め、出版労連、化学一般労連が続いています。
「100万円以上」の回答を引き出したのは10組合で、出版労連の組合が過半を占めています。
各組合の奮闘で、平均額が前年同期を上回っているとはいえ、リーマン・ショック前の水準に比べれば、単純平均でなお5万円以上のマイナスとなっており、到底生活改善に資する「積極回答」と評価することはできません。震災や円高を背景とした経営悪化を口実に、回答の延期やマイナスを回答する経営も少なくなく、今後の動向は予断を許しません。
各単産・単組では、統一行動を軸に、さらなる前進回答を求めてとりくみを強化しています。(おわり)
※第2回集計は11月下旬に予定しています。パート等非正規の一時金集計結果は、第2回集計時に発表することにしています。